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13/13

外

 研究所の周りはある程度雑草も刈られ整えられていたが、港と研究所を繋ぐ道から少し外れるとすぐに伸び放題の草木が見えた。人の気配がなくなって久しいこの島だが、自然の活気に溢れているのが分かった。

 レパートリーの少ないいつもの私服を着て研究所から出た私は、そういえば久しぶりにこんなに濃い自然の香りを嗅いだな、と思った。研究室に篭りがちになってしまう仕事柄……と言ってもまだ院生なのだが。どちらにせよ、外の空気をのんびりと吸うのは新鮮だった。

 と、周りの自然を眺めながら歩いていると靴の先端が何かにぶつかった。思わずつんのめったがもう片方の足でぎりぎり踏ん張ってこけずに済んだ。

 何につまずいたのかが気になり足元を見ると、股下の地面に段差がくっきりと現れているのが見えた。亀裂のようなそれはずっと、ずっと続いている。10年前、大きなニュースとなった東都沖地震の爪跡なのだろう。その段差は遠くなるにつれてその段差が増しているように見えた。

 まさかこの亀裂、島の端から端まで伸びているなんてないだろうな……と考えていると、奥の方、草木の間に何か人のようなものが動いているように見えた。目を凝らしたが、生活に支障のない程度で特段良いという訳でもない視力でははっきりと確認する事ができない。本来無人であるこの島、LIxEのメンバー以外に人がいるはずがないのだがどうしてだろうか、少し気になった私はその人影の後を追う事にした。

 陽はじわりと傾きつつあった。

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