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戦う前から決着がつきそう

「10秒でクリアしたって……。もう、私がランクCに上げるか悩んだ時間はなんだったんですかぁ!」


 冒険者ギルドに行ってクエストの達成を報告すると、ナーシャは俺に報酬を渡しながら叫んできた。


 まさか、クエストが上手くいったのに怒られてしまうとは。ただナーシャは俺にキスした事を思い出しているのか未だに顔が赤かったので、半分は照れ隠しのようだった。


「まぁクエストが無事に終わったなら、それに越したことはないわね。さっき隣町の方からレイン君を訪ねてきた子がいるんだけど、もしかして会う余裕ありそう?」

「俺に会いたい人ですか……? もちろん会う余裕くらいなら有りますが」

「初めてのCランククエスト後なんて、普通は立つ気力も残らない筈なんだけどね!?」


 ナーシャはそう叫んでから、その来客とやらを呼びに行った。どうやらその人が訪ねて来たのはつい先ほどで、まだギルドの中にいるらしい。


 心当たりはないが、一体誰だろう?

 ちょっと気になりながら人が来るのを待っていると、ナーシャは中学生くらいの少年を連れてきた。……マジで知らない奴来たぞ?


「思ったより早く会えたな。君達が最年少でCランクになったという子達だね?」

「はい、そうですけど」

「中には調教士もいると聞いたが……君の事か。スライムなんか持って、ただの冴えない子供じゃないか。そこの女の子達の活躍に乗っかってただけか?」


 その少年は名乗りも上げない内から、俺を見てそんな言葉を吐き捨てる。ええっ、何なのこの人!?


「いきなりそんな事言うなんて酷いよっ! あなたは一体誰なの!?」

「僕の名前はバリウス・ツウィル。君達がランクCになるまでは、最年少のランクCだった調教士だよ。僕ならこの調教士より活躍できると思うけど、一緒にパーティー組まないかい?」


 スフィが俺のために怒ってくれたが、バリウスと名乗った少年は反省するどころかスフィとニアを勧誘し始めた。スフィとニアは強いし中学生から見ても美女だから、そういう気分になってしまったのだろう。


「会っていきなり酷いこと言う人となんて、パーティー組みたくないよ」

「私も。あんたの妙に傲慢そうなところが、ちょっと前の自分を見てるようで嫌になるわ」

「何ぃ!? 僕はこんな調教士よりよっぽど役に立つぞ!?」


 だが彼の熱の入った勧誘は、スフィとニアにきっぱりと断られていた。


 どうやら彼は最年少でランクCに上がったと持て囃されていたのに、俺達がランクCに上がったせいで最年少じゃなくなったのを悔しがっているようだ。しかも調教士でランクCになったというアイデンティティすら奪われたので、俺を目の仇にしているといったところか。


「まぁいい。僕はそこの調教士に決闘を申し込みにきたんだ。僕の方が優秀だということは、そこで君達にも見せられるだろう」

「決闘!?」


 そうまでして名声が欲しいのか……。そんな事してる暇があったら特訓してた方が有意義だと思うけどなぁ……。


 まぁ調教士になって日が浅い俺としては、先輩調教士が稽古つけてくれるようなものなので断る理由もないんだけど。


「ま、一匹しか魔物を持っていないようではたかが知れてるけどな。僕は二匹も魔物を引き連れているんだぞ?」


 鼻高々にそう言って、バリウスは自分の隣にいる二匹の魔物を指さした。


 こっちには十八匹と二人の魔物がいるんだけど……。たださっき冒険者さんを困惑させたばっかだから、余計な事は言わないでおく。


「明後日の夜、満月になると僕が持ってるワーウルフは強くなる。その時に決闘しよう」

「うわ。あの人先輩なのに、わざわざ自分に有利な条件指定するんだ……」

「本物のクズね」


 バリウスが指定した決闘の時間にスフィさえも難色を示したが、まぁ時間をくれた方が俺も【調教】スキルを色々と派生させられるからありがたい。


 そんな事を思っていると、バリウスの保有している人型の魔物が一匹、おずおずと俺の方へと近づいてきた。狼のような耳の生えたこの女性が、先程言っていたワーウルフだろうか。


 彼女は俺に近づくと、唐突にお願いしてくる。


「凄く魅力的な匂い……。あの! 差し出がましいお願いかもしれませんが、私をあなたの魔物にしていただいてもよろしいでしょうかっ……!」

「え、俺は良いけど……」

「んなっ! 何言ってんだお前!?」


 ワーウルフの表情を見るに、バリウスの魔物として扱われるのは相当辛いようだった。調教士が他の調教士から魔物を手に入れるなんてまずない事だが、魔物本人がそれを望んでいるなら仕方がない。


 というわけで、決闘前からバリウスの魔物を手に入れちゃった。大丈夫かバリウス。



レイン・エドワーズ

射手lv.6/剣士lv.4/調教士lv.3/魔人lv.1

【弓術】lv.263

【散弓術】lv.78

【千弓術】lv.39

【高速装填】lv.57

【自動装填】lv.22

【強制装填】lv.41

【技能装填】lv.33

【背後射撃】lv.22

【音速矢】lv.19

【中継矢】lv.6

【近接射撃】lv.25

【剣術】lv.88

【遠隔剣術】lv.23

【剣防御】lv.8

【瞬突】lv.15

【回転斬り】lv.30

【調教】lv.82

【魔物保有数向上】lv.19

【魔人化】lv.1


【緊急回避】lv.31

【投擲】lv.89

【空握】lv.51

【空腕】lv.12

【投擲許容量増加】lv.24

【索敵】lv.103

【索敵範囲拡大】lv.17

【弱点捕捉】lv.23

【砥ぎ師】v.51

【過剰砥刃】lv.35

【足払い】lv.28

【回し蹴り】lv.36

【風転撃】lv.43

【浮遊】lv.32

【単独撃破】lv.12

【並行作業】lv.43

【鷹の目】lv.26

【消耗品再利用】lv.25

【強制収容】lv.38

【愛撫】lv.72

【高速振動】lv.37

【創造】lv.29

【魔王の血脈】lv.45

【狙撃】lv.27

【頑丈】lv.18

【一極集中】lv.5

【熱耐性】lv.3

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