絞殺プレイ
それから二日の間、あたしは部屋にこもって作業に没頭した。学校も休んだ。必要であれば、自分の足も使って調べないといけないからだ。
大学の公式ホームページに、スポーツ選手としてあいつらの顔が出ていた。
同級生のSNSを巡回すると、家族構成と学部がわかった。頭にくることに、この男は学校ではモテているのだ。同級生の一人に攻撃を仕掛けて、この男のメールアドレスを頂いた。不特定の何人かを当たれば、なかにはセキュリィティ感覚の薄い人が必ずいる。
メールの登録情報で、名前も、住所も携帯の番号も分かった。
大学の事務局を装ったメールを打って、あたしが大学の公式ホームページそっくりに作った捕食用サイトに誘導してアクセスしてもらった。IPも、クッキー情報も抜かせてもらった。
一人だけ正体がわかったら、あとは芋づる式に出てきた。
お姉ちゃんを殺した連中に使ったのと同じ手口で、いくつかのアカウントやパスワード情報を頂いた。
巡回ロボットを使い、そのアカウントで、思いつく限りのファイル共有サービスを試した。
ファイル共有サービスの保管庫には、いずれ、商品になる予定の未加工動画があった。
男達の顔が、ばっちり映っていた。
あたしは証拠をかき集めた。どの動画にも必ず映っている顔ぶれは八人だ。
この八人が、今回の標的だ。メールのやり取りもそれを裏付けていた。
学校での評判は、裏でしている事とはずいぶん違う。
成績もよく、スポーツをこなし、社交的で、裕福なケダモノだ。
プライベート指定のパスワードが必要な動画を、同じアカウント名で、ロボットにさぐらせた。
目線、ぼかしなしの画像がたくさん出てきた。
そんな画像を自動保存していると、あるタイトルが出てきた。
『絞殺プレイ』