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隣の君に花束を  作者: 藤咲 乃々
第2花 私を見つけて
10/11

クサノオウ

木村くんに言われた通り、学校帰りにお店があった場所の前を通ってみた。


「何も見えない...」

またあのお店を見ることは叶わなかった。

やっぱり悩み事がないと見えないのか...


そう思って帰ろうとした時、ヒューっと風が吹いた。

あまりの強さに目を閉じる。


「何?今の風...え!」

目を開けると、さっきまで見えなかったはずの店が目の前に佇んでいた。


恐る恐る店のドアを開ける。

チリーンと可愛いドアベルの音。


「いらっしゃいませ...?」

キョトンとした素顔の花白さん。

「お、いらっしゃいー」

木村くんも奥から出てきた。


「え、なんで...見えたの?」

「うん...」

ハッとして木村くんを睨む花白さん。


「なんかしたでしょ?」

「何もしてないよ。美怜が中川のこと気に入ったからじゃない?」


「そういえば、来る途中に昨日は見なかった花があって...えっと」

ブレザーのポケットから携帯を出して道端に咲いていた花の写真を見せた。

花びらが4枚の小さくて黄色い花。


「クサノオウ...」

写真を見た瞬間に花の名前が出てきて、小さくため息をついた花白さん。


「ちなみに花言葉は?」

「私も知りたい!」


「“私を見つけて”“思い出”」

“私を見つけて”...

花白さんは微妙な表情をしている。


「店に呼ばれたみたいだな」

木村くんは花白さんを揶揄いながら笑っている。

「どうすんの?見える人そうそういないよ〜」

花白さんは悩んでるみたいだった。


「...中川さん、バイトしてる?」

「部活があるからしてないよ」


「土日、祝日も部活あるの?」

「大体は午前か午後のどっちかに部活入ってるけど、あとは空いてるかな。あ、試合近い時以外は」


花白さんが木村くんと目を合わせた。

木村くんは花白さんと目で会話したようで「言うよ?」と了承を得ている。


「中川さ、土日祝日だけバイトしない?」

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