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縞パンってあったんだね。

大地に大の字になり、空を見上げ俺は想う。




あ~この世界の空は本当に澄み切っていて綺麗だ。



青ではなく蒼だな。そう考えながら今日もまた空を見上げる。





でもたまに違った景色、違った色が俺の視界に広がる。




「今日は水色の縞々か。」

そう口にした次の瞬間激痛に襲われる。

思いっ切り踏みつけられたからだ。


我々の業界ではご褒美です。


でもここまで容赦無いと罵ってくれないかな~?と想う駄目だ俺が居ます。




「毎回毎回懲りないわね、あんた!さっさと起きなさいよ馬鹿!」

アリガトウゴザイマス!

そう心の中で叫びながら俺は起き上がった。


「逆に聞くけどなんで毎回毎回スカートなの?せめて離れてればいいのに」

「はぁ!?淑女たる私が!?ありえませんわ!一遍ぶち殺しますわよ?」


実はこのやり取りは度々やっている、まあお約束だよねしょうがないよね!


サイドテールを靡かせ白のワンピースを着た赤髪の美少女がふんぞり返って

俺を見る。若干赤くなってるあたりが憎めない。

彼女の名はイニス・グラン・モルハデス・ウィーラント。

魔法都市モルハデスを収める公爵家の長女でかなりのお転婆だ。




何故彼女がいるのか言うと俺の魔導書に興味がありそれを見聞しに来たらしい。

俺の魔導書は特別だ。その素材製作過程に置いて超一級品なのもそうだが、

その扱いが特殊なせいだ。

本来、魔導書や魔道書、魔術書と言うのは魔法における研究過程など自己の成果を書き残し弟子などの引き継がせる為の本だ。


だが俺は魔法使いなら持つスタッフがない。だから代わりにスタッフの代わりとして魔導書を使っている。ゲームでは武器としてある位だから簡単に思い付いたわけだ、出し入れ簡単持ち運び自由だしね。





でもその行為が魔術ギルドを震撼させた。


ある者は言う、研究過程を気楽に持ち運び奪われたらどうするのだ!と激高する者


ある者は言う、魔道を極める者としてありとあらゆるモノを瞬時に記録し万物の理を知る根源になるかも知れないと関心する者


ある者は言う、わっはっはっは!あの小僧、またやらかしおったか!愉快痛快じゃ!飽きさせぬ小僧じゃて!と。




最後のは魔導書を作ってくれた爺さんだ。空間魔術の使い方を知った時

「マジックボックスってのはないんですか?」

とつい聞いた時だ、説明を求められたさ細かくね!

何故かって?マジックボックスが無いからだよ!またやらかしたよ!!



滅茶苦茶爆笑してた。それはもう年甲斐もなく大爆笑してた。

世界が動くぞ!これほど心踊る事はもうないじゃろて!

と言っていた。


3年後、アイテムボックスと名を変えて完成する。




閑話休題




そしてイニスはその特異な俺の存在、居場所を突き止め来たわけだが

何故俺がスカートを覗く事が出来るのかと言うと交換条件で魔導書を見せる変わりに乗馬の練習をさせて貰っている。当然指導付きだ。

そして練習の結果、俺が見事に振り落とされているからだ。

鞍はあれど鐙がない、馬に乗った事もないから落ちまくる。


落ちて痛がった俺を見て心配して近づいて声をかける。

その結果スカートの中を覗く事が出来るって事だ。



「カインがあれだけ丁寧に教えているのになんで上達しないのよ!」

カインと言うのは護衛騎士だ。16,7だろうか、さわやかなイケメンで性格もよく伯爵家の長男らしい。

つまり金持ちのイケメンってわけだな。正直羨ましいっス。


「お嬢様。無茶を言ってはいけませんよ?7歳で2日目でここまで出来ているのです。凄いと思いますよ私は。」


流石イケメン完璧やでー。

平民の俺でも丁寧に対応してくれる。こんな兄貴が欲しかった!


「ん~そうかも知れないけど~・・・バルカ!あんた頑張りなさいよね!」

「おう!任せとけ!だからイニスも言葉遣い気をつけろよ?お嬢様だろ?」

「解ってるわよ・・・馬鹿っ」



嗚呼、ツンデレっぽくていいわーあとはクールビューティーと知り合いたいッス


「せめて鐙があればましになると思うんだけどなー」

その言葉に反応して聞いて来る。

「失礼。バルカ様鐙とはなんでしょうか?聞いた事のない言葉ですが些か興味がります。よろしけれお教え願えませんか?」


「カイン喜んで答えるけど敬語禁止!言ったじゃないか~」

苦笑を浮かべ素直に頷くカイン。

それを見て笑顔で俺は教えた。


「鐙って言うのは鞍の左右に吊り下げて付ける足を乗せる馬具だよ」

「なるほど・・・。興味深いですね。どう言う効果があるか聞いても?」


またやらかしたーと思いつつ詳しく教える。

「両足の大腿部で馬の胴を締め付けて乗るけどこれだと不安定だよね?実際僕は落馬しまくってるしさ」

そうですね。私も身を持って経験していますからと苦笑を浮かべる。

「でもこの鐙を使うとそこの足を乗せて安定させる事が出来るんだよ、でも馬上で走らせながらでも踏ん張る事が出来るのが最大の効果じゃないかなと僕は思うよ」


カインはどうやらかなり優秀な様だ。

馬上での踏ん張りと聞いてすぐに軍人の顔付きになり思案している。

馬上での武器の使用、突撃の威力向上もか?などと小声で呟いている。

的確に鐙の効果を把握している当たり凄い。




「大丈夫?カイン」


すぐに何時もの笑顔を慌てて作る。

「失礼しました。お話中に考え事してしまいました。深く謝罪致します。」


深く頭を下げ謝るカインその姿に俺は慌てた、取り乱した。

7歳の子供相手に真摯に大人が謝るんだぞ?貴族の伯爵家の者が平民にだぞ?

知らない人が謝る姿をみたら狂気の沙汰にしか見えない。


「わー!わー!何やってるのカイン!頭をあげてよー!困るってー!」

笑顔でありがとうございます。と応える。

勘弁してくれよー本当に頼むぜー?


「バルカ。この発案は大変素晴らしい何か品を是非送らせて欲しいのですが希望の物はございますか?」

「えっ!?い、いらないって!不要だよ!本当にいらないからね!?」

「困りましたね。それでは私の気がすみません・・・では勝手に贈り物を送らせて貰いましょうか。はて、何がいいかな?」


くっそー俺が困ってるの見て楽しんでやがる!でも困ったなー。

贈り物を餌にネタに要求されそうで嫌だな~断われる・・・かな・・・?

あかんわ!目が本気だわアレ。何か適当な者を考えろ俺!




「カイン?それなら折角だし馬を送ればいいんじゃないかしら?馬具の発案が切っ掛けだし私達が帰っても乗馬の練習の出来るしどうかしら?」

「名案ですね。お嬢様感服致しました。では戻り次第ナイトメアかホワイトホースを手配致しましょう。」

「あら、良いわね。では私からの共同での贈り物としましょう。そうすれば問題無く送れるはずですわ。」

「然り。ではその様に致します。お嬢様。」

「よしなに。」



馬ってあんた、御宅の馬って魔法と魔物を掛け合わせた合成獣ですやん。

しかもナイトメアにホワイトホースって王都の一等地に豪邸建つLvの品ですやん・・・。


「って流石に高価過ぎるので他の品に・・・」

「公爵家の令嬢たる私が前言撤回など致しませんわよ?贈り物でランクを落とす様な事は決してね。受け取りなさいバルカ。それとも私に恥を掻かせたいのかしら?」



ここまでだな。惚れ惚れする位のお嬢様だな何時もならいいのに。


「謹んで受け取らせて頂きます。お嬢様」


とやらっれぱなしも嫌なのでウインク付きか格好良く決めてみた!


真っ赤にして顔を背けるその姿は歳相応の少女の姿だった。








==================================




「カイン。贈り物に点いては何もいいませんが、あの謝罪はやりすぎなのではなくって?」

カインは真面目な顔でハッキリと答えた。

「いえ。【彼】は実力評価は確かに微妙ですが王族と同様に扱う位が丁度よいと思われます。彼の叡智は計りしれません。彼を敵に回すべきではありません。」


「そう・・・。貴方がそこまで認める人なのね。実に興味深いわ。」


「はい。それに彼は贈り物の狙いを瞬時に読み取っていたようですしね」

瞬時に抱き込む事を考えての贈り物だったが勿論感謝の意も当然にあった。

あれほどの人物になら贈り物の効果がなくても縁が結ばれたのら儲け物だ。


驚いた表情で言葉の無くなるイニス。



「また会いたいものですね。彼に」



============================


本当に送られて来た馬。


ホワイトホースなのに黒く体格がいい。亜種だそうだがその能力はお墨付き

と言う事で選ばれ送られた。




「うん。お前の名前は『黒王』だ。」



こうして俺は愛馬を手に入れた。






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