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第21話:神アプデ完了!数日後……あたし、ちょっと強くなってない!?

翌朝、凛愛は期待と緊張でバクバクする心臓を抑えながら、二人の待つ場所へと向かった。


まず迎えてくれたのは、ドヤ顔のエルドリンと、優しく微笑むアルメリアだ。


「待っていたよ、リアちゃん! 吾輩の最高傑作、魔導ネイルの加工が完了したよぉ! やったね!!」


エルドリンから差し出されたあたしの指先。そこには、昨日までよりも一層鮮やかで、宝石のような光沢を放つネイルが装着されていた。


「これ、ただのネイルじゃないよ。魔力増幅触媒だ。魔力0の君でも、スマホと連動させることで魔法を安定してぶっ放せる。まさにリア専用の最終兵器だねぇ!」


「やば、この輝きマジでアガる……攻撃力と女子力が同時にカンストしたんですけどぉ!魔界仕様のサイキョーネイルじゃん!カッケーッ!」


続いて、アルメリアが使い古したあたしのスクールバッグを差し出した。


「リア、こっちも終わったよ。バッグの内部を無限収納化しておいた。重さも感じないように加工してあるから、どれだけ荷物を詰めても大丈夫さ」


「アルメリアさん、神すぎ……! これで予備のカラコンもお菓子も無限に持ち歩けるじゃん! マジ感謝!」



そこからの数日間は、怒涛だった。


朝はエルドリン工房でバイト。

昼過ぎは中央図書院で魔界の知識を頭に叩き込む。

夕方は翠霧の森と草原で魔物狩り。


メモのできないスマホを片手に、全部暗記で乗り切るしかない日々。


「……吸血族は光に弱い。獣族は嗅覚が鋭いから匂いに気をつける。死霊族は物理攻撃が効きにくい……えっと、妖精族は……」


『……芸術に関係することに反応しやすい。気まぐれだが、気に入った相手には執着する、それと感情の起伏が激しい』


「あ〜!そうそう! 妖精メンヘラねー!」


『……何度目だ、その確認は』


「五回目……でも覚えた! たぶん!」


森では、ウルフを一撃で仕留めるのが当たり前になっていた。

パチンコが効かなかった草原のスライムは、もはや素材集めのルーティン。

魔導ネイルとスマホの連動が、日を追うごとに安定してきた。


「Fire!」


ぽん、ではなく、どん、と出るようになった。

制御もできてきた。


「ね?もーさ、超絶……ウマくなってきてない? あたし……マージの素質あるわ〜♪」


『……かもな』


「チュンペーに認められた! 記念日じゃん!」


『……うるさい、調子に乗るな』


そんな日々が、数日続いた。



そしてある朝。

久しぶりに通知音が鳴りスマホが静かに光る。


「……お」



【ステータス更新】


名前:星凛愛ホシ・リア

レベル:2 → 5


力:2→4

体力:2→4

素早さ:4→6

知力:2→6

魔力:0→2

運:10


新スキル解放:【魔力感知】

周囲の魔力の流れを微かに感じ取れるようになる。



「マジで……え?」


凛愛は画面をじっと見た。


「……知力、6になってる……」


『……図書館での勉強の成果だ。暗記で叩き込んだ分が、全部数値に乗った』


「えっ……じゃあ、あのしんどかった勉強、全部ちゃんと意味あったんだ……」


喉の奥が、じわっとした。


「え……よっしゃ〜!やった……魔力も2になってるんだけどぉお!」


『……ああ。これで触媒なしでも、微量の魔法なら使えるようになる』


「新スキルも出た! 魔力感知……?」


『……周囲の魔力を感じ取れるようになる。実戦で使えるようになれば、敵の動きが読みやすくなる』


「え、それ超強くない!?」


『……今は微かに感じる程度だ。浮かれるな』


「でも! レベル5だよ! あたし、レベル5になったんだけど!!目に見えるセーチョーよ?ねー!」


凛愛はスマホを握りしめて、ぴょんと飛び跳ねた。


チュンペーが「おい」と言いながら、髪の中でバランスを取った。


「ゆーしょー!! 図書館の知力も、森の経験値も、全部ちゃんと積み上がってたじゃん!! あたし、ちゃんと強くなってるじゃん!!」


『……まだまだ足りんがな』


「も〜……わかってるって! でも嬉しいんだって!!」


チュンペーは短く鼻を鳴らした。


でも、赤いマフラーがふわりと揺れた。



その日の午後。


凛愛は冒険者区の前に立っていた。


「……戻って来たよ、冒険者ギルド。最初に門前払いされた場所……」


重厚な扉の前で、一度だけ深呼吸をした。

あの時のリリスの顔が脳裏によみがえる。


「申し訳ありませんが、確認できない書類での登録はお受けできません」


「……あの時より、強くなった絶対なった!」


チュンペーの赤いマフラーを指でツンと触れる。


「……よし」


扉を押し開けた。

酒の匂いと鉄の臭い、屈強な男たちの視線が一斉にこちらを向く。

凛愛は深呼吸をして、ギャル特有のハッタリを効かせた笑みを浮かべた。


「……あ、あの……新規登録お願いします。あと、あたしガチで最強目指してるんで!」


チュンペーが凛愛の髪の中で、小さく吹き出した。


『……バカめ』


でも、止めなかった。



現在のステータス


名前:星凛愛ホシ・リア

レベル:5

力:4 体力:4 素早さ:6 知力:6 魔力:2 運:10

スキル:【逃走の心得】継続強化中 【魔力感知】新規解放

新装備:無限収納バッグ(アルメリア製)・魔導加工ネイル(エルドリン製)

次なる壁:ギルドの登録審査

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