燐刀学園
こんにちは、瞳です。
ではどうぞ。
コツコツと足音を鳴らす影、歩廊を歩き、少し前の扉に向かっているのが分かる。
扉の前に立つと、自分の胸を右手で触り深呼吸をして何かを決意したようにきりっとした目で開けた。
「しずま、私と戦いなさい!」
扉がを壊れるのではないかと思わせるほど盛大に開くと同時に慌ただしく姿を現す美少女、そこには赤い髪に染め、瞳までが赤く輝いている。
彼女はしずまと言う少年に力ある歩きで近づくつれ、左右に揺れるツインテールに赤い瞳は恐らくどんな男でもその魅力に目を捕られるだろう。
だがある男は除くが。
「しずま、私と戦いなさい!」
「それさっき聞いた」
めんどくさそうに放つしずまは黒く高級な椅子に座りながらパチパチと爪を切り、ふぅと息を吐く。
その態度にますます苛立ちを持つ彼女はしずまの前に設置されている机を叩くが、何時ものことなので耳を持たず、しずまは何事もなかったように爪を切り続ける。
「あぁぁぁぁ! 私が戦いたいって言ってんだから戦いなさいよ!しずまはただはいって言って私と戦えばいいの!」
「千草ちゃん、いい年してるんだからそのジャイアンニズムは止めようよ、それに何で僕が君と戦わないといけないわけ」
「貴方の座を奪う為よ、そして伯父様の仇でもあるから」
「そりゃあご苦労さん」
話が途切れ爪切りを再会するしずまの裏腹に千春は、むむむと頬を膨らませ怒るが可哀想な事に全然怖くないしむしろ可愛い。
燐刀学園、そこは様々な学生が集まる戦いの場、1年から3年生まであるなか、生徒全員が何かしらの刀を持ち、その刀に魂が宿されている。
1~5のクラスアップがあり、1が最低から始まり5が最高クラス。
ランクアップは自分のランクより高いやつを決闘を申込み、自分の刀でそいつを倒す事が出来れば上に昇格できる。
もし、1のやつが3を倒すとそれは互いに入れ替わるというシンプルなルールだ。
もし、卒業する前に高いランクを維持していたら、かなりの良い就職がつけれる、これは現代の総理が決めた理不尽にも学力の社会に生まれてしまった不幸を変えるため、自分の肉体的力を全てを発揮させる特別な学校を建てた。
勿論多数の科目も勉強をする。
そんな学校にある日、こんな話題が流れた。
それは理事長の座も奪うことが出来る。
それを手に入れたのが今、ここの学校の当主、しずまなのだ
。
その前の当主が千草の伯父で、その仇か熱心にしずまに勝負を挑んで座を奪い返そうとしているが生憎としずまは戦う気はこれっぽっちも無い。
だがそんな考えを裏腹にある法律が定められた。
1ヶ月に1回は戦え、出来なければワンランク下がり、当然ランクがゼロになると退学である。
学歴無しに退学になれば今、この現代を生きていくのは不可能に等しい。
これはしずまの意志には関係なく、これは日本の総理が決めたこと。
こんな法律できちゃったもんな、全くいい迷惑だよ、せっかく上から眺める景色を楽しむ為にこの座を奪ったのに。
だがあずまはニヤリとこの部屋の空気を冷たくなったような嫌な笑みを見せる。
その笑みは何かを企んでる笑みだった。
千草はその笑みを心底怯えるが表情には出さない。
嫌な笑みを見せてくれる。
でも私はそれでも引き下がらない、伯父様の仇をとるまでは
。あの楽しかった家族関係があいつのせいで一夜にして消えた。
もう元通りの家族との生活を送るのは無理に等しいだろう。
でも、それでも私は何としてでもあずまの座を奪い返す。
それが意味のない行為だとしてもこの男は絶対何かを企んでるに違いない。
そうなる前に、私がこの男を倒してランクを下げてやる!
何時の間にかお互い火花を散らしている。
「そんな睨まないでよ、怖いじゃないか、ほら可愛い顔が台無しだよ千草ちゃん」
「全然怖そうな表情してないけど」
「ハハ、全く持ってしょうがないな、どっち道戦いはしないといけないし、いいよ、相手になってあげる」
あずまはニヤニヤした表情のままそう言った。