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スフィ達を鍛えてみた

 寮まで戻った時には、流石に日は落ちていた。三人で仲良く食堂のご飯を食べ、それから皆で庭に出る。


 マスタースライムを倒すまではこの三人で一緒に訓練するなんて考えられなかったから、かなり感慨深いものがあった。


「じゃあ二人とも、何か鍛えたいスキルとかってある?」

「わ、私はとにかく、皆をサポートできるスキルを覚えたいな!」

「私は火力の高いスキルを覚えたいわね。なんとか攻撃を当てられても、レインの邪魔になるようじゃ嫌だし……」


 俺が質問すると、彼女達は正反対ながらどちらもしおらしい返事をした。


 うーん。二人が全く同じタイプの練習をするならアドバイスもしやすかったけど、そうじゃないなら……。


「よし決めた、スフィはニアを支援して、ニアは俺と戦えば良いんだ」

「「ええええええ!?」」


 練習の内容を決めると、二人は仰天しながら震えた。特にニアは凄くビビっているように見える。


「や、やっぱりレイン、私が馬鹿にしてきた事を怒ってるのね? ここで叩き潰すつもりなんだ……」

「ニアちゃん、骨は拾うよ……」

「いやなんでやねん。普通に訓練だって」


 何を怯えているのかと思ったら、そんな事を気にしてたのか。


「怒ってなんかないよ。俺を邪魔だと思ってたのは、ニアも冒険に本気だったからだって分かってるし」

「そ、そう……。ありがと……」


 ニアはこれまでになく嬉しそうに微笑むと、目に熱がこもった。どうやらやる気になってくれたようだ。


「ちょうどニアは剣士だし、剣士としては先輩だからな。俺も胸を借りるつもりで練習するよ」

「はうっ、それちょっと照れる……!」

「あ、ニアちゃんなんかずるいー!」


 顔を赤くしながらも、俺が木から作った木剣を構える。スフィも先輩と言われたかったのか、いつもより気合いの入った様子で支援術用の杖を構えた。


「お互い相手を痛めない程度に、スキルを駆使して練習しよう。じゃあこっちから行くよ? せいっ!」

「……っ!! 剣の使い方が、もう射手とは思えないんだけど!?」


 俺が前へ踏み込んで剣を振るうと、ニアが剣でなんとか受けた。しかしPIOで強くなるために剣道をかじった事さえある廃ゲーマーの記憶が、ニアに苦戦を強いる。


「ニアちゃん助けるよ! 【超駆動】!」

「あうっ……体が熱くなった……!」


 ニアのピンチを察したスフィが、咄嗟に機転を効かせてニアにスキルをかけていた。

 【超駆動】は対象が体力を消耗しやすくなる代わりに体の動きが強くなるスキルなので、このタイミングでそれを使うスフィの支援は的確だ。


「よし、これなら……っ!」


 支援を受けたニアは、勢いづいてスキルを連打する。

 【一閃】・【瞬突】・【回転斬り】。俺は剣に【風転撃】を付与したりして、なんとかそれらを弾き続けた。ついでに【剣防御】習得。


「やっぱり二人とも強いな。スキルを使わなきゃ攻撃を捌ききれないわ」

「むしろ全部の攻撃を捌ききれてる事の方がおかしいんですけどっ!?」


 ニアが突っ込むが、彼女達が強いと思ったのは本当だ。冒険者見習いの中で一目置かれていたニアはもちろん、スフィも根が優しいからか支援術の使い方が上手い。


 スキルレベルはともかく、プレイヤースキル……戦闘技術の面から言えばこの年で山賊達と同等だ。ならば、彼女らに危険が及ばないためにはスキルレベルさえ上げてやれば良い。


「ニアは【回転斬り】を使うとき体の力を抜いちゃうクセがあるから、体を意識して使うだけでスキルレベルが上がりやすくなると思うよ? 回転するときは、軸足じゃない方の足をこういう形に伸ばしてみて」

「うひゃんっ!? ちょっ、脚を手で持ち上げないで! か、感じちゃうから……!」


 感じちゃうってエロ過ぎかよ。まぁ九歳だし、言葉の綾だとは思うけど……。


 スキルレベルの高まりを感じちゃったのかな?


「んでスフィは支援スキルの選び方は上手いけど、力の込め方が下手だね? 一回自分に【超駆動】を撃って、支援スキルの体感を知ると良いかも」

「なるほど、【超駆動】を試したことはなかったな……。はうぅっ!? こんなに体が熱くなっちゃうの!?」

「そうそう。一旦感覚が分かると最適な力の配分も分かるだろ? あと【超駆動】かかった状態だと、スフィの【刺突耐性】スキルは上がりやすくなるよ」

「あんっ! 木剣でツンツンつかないでぇ!」


 スフィもエロい声出すなぁ……。スキルの練習してるだけなのに、なんかいけないことしてる気分になる。


 俺はそんな調子で、ニア達の攻撃を捌きつつ各スキルの特訓法にアドバイスしていった。


「私達の攻撃が、全部あしらわれてる……というかっ!」

「私達、もてあそばれてるぅ……」


 訓練も終盤になると、二人はヘトヘトになってバタリと地面に倒れた。


 予定では今からようやく肉体の限界にチャレンジした修行を始めるぜって感じだったけど、流石に無茶だったな。


「二人とも、よく頑張ったね」


 俺が二人を褒めながら、彼女らの頭を撫でる。やっぱり女の子の頭を撫でるのはクセになるなぁなんて思っていると、彼女達はとろんとした顔で見上げてきた。


 何故か【剣術】じゃなくて【調教】スキルのレベルがめちゃくちゃ上がってるんだけど、今の訓練が調教としてカウントされてるわけじゃないことを祈ろう……。



レイン・エドワーズ

射手lv.5/剣士lv.2/調教士lv.2

【弓術】lv.215

【散弓術】lv.39

【高速装填】lv.57

【強制装填】lv.8

【技能装填】lv.33

【背後射撃】lv.22

【音速矢】lv.10

【近接射撃】lv.25

【剣術】lv.23

【剣防御】lv.8

【調教】lv.41


【緊急回避】lv.31

【投擲】lv.89

【空握】lv.45

【投擲許容量増加】lv.24

【索敵】lv.103

【索敵範囲拡大】lv.17

【弱点捕捉】lv.18

【砥ぎ師】v.51

【過剰砥刃】lv.35

【足払い】lv.28

【回し蹴り】lv.36

【風転撃】lv.43

【浮遊】lv.32

【単独撃破】lv.12

【並行作業】lv.43

【鷹の目】lv.26

【消耗品再利用】lv.25

【強制収容】lv.17

【愛撫】lv.72

【高速振動】lv.34

【創造】lv.29

【魔王の血脈】lv.6

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