こんどは捨てた鹿や雉の骨に子供狼が餌付けされたらしい
さて、トリカブトの矢毒を使って鹿を狩ったり、雨を利用して雉を刈ったりもして、それらの肉を干しつつ熟成させて、少し食料に余裕も出たのでカサスゲを使って縄をゆって、それを使って投網も作った。
これで魚をとるのが楽になるだろう。
せっかくなので麓の湖に行って魚をとってこようと思う。
びく代わりに背負いかごを背負って山道を降りていくと猪たちもついてきた。
「湖畔にはお前さんたちが好きな雑草の穂がたくさん生えているはずだ」
「きゅいー」
で実際に湖の近くの湖畔には雑草も結構生えている。
「きゅいー」
猪たちがメヒシバ、オシヒバにエノコログサといったイネ科の雑草の穂をむしゃむしゃ食べている横で俺は湖の水面に投網を投げてそれを引き上げる。
網の中にはコクレンやハクレン、コイ、アオウオ、ソウギョなどが入っている。
これだけとれれば、しばらくはこれらも干して食っていけるな。
「おーい、お前らかえるぞー」
水浴びをしたりしている猪たちに声をかければ湖から上がってきた。
そして小屋に近くについた時に猪がヒュウっと俺の後ろに隠れた。
「ん、なんだ?」
で、何かいるのかと思えばどうやら捨てた鹿や雉の骨を狼がくっていたらしい。
親らしいオオカミたちは俺が近づくとササッと逃げ出したが、子供らしい狼は骨を食べるのに夢中みたいだな。
そして狼の子供はかなりやせ細っている。
狼は群れの大きさで狩りの成功率が大きく変わり、群れは通常5匹から11匹の規模が多いが、場合によって何百匹の群れになる場合もある。
エサが豊富だと複数の群れが合体して、1つの巨大な群れとなるが、餌が少ない場合は小さな群れとなりは狩りの成功率50%ほどになってしまうらしい。
「魚…食べるか?」
狼はなく食性で魚を食べるかはわからんが出汁をとってしまった骨だけじゃ腹の足しにはあんまりならないだろう。
「わ、わう?」
「ほれ、くえ」
俺は投網でとってきた魚の一匹を投げてやった。
「わう!」
そして子供狼はそれ咥えて藪の方へ行ってしまった。
チュウゴクオオカミは犬の祖先であると考えられていて、猪が人間の残飯により飼いならされ豚になったように、オオカミの一部が人間の残飯を漁ることで人間の宿営地近くに出没し、人間に餌付けされたものが飼いならされた可能性が高いらしい。
そしてその翌日だがちょこんと子供狼がすわってしっぽを振っていた。
しかも2匹に増えている。
「あー、やっぱ魚がうまかったか?」
「わう!」
どうやらウリボウに続いて子供狼も餌付けしてしまったらしい。
俺は干していた魚を子供狼達に食わせてまた湖で魚をとってくることにした。
まあ、鹿狩りの時、猟犬として役に立ってくれたりするようになることを期待しよう。




