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第522話 『雷霆万鈞』

 

 ***


 ついに始まる最終決戦。16の世界の少数精鋭として選ばれた『チーム一鶴』のメンバーや『陽光の刹那』の3人など。彼ら彼女らの勝負の大トリを担当するのは、現在生存している『チーム一鶴』の最古参であり、かつこの物語の主人公と純正メインヒロインであるリューガとショウガであった。


 リューガ及びショウガと同じく最古参であったリカは、9の世界の「250分革命」の戦いの渦中で死亡したリューガを生き返らせるために死亡してしまった。


 要するにリューガはリカに『憑依』したのだ。故に、リューガはリカになり、リカはリューガになったのであった。それを踏まえると、ショウガもリューガと共闘する現在、『チーム一鶴』の最古参が揃ったこととなるのだ。


「あなた達、ここに来るまでに何人の人を殺したんですか?」

 糾弾するような金切り声で、俺達にそんなことを問うブーロン2世。


 ───俺は、どの世界でも大量に人を殺してきた。


 自分の正義を守るために。自分を生を犠牲にしてでも戦ってきた。

「殺してきたのは、俺の正義とは相反する存在ばかりだ。赤の他人を傷付けて手に入れる平和なんて平和だとは言わねぇからよ」

「じゃあ、どうして僕の父親を殺したのですか!」


「俺達は逃亡を見逃した。でも、再度現れたのは───ルカを殺したのはそっちだ。だから、俺達は被害者だ」

「───もういいです。あなたの理論によると、自分と相反する正義を持つ人は殺してもいいんでしたよね?ならば、僕はあなた達を殺します」


 ”ゴロゴロゴロ”


 ───直後、俺の頭上に暗雲が現れ、雷が放たれる。


「危なっ」

 俺は、その雷をギリギリで避けた。どこか、当たってはいけないような気がしたのだ。


「リューガ、大丈夫か?」

「あぁ、別に俺は問題ない」

「そうか。なら、2方向から一気に攻める。それで問題ないか?」

「異論はない。そっちはショウガに任せるぞ?」

「もちろんだ!我に任せておけ!」


 チラリと、雷が落ちたところを見るとそこが何かの金属に変わっていた。ザッと見てみるに鉄だろうか。


 雷霆万鈞(らいていばんきん)・・・雷を落とすことが可能。その雷が落ちたところは、鉄に変わる。


「当たったら鉄に変わるのか?」

「言いません」

「そうかよ、まぁどうだっていいぜ!」


 そして、俺とショウガは一気にブーロン2世の方へ迫る。

「『雷霆万鈞』!」


 ”ピシャリ”


 暗雲は発生しなかったが、その代わりに細い雷が落下してきた。狙われているのは、全て俺のようだった。

「ショウガ、そっちで攻撃できるか?」

「もちろんだ!」


 俺の方にめがけて何度も攻撃が放たれる。ショウガはノーマークなようだった。女性には攻撃できないタイプの人間なのだろうか。


 ───いや、父親の仇として俺を攻撃しているのかもしれない。


 ブーロン1世を殺したのはイスマー侯爵だって言うのに、酷い当てつけだ。俺は、ブーロン1世が逃げるのを見逃したっていうのに。


「飛閃軟突流  指突」

「───ッ!」


 直後、ショウガの手の腹から放たれる剣。もしかしたら、ブーロン2世はショウガが剣を持っていなかったかあノーマークだったのかもしれない。

 ブーロン2世は、急いで身体をそらすが全て避けることはできずに肩に攻撃を食らってしまう。


「───ぐ...」

「ショウガ!」


 俺は、ショウガの真上に暗雲が現れたのに気付き、直後声をあげた。

「わかってる!」


 ショウガは、ブーロン2世の肩に刺さった剣を抜くこと無くそのまま後ろに下がった。ブーロン2世は、肩に刺さった剣をゆっくりと引き抜いてそれをショウガのいない後ろの方にポイッと投げ捨てた。


「痛い...痛い痛い...これだけの仕打ち、赦されると思うなよッ!」

「赦しも許しもいらねぇ。俺達は俺達の道を進むだけだ」


 ───と、ここで気付いたのだがもしかしたら『雷霆万鈞』はブーロン1世とMrs.ブーロンの遺伝なのかもしれない。


 ブーロン1世の能力は『閃光』で自分の体を一瞬光らせることができるという能力だ。

 そして、Mrs.ブーロンの能力は『Fe』で自分の体を鉄に変化させることができるという能力であった。


『雷霆万鈞』の雷と光は類似しているし、落下したところが鉄になるので『Fe』とも関連があるだろう。


 両親の能力が混ざっているようだった。シンドークの『呼吸』とシンドークの弟であるカミールの『空間削除』の2つや、キュラスシタの『サーカス』やワッケラカエンの『否定者』など、ほとんど類似してるとは思わないような能力が多かったので、能力が遺伝するとは考えもしなかった。


「遺伝する可能性もあるって、考えたほうがいいのかな...」

 全ての能力が遺伝する可能性はないのは承知だった。それは、先例もあるし考えればすぐわかることだったしね。


「───ショウガ、剣と取る隙を作る」

「すまないな」


 俺はそう言うと、再度ブーロン2世に接近する。もちろん、ブーロン2世はそれを拒むようにして『雷霆万鈞』を使用してくる。俺は、それを避けながらついに『破壊』の範囲内にやってきた。


「ブーロン2世、これで終わりだ。『破壊』」


 ───俺が『破壊』を使用した直後、目の前に雷が落ちる。

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