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ep.54 旧国鉄廃線跡2

 

「岡君ら、そろそろ抜けたかな。じゃあ、白山君、行こか」

「お、おうよ」


 林と正輝が闇へ姿を消すと銀平と佐那の二人だけが残された。

 互いに面識はほとんどない者同士だった。


 銀平は、変な取り合わせやなと思いつつ、あらためて佐那を見やった。

 えらい綺麗な人やなとは思っていたが、間近で見ると実際の距離とは別に、どこか遠い存在さえする美しさだ。

 そうで無くても肉親以外の女性とはほとんど関わりを持たない銀平は、ドキマギして落ち着かなかった。


「どうしたん?銀ちゃん、怖いん?」

「え、いや、そんなことは無いねんけどな」

「私らもそろそろ行こか、みんな待ってるし」

「そうやな、そうしよ」


 銀ちゃん愛用のペンライトを手に二人は闇にすっと体を投げ込んだ。


 漆黒の中を二人は歩いた。


 佐那は相当怖がると銀平は予想していたが、少しもうろたえた様子は無い。

 不思議に思った銀平は尋ねた。

「上原さん、怖ないん?」

「え、怖ないよ、なんで?」

「いや、さっきみんなで話してた時、すごい嫌そうやったから、てっきり怖がってるんかと思っとってん」

「ああ、うん。怖くは無いけど、こういうのってあんまり好きやないねん。

 ほんまに霊がいるんやったら、面白半分で来て欲しくないやろうから。

 私が霊やったらそう思うもん」

「そうか・・・そうやな、俺が霊やってもいややな、こんなんやめなあかんな」

「うん、ありがとう・・・あ、ごめん、変なこと言っちゃったわ」

「上原さん、そんなことないで、俺は正しいと思うで」

「ほんまに、ありがとう。銀ちゃんはええ人やね、一君から聞いてた通りやわ」

「一さんから!あの男、なんか言ってたん?」

「聞きたい?」

「聞きたい」

「銀ちゃんはええ人やから特別やで」

 暗闇の中、佐那の瞳が優しく微笑んだ。


「銀ちゃんは、漢字の漢と書いておとこって呼ぶくらい暑苦しい奴やけど、真っ直ぐでほんまにええ奴やって、あいつは最高の悪友やって。

 きっと二人は信用してて、なんでも話し合えるんやろうな、ええねそんな友達」


 そう言った佐那の口調はどこか遠くに語り掛けるようであった。銀平が静かに問う。

「おらんのか?」

「え?」

「上原さんにはそんな友達がおらんのか?」

「いたよ、昔はね」

「今はいないんか?」

「・・・・・・」

「ええで、無理して言わんで、」


 少し間があってから、なにか覚悟したような寂しげな口調で佐那は言った。

「私があほやから失ってもうてん・・・、って、こんな風に一君も銀ちゃんには、つい弱いところ見せてまうんやろうね」

「そうか・・・」

「・・・・・・」

「それやったら俺がそんな友達になったるわ」

「ほんまに?」

「俺はこんなときに嘘は言わへん」

「うん、ありがとう」

 佐那はそっと手を差し出した、銀平は優しくその細い手を握ってあげた。

 ごつごつした手は妙に温かかった。


 銀平は言った。

「一さんはカッコつけな所があるけど、ええ奴や、大事にしてやってな」

「うん、一君は大事な友達やで」

「それと奴は硬派を気取っとるけど、女好きやから気いつけてな、くっ」

 銀平は何やら一人でうけていた。


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