俺のフレが増えました。
何とか猫のレベルを上げて店を出たところで呼び止められた。
「お前らレベル20台だろマホとか言うやつ知らないか」
俺とサクラは顔を見合わせる。
知り合い?
いいや。
チャットを使わなくてもそれは通じた。
キャラクターは基本的にランダムで選ばれた外見を自分で手直しして作る。
この男のは、なんとも言えず、下品だ。
「昨日までLV20のミニダンジョンでボスのキング狙いをしてたらしいけど良く分からん」
「そうか」
それだけで礼も言わずに町の出口に走っていった。
「嘘は言ってないよ。ミニダンジョンで待つつもりなのかどうかは知らないけどかかわりたくはないね」
「でもレベル20のメインダンジョンを抜けないと次の町に行けないよ、きっとあいつみたいなのが中で待ってる」
高レベル帯のクエストダンジョンを除き、この世界のダンジョンはパーティーや個人で独占することが出来ない仕様になっている。
そして町の外はノーマルゾーン、つまりペナルティを払えばプレイヤーキルが出来る。
一対一ならとも思うが遠距離からでかいのをぶっ放されてはなんともならない。
だからサクラが心配してくれているんだが、非戦闘民にもメインダンジョンを潜り抜けて向こうの町に行く方法はある。
『こちら農夫、LV20メインダンジョン直行越え護衛求む。報酬は復活の実1個6名、先着順1時間後出発、同レベル同行無報酬なら可』
これでいいはず。
復活の実はこの前のドロップの種に紛れ込んでいた。
これ自体かなりのレアだが復活薬は別の材料でも作ることが出来るのでそこまで高くない。
まぁ初心者らしい報酬だろう。
はっはっは、おぅなんてこったい。
笑うしかないのか。
でわっ!
「勝ったぞ~! 」
「おぉ~!! 」
2番目の町の広場いっぱいに集まったプレイヤーが雄たけびを上げる。
吼えているほとんどがトップクラスのレベル50台だったりするんだ。
募集を掛けたら新規さん応援クランとやらの人たちがすぐに駆けつけてくれた。
せっかくだから途中も楽しまなくっちゃと、あえてレベルが20台の人たちが来てくれた。
それでダンジョンに入ると、暇つぶしだとかで襲い掛かられて、応援呼んで、向こうも呼んで…
大戦争が勃発しました。
いやぁ面白かった。
俺逃げてただけだったけど、フレンドの数が一気に増えたのが収穫だった。
それよりも…
俺のスキル【死者の逆襲】のカウンターが13になっている。
敵味方の識別のために、俺がリーダーになってパーティーを重ねて軍団を作ったのだが、他のプレイヤーが殺し殺された数がカウントされていたみたいだ。
つまりあれだけの数で戦って、数では13人負けていたわけだ。
俺は自分の屋敷に戻って【転化】する。
ふわりと伸びて腰にかかる髪。
背中に小枝があるのはいつもと同じだが腰に短刀が装備されていた。
確か持っていたのは最後にボスで出した長剣だけのはず。
レジェンドのふさわしい攻撃力だが何もオプションはなかったはず。
抜くと確かに長剣だった。
ただ見た目が短剣で実際の1/4にしか見えない。
上級者を相手にするのにちょうどいい。、
さぁ出掛けようとしたら、トモからチャットが入った。
『変身すれば分かるんだからね、一緒に行くからちょっと待ってなさい。』
俺ってそんなに単純なのかな。




