表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
52/73

遭遇

 私とセローアは見通しのいい場所に陣取り、魔獣が出現するのを待った。


「どんなのかはそれじゃわからないんでしょ?」

「まあね。でも位置はかなり正確にわかるから、もう少しで現われるはずだけど」


 そう言ってるうちに、それらしきものが見えてきた。


 一言で言えば大きなイノシシ。全長は三メートルくらいだろうか。


「あれが何か知ってる?」

「いや、ちょっと大きすぎるわね。それに十頭もまとまってるなんておかしいわよ」

「じゃあ、町に近づく前に、ここで片付けたほうがいいか」


 セローアがうなずいたのが見えた。


 そういうことなら、まずは足を止めないと。


「アタッチメント! グレネードランチャー!」


 狙うのは集団の少し前。


 グレネードが着弾して爆発すると、先頭の三頭くらいが吹き飛んだ。


 それ以外はその場に急停止して、周囲を見回した。吹き飛んだ3頭もすぐに立ち直って同じような行動をしている。


 直撃じゃないとはいえ、ダメージが少ないように見える。


 私はとりあえずグレネードランチャーをバックパックに戻した。


「アタッチメント! マシンガン!」


 まずはマシンガンを左腕に装着。それからバックパックから右手で火炎放射器を取り出した。


「アタッチメント! モッドモード!」


 火炎放射器が縦に開き、そこに左のマシンガンを突っ込んだ。


「これで完成! ファイアーマシンガン!」


 そうしているうちにイノシシ達はこちらに気づいていた。


「来るわよ、どうするの」

「当然、こうするわけ」


 私は炎をまとった弾丸をイノシシ達に浴びせかけた。


 効果は? どう見てもよく効いている。一番近い一頭は蜂の巣になって転がった。


 当然それでは終わらせずに、マシンガンを撃つのはやめない。


 さらにあと三頭ほど蜂の巣にできたが、距離が近づいてきた。


「アタッチメント! チェンソーブレード!」


 このまま全速前進!


「セローア! 逃した奴はお願い!」


 体当たりをしてきた一頭にチェンソーブレードを叩きつけた。


 それはイノシシの体を切り裂いて、血と肉を飛び散らせた。これで残りは五頭。


 だが、そこに後ろのイノシシから体当たりを受けた。これはなかなかの衝撃だけど、深刻なダメージを受けるほどではない。


 体勢を立て直して次の一頭はチェンソーブレードで両断した。


 でもあとの三頭には対応できない。


 次々に体当たりをされたが、この程度でどうにかなるようなやわな装甲じゃない。でも心配なのは。


「セローア、大丈夫!」

「心配ないわよ!」


 振り向いてみると、セローアは両手から衝撃波を出してイノシシの突撃を逸らしていた。


 私はすぐに逸れた一頭に向けてマシンガンを撃ちこんだ。これであと四頭。


 もう一度の突撃に備えようとしたが、イノシシは突然足を止めた。


 そして、私の目にはセンサーの強烈な反応が入ってきた。


「気をつけて!」


 それだけ叫ぶと、イノシシ達の中心の地面が割れ、牙が並ぶ巨大な口が現われた。


 それは跳びあがりながらイノシシの体を食いちぎり、姿を現していった。


 こいつは、動物だとは思えない。十メートルはある楕円形の体はそのほとんどが口だ。こんな体で生きていけるとは思えない。


「なにこいつ! 知らないわよ!」


 セローアの反応からすると、この間要一君が遭遇したような新種かあるいは別の何か、ということか。


 でも、どうやら考えている余裕はなさそうだ。


 大口の化物はイノシシを飲み込むと、すぐにこちらに注意を向けてきた。


 とにかくマシンガンを撃ってみた。効果はあるようだけど、これでは決定的なダメージは与えらそうにない。


 私はチェンソーブレードをバックパックに戻した。


「アタッチメント! グレネードランチャー!」


 これを体内に撃ちこめばそれなりのダメージになるだろう。


「セローア、下がっていて」


 とにかく、こいつを引きつけて、グレネードを連発で撃ちこむ。


 私はグレネードを六連射モードに切り替えた。これは再装填に時間がかかるのが難点だけど、今が使いどころだ。


 大口はものすごい勢いで私に跳びかかってきた。


 私はそれをジャンプブースターで後方に跳んでかわした。でもこの角度じゃ口の中にグレネードは放り込めない。


 落ちながらマシンガンを連射してこちらに注意を引きつける。


 私が地面に着地すると同時に、その体からは想像できない勢いで大口を開けて襲いかかってきた。


 今度は動かず、グレネードランチャーを落ち着いてその口の中に向けた。


「喰らえ!」


 そのままグレネードを六発、その口の中に撃ちこんだ。


 一瞬の間をおいて、今にも私のパワードスーツに食いつこうとしていた大口が爆発し、その体が四散した。


 後に残ったのは、ぐちゃぐちゃになった肉片と、食い残しのイノシシの残骸。


 改めて見ると、まさにぎりぎりの勝負だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ