第一話 「曇り空」
身体強化ナノマシン「ネクステージ」の開発により、次なる段階へと進化した人類。しかしある時、研究中の新型ナノマシンの暴走が起きてしまう。
そうして生まれた怪物と民間企業「ヒューマンディフェンスカンパニー」の戦いが始まる。近未来SF小説。
は日本本土の人口増加における政府の国土改革によって作られた日本海側の地域「北陸州」。その中に存在する区画「金沢」。
その市街地にたつビルのふもとに一人の少年が立っていた。
空には灰色の曇が浮かんでいる。
「もうすぐ雨が降りそうだな」
少年の名前は、柳田 雪斗
この少年が昔の時代に生まれたならば、今の年齢からすると、高校一年生という身分であっただろう。
しかし今の時代となっては、義務教育という仕組みも、高校も存在しない。試験も何にもないとはこのことだ。
身体強化ナノマシン「ネクステージ」が開発されてはや三十年。
日本では、足腰が弱り寝たきりの高齢者も事故や先天的な理由で体に障害を持った人もいなくなった。
医療が発展し、治療法が確立されていなかった大抵の病気は治療が可能になった。
脳にデータを送る機能によって学生が勉学に励む必要もなくなった。
ネクステージの開発は、その名の通り人類を更なる次元へ進化させた。
しかし人類の発展の歴史は同時に失敗の歴史でもある。
発明家ノーベルは、人助けのためにダイナマイトを作ったが、そのせいで弟や仲間を事故で失った。
ノーベルは戦争にこの発明が使われるのに反対していた。
と言われているが実のところダイナマイトの戦争利用はノーベル本人も想定しておりむしろ使われることが戦争への抑止力になると考えていたそうだ。
人を幸せにする発明は、人を不幸にもさせる。
人はずっとそうしてきた。過ちを繰り返してきた。
力なき者たちには止められない。しかし今の人類ならば…
そう雪斗が考えに耽っていると、すでに灰色に淀んだ空からは小雨がぽつぽつと振り始めてきた。
「それにしても、どこ行ったんだあいつら」
雪斗には、大切な仕事の待ち合わせがあった。相手は待ち合わせ場所にはまだ来ていない。
とても大事な用事なのだが連絡先もわからない。長いこと歩き回ったし、小雨も降ってきて辛くなってくる。
無論、小雨決行だが。
そろそろ通信がかかってくるはず―
『柳田さん。対象がそちらに向かいました。全力で殲滅してください』
唐突に通信が入る。その声は高くとても綺麗で透き通るような旋律を奏でている。
「了解」
そういって雪斗は、通信を切った。
そう、今は大切な「仕事」の時間。
「ただいまより、今回の仕事を開始します」
雪人は、ニヤリと微笑んだ。そして―
結構考えましたよ。設定とか結構変えました。やっぱり物語に対して妥協はしたくないですねwww




