↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
102/102

ep.102 戸惑い

 第三学年 十月六日 水曜日

 浄妙院(上原家)台所


 ここ数日、ずっと繰り返している、一人になった時の佐那は、何やら嬉しそうに微笑んでいたかと思うと、今度は急に暗く沈みこむ、どうにも様子がおかしい。


 気になった哲彦は、夕食の後片付けを終え、テーブルで一人頬杖をついてぼーっとしていた佐那に歩み寄るや声を掛けた。


「なんや最近、なんかあったんか?」


 言われてから父がすぐ目の前に来ていたことを知った佐那はあからさまにうろたえた。


「わ、びっくりした!いきなり何なん?」


「なんやて、なんや?それより最近、なんかあったんか?」


「ううん、なんもないで、」

 小さく頭を振り応じた佐那は冷静さを取り戻していた。


「そうか、それやったらええけどな、」


 哲彦は言葉こそ毅然としていたが、佐那を心配している様子がありありと覗えた。


 そんな父親に佐那は悪戯っぽく微笑みかけると、不意に哲彦の顎鬚を摘んで甘えた口調で言った。

「お父さん、こんなにお髭が伸びちゃいましたね~」と、


「なんやなんや、いきなり、」

 普段の佐那では考えられない行動に、今度は父・哲彦がうろたえていると、突然、佐那が胸に抱きついてきた。

 そして佐那が言った、信頼と愛情を込めて、

「お父さん、大好き、」と、


 胸にしがみつく愛しすぎる愛娘の頭を撫でながら哲彦は思った。

(こんなことは中学生の時のあの日以来か・・・)と、


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。