liebe
かなり時間が経ったと思ったのに、外はまだ夕陽に照らされていた。
「翠ー!」
名前を呼ばれた気がして振り返ると奏音がこちらに向かって走って来ていた。
徐々に近づいてきてスピードを緩めるどころか、加速している。
「ゔっ」
そのままの勢いで抱きつかれる。
「さっきはごめん!辞めれば、なんて思ってない!」
正義感の強い奏音のことだ、自分自身を責め続けていたのだろう。
「いいよ。私もごめんね...」
「うぅっ...」
「もう、泣かないでよ...」
遂には泣き出してしまった奏音。
「その花、どうしたの?」
「知り合いに貰った。綺麗でしょ⁉︎半分いる?」
「いいの?」
奏音といつも通り、笑いながら一緒に家に帰った。
◇
「もう仲直りしてる」
「ほんとだ。女子って分かんないな...いろいろ知られたけど、よかったの?」
この店の事だろうか?
それとも、私達が許嫁ということだろうか?
「両方」
私の考えている事が分かったのか、質問を口にする前に答えが飛んできた。
「...なんとなくだけど、あの子は大丈夫な気がしたの」
「そっか。今日の夕飯って何?」
「オムライスなんかどうでしょう?」
「いいですね〜」
「手伝ってよ?」
「明日、美玲が学校に来るなら」
「...分かった」
liebe
店主は高校生で、訳ありの客がやって来る
見える人にしか見えない不思議な店
もしかしたら、あなたにも見えるかも...
オレンジのバラ…“情熱”“熱望”“絆”[抜粋]




