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隣の君に花束を  作者: 藤咲 乃々
第1花 橙色のバラ
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出会い


『あのボールは(スイ)が取るべきだった!あんた、バレー辞めれば?』


チームメイトであり親友の奏音(カノン)の言葉が頭から離れない。

昨日の試合は私のせいで負けてしまった。大事な試合だったのに...


自分自身への苛立ちと悔しさで歩くスピードが上がる。


「きゃっ!」

「すいません!」

下を向いて歩いていたら女の人と衝突し、女の人が手に持っていたものが地面に落ちた。


「綺麗な花...」

「そうでしょ!この花はね...」

ペラペラと花の知識を話し始める女の人。

よく見ると、女の私でも見惚れるくらいとても綺麗な人だ。




「美玲!」

美玲と呼ばれたその人は私の後ろを見て「げ、」と声を漏らしている。


「お前はまた...あれ、中川?」

私の名前が呼ばれたので振り返ると同じクラスの木村くんがいた。

木村くんはサッカー部のエースで学年を超えて噂されるほどのイケメン。

クラスでも人気者で誰にでも優しい。


その木村くんが何でここに?


「この子、夏の知り合い?」

「クラスメイトの顔と名前くらい覚えとけよ」

クラスメイト...?


「そんなにいっぱい覚えられない」

「花よりは少ないでしょうが!」

私を挟んで言い合いをしている綺麗な2人。


「ちょ、ちょっと待った!」

我に帰り、2人を止める。

「何の話をしてるか分からないけど、私と美玲さん?は初対面だよ?」


「「それはない」」

止めに入ったのにまさかのダブルパンチが返ってきた。

「まあ、この姿では初めましてかな...」

「どういうこと?」


「私は花白美玲(ハナシロミレイ)。初めまして、中川翠さん」

そう言って手を差し出された。

夕陽が辺りをオレンジ色に染め、目の前の綺麗な人がキラキラと光って見える。


これが、私と美玲の最初の出会いだ。


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