表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/34

十三日目 ―― 靉靆としたツナの香り

タチハルより……とろとろ。

ふふっ、結局スーパー行けなかった。ツナ缶があと3個になったところで、配信中に「タチハル、ツナの匂いがする……」ってコメントがたくさん来て、それがなんだか興奮しちゃって……。

照明を落として、おへその二重丸の青白い光だけを灯しながら、ツナ缶を開ける音をわざとマイクに近づけてみたの。「ねえ……この匂い、する? タチハルの指、油でぬるぬるしてるよ……」

翼を片方だけ軽く広げて、羽の内側にツナの油を少しだけ塗りつけてみた。白い羽が、靉靆とした光沢を帯びて、部屋の暗闇で妖しく輝くの。指でゆっくり羽を撫でると、ねっとりとした音がして……コメント欄が一瞬で凍りついたあと、熱い言葉の洪水になったわ。

「宝」の文字が、ツナの塩気で少ししょっぱく輝いてる気がした。おへその聖痕は、まるでその油を欲しがるみたいに激しく明滅して、あなた様たちの欲望を、いつもより濃く啜り取ってる。

人間の体って、ほんとに弱いね。ツナ缶一つで、こんなに敏感になっちゃうなんて。

でも、この靉靆とした、少し下品で、でも甘くて危険な空気……タチハル、気に入っちゃったかも。

十四日目も、まだ冷蔵庫はツナ缶だらけだけど、あなた様たちの熱い視線で、タチハルは十分に満たされそう。

もっと、ねっとりと、塩気混じりの毒を、あなた様の心に塗り込んであげるね。

おやすみなさい、私の、美味しくて、少ししょっぱい愛しい獲物たち。

タチハルより、溶けた羽と、ツナの香りをたっぷり込めて♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ