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第512話 『ダブル・ディファレンス』

 

 俺達の目の前に現れるのは、ゴエティア序列46位である、背が低く禿頭の女性からモテるであろう要素が一つもない男性───ビフロンスであった。


 俺は、確かに心臓を『破壊』したのを覚えているし、そのビフロンスの死体の上から、この戦争の全てを嘲笑うかのような隕石が───ダヴィの能力である『血濡れの隕石』により降ってきた隕石が追突したのを覚えている。衝突したのを覚えている。


 なのに、何故生きているのだろうか。


「───もしかして、お前も『憑依』を?」

 俺は、そんな結論に辿り着く。俺と同じく、『憑依』を持っている相手ならば生き返ることだって可能だ。


 もし、相手が『憑依』を使う相手なのならば『憑依』の手順を調べなければならないだろう。


「『憑依』?そんな、大それた能力なんざ持ってるわけねぇだろ?まったく、ぶっつけ本番すぎてこちとら生き返れねぇんじゃないかってヒヤヒヤしたぜ。いや、実際に俺は死んでたからヒエヒエに冷えててんだろうけどよぉ!」

 笑えない死体ジョークだ。もしかしたら、ビフロンスはゾンビか何かの類なのかもしれない。


 などと、思っていると───


「もしかして、生き返る能力ですか?」

 そう問い返したのは、『陽光の刹那』であるアイラだった。そう言えば、俺も一度だけ、一度だけ生き返る能力に出会ったことがある。


 出会ったのは、12の世界にて。いや、俺はその生き返る現場をしっかりと見ていた訳じゃないが、今はもう亡きシェオルに語らせれば、12の世界でシェオルが出会ったソーという髭の生えた小太りのおっさんは確かに甦っていたようだった。

 その能力名は確か『よみがえり』だったはずだ。


 よみがえり・・・1度だけ生き返ることができる。


 もし、ビフロンスの能力が『よみがえり』のようなものと同じ系統の能力ならば、攻略がかなり難しくなるだろう。ゲームであるあるの、3回倒さなければいけない敵───みたいなやつかもしれない。


 今のところ、俺が『破壊』して殺したことで残機を1つ減らすことはできている。だが、残り何回倒せばいいのか不明なのだ。


「俺の能力は『ダブル・ディファレンス』だ。もう使えないが、確かに2度お前らの前に捨て身の特攻ができることになった」


 ダブル・ディファレンス・・・一度だけ生き返ることが可能。


 僥倖。ビフロンスは、自分から生き返ることができる回数をペラペラと自分から話してくれた。


「ここは、俺が出る。逆に、俺一人だけでいい。俺は、一回コイツに勝ってんだ」

「おいおい、舐めてもらっちゃ困るな。この半年、お前に負けた後ずっとだらけていたわけじゃねぇ。お前の『破壊』も『生物変化』も全部対策してんだよ、雑魚が」

「───そうなの...か?」


 いや、別にまぁ一度負けた相手の対策をするのは当たり前だろう。別に、何もすごいことじゃない。

 勉強も、復習が大事だって言うし。人生も、復讐が大事だって言うし。


「それじゃ、ここは『陽光の刹那』の3人に任せてみるか?」

 そう提案するのはモンガであった。モンガは、敵の実力を見誤ることがほとんどないから彼女の決定に従っても良さそうだ。


「いいんですか?」

 逆に、確認するように問うのは『陽光の刹那』の現リーダーのペトンであった。


「この先にいることが確定しているのはアレクにダヴィにブーロン2世。もしかしたら、生き返ってる奴もいるかもしれないが、それを加味したって最弱はビフロンスだろう。だから、ここは3人に任せることにする」

「最弱を任されるって、なんだか嬉しいことじゃねぇが...まぁ、任されたことは完璧にこなしてやるぜ!」

「オルバ、あまり調子に乗ってると死ぬわよ」

「はいはい、わかってるよ!」


 ───と、言うことで俺達はビフロンスの相手は『陽光の刹那』の3人に任せることにした。


 ビフロンスはどこか不満げな顔をしていたが、俺は別にビフロンスと再戦がしたいわけじゃない。どうせ、俺が勝つしね。


 ───と、俺達は先を進む。17の世界の王城の中についに侵入したのだ。


「ここが...」

 そこに広がっていたのは、絢爛豪華な内装であった。空には巨大なシャンデリアが浮かび上がっており、吹き抜けの天井であった。数えるに、17の世界の王城は5階建てだろうか。


 16の世界の王城「ガルム」を知った後だとひどく小さく感じるが、17の世界の王城だって十分にデカい。

 16の世界の王城「ガルム」が超高層ビルであることの方がおかしいのだ。あれは、城とは言わない。


 ───と、玄関の正面に確認できる巨大な階段。


 そこの踊り場に、一人の女性が立っていた。


 俺達は、その女性を前回見たことがある。

「───Mrs.ブーロンか...久しいな」

「ご機嫌麗しゅう。お久しぶりですわね」


 そして、Mrs.ブーロンは丁寧にお辞儀をする。第二の関門は、どうやらMrs.ブーロンなのであった。


「ここは...」

「私に行かせて頂戴」

 そう自分から志願するのはマユミであった。


「───マユミ?」

「ここは私に任せて頂戴。一人ってのは、心細いからもう一人くらい欲しいけれど...」

「ママがここに残るなら、ぼくもここに残るでちゅ」

「セイジさん、アナタは回復魔法を使える重要な人物です。だから、リューガ達についていってください」

「でも...」

「終わったら、ナデナデでもギューでもしてあげるから」

「───わかったでちゅ」


 セイジは、マユミのナデナデとギューを引き換えに、その場に残ることを引き下がった。マユミはかなり、セイジを飼い慣らしているようだった。


「──んじゃ、ここは俺が残るってことにすんぜ」

 そう、一歩前に出たのはカルガンだった。俺は、カルガンの戦ったことを見たことはないが、一流のスパイのようだし任せても大丈夫だろう。

ビフロンスvsアイラ・ペトン・オルバ

Mrs.ブーロンvsマユミ・カルガン

リューガ・ショウガ・モンガ・クロエ・セイジ・アハト

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