狼と猪は子供同士は意外と仲良くやっていけるようだ。
さて、俺が捨てたどんぐりで猪が、骨で狼が餌付けされてしまったわけだ。
本来、猪は狼の臭いを嫌って近づくことはないのだが、どちらも子供だからかそれともあっさり餌付けされるこいつらが特殊なのか割と仲良くじゃれ合っている。
イノシシは脚が短いため雪の深い地域にはいないが、狼はどちらかというと雪の深い場所のほうが得意だ。
ということは元来あまり接点がないという可能性もあるな。
「きゅぴー」
「わう」
むしろ現状では猪の方がでかいので子狼のほうがやばい感じにも見える。
実際に狼が猪を狩るとしても0歳のウリボウはともかく1歳以上の猪に手を出すことは基本的にはしないのだが。
でかくなった猪を狩ることができるのは大型肉食獣の虎や豹、あとは水辺ではワニ、場所によっては大蛇などくらいで狼では返り討ちにあう可能性も高いので、鹿と猪が同時に分布している場所では、鹿の方を優先して狩る選択していることが多いらしい。
「お前たちが鹿狩りを手伝えるようになると助かるのだけどな」
「がう?」
まあ、今すぐにと言うのは難しいは日頃から訓練と食事についてのしつけはしないといけない。
「待て」「追え」「戻れ」という命令を理解し実行できるようにするためにも、なるべく毎日の山歩きに連れていき、おれが意図した通りの動きを行えるようになったら、干し肉や干し魚などの”ご褒美”をあたえることで”こうすればご飯がもらえる”ということを覚えさせていかないといけない。
さらに鹿などの獲物を見つける為の能力を育成するためには、足跡などを探し、匂いを覚えて実際に鹿のねぐら場所まで一緒に行くということもしないといけない。
「これは、鹿の足跡と匂いだ、わかるか?」
俺がそう言っても首を傾げるだけだな。
「あう?」
うーん、わかっているのかわかってないのか。
何れにせよ自分たちが俺を手助けしないと、ご飯をもらえないぞということをだんだんとでいいので子狼たちにわからせていかないといけないな。
どういう意味では猪たちが芋を探し当てて俺が掘るということをやっている意味からも理解してくれるといいのだが、まあ今すぐは無理だろう。
とは言え犬の成長は猪以上に早かったりもするのでのんびりしてもいられないのだが。




