山小屋もだいぶにぎやかになってきたな、人間は俺だけだが
さて、湖の魚と交換して手に入れた子ヤギ二頭が加わったことでだいぶにぎやかになってきたと思う。
「きゅぴー」
「がう」
「めえー」
そして猪と狼と山羊は食べるものがほとんどかち合わない上に粗食に耐えるのもいいことだ。
猪は豆や穀物を好むが芋やキノコでも大丈夫だし、狼は肉食だが鹿や雉の残りでも大丈夫だし、病気の鹿の肉はオオカミたちに全部食べさせているし、腹が減ったら野鼠や野ウサギ、リスなどの小動物を狩る事もできる。
病気の鹿を狼に食わせて大丈夫なのかと思うかもしれないが、自然では病気や高齢で足が衰えている鹿を狙うことのほうが多いし、明らかにヤバそうなのは食わせないようにしているけどな。
そして山羊の場合、基本は草を食べるが好き嫌いも少なく樹皮やかれ葉でも食べられ、上り下りに強いため山岳地帯でも飼育でき繁殖力も強く、雌山羊の性成熟は大型の方が遅く、小型の方が早いが大型のもので半年、小型であれば3-4カ月齢程度で発情して子供ができれば乳が出るようになるので半年後くらいには乳が飲めるようになるはずだ。
更に牛や馬、羊に比べると食べる量は相当少ない上に樹皮や木の葉などでも大丈夫だ。
そして山羊の乳質はウシよりも人間のものに近くて、消化吸収がよく下痢にもなりにくいし、乳量はヒツジよりも多いというメリットが有る。
猪や豚は食べる場合は殆ど捨てる場所はないが食べる以外の目的に使うのはほぼ不可能だ。
しかし山羊は乳を飲んだり毛を刈って衣服用の繊維にすることもできるかなり便利な家畜だったりする。
驢馬や馬と違って荷物を運ぶということには使えないけどな。
「まあよろしく頼むぜ」
「めえー」
山羊は人懐こく甘えん坊だが、気が小さくて、さみしがりやではあるはずだが、猪や狼たちとも仲良くやっているようだ。
山羊は毒草でも食べてしまうことがあるので、それには気をつけないといけないけどな。




