Buon Natale!!ー1ー
「ニーナー!!」
半泣きの声で名前を呼ばれドンドンと扉が叩かれた。
その切羽詰まった声にニナは仕事を終えて沈みこんだばかりのベッドから慌てて飛び起きて扉を開いた。
「リヒト様!?」
完全に寝る体制だったニナは髪はぐしゃぐしゃだし、服もシャツもガッツリ弛めている。
ガバリと開いた扉の先でギョッと目を見開いたのはリヒトだけではなかった。
「お、おまっ、」
リヒトの遠く後ろで自分の胸元を凝視して金魚よろしくパクパクと口を開閉しているジオにニナは凍えるような視線を向けて護身用の短刀をぶん投げた。
「何しやがる!!」
「ちっ、外したか」
「俺は悪くねぇ!!テメェが勝手にんな格好で出てきやがったんだろうが!!」
「ちゃっかり凝視しておいてなに言ってんですか?変態」
真っ赤な顔してなに言ってるんだか。
あからさまにふぅと息を吐くとニナは視線をおろおろとするリヒトに戻してニッコリと微笑んだ。
もちろん胸元のボタンはしっかりと止めなおして。
「見苦しいものをお見せして申し訳ありません。
私になにかご用ですか?」
「俺は変態じゃねぇ!!そもそも見られて困るほど育ってね」
「やだなぁ、センパイ。永眠したいならそう仰ってくださればいいのに」
カチャリと部屋の入り口に立てかけて会った刀を手に取りニッコリと微笑んだニナ目は一ミリも笑っていない。
さぁあっと顔を青ざめさせて視線を彷徨わせるジオと絶対零度の笑みでジオを見据えるニナにリヒトは慌てて声を上げた。
「に、ニナ、ごめん。もしかして、寝るとこだったの?」
「えぇ、仕事にきりがついたので昼寝でもしようかと」
リヒトに向けられる笑顔はいつもの優しい笑顔だった。
それに安心してリヒトはそのまま言葉を続ける。
「あのね!俺、ニナに相談というか、お願いがあるんだ!聞いてくれる?」
「相談?こいつに?」
「相談?私に?」
ピッタリと重なった2人の声にリヒトは居心地が悪そうに小さく頷いてニナのシャツの袖を引っ張った。ニナはパチリと目を瞬いてリヒト見た。
その縋るような仔犬の瞳にニナはあっさりと落ちた。
「もちろんですよ。私でお役にたてるならなんでもおっしゃってください」
にっこりと笑ったニナにリヒトは瞳を輝かせて飛びついた。
呆然とその様子を見ていたジオにニナは意地の悪い笑みを浮かべて身体をずらすとリヒトを部屋へと招きいれた。
「ドンマイ。センパイ」
パタン。
「~~っ。俺は別に悔しくなんかねぇ!!」
ドアの向こう側から遠吠え
(ニナ、とっても悪い顔してる)
(センパイざまぁ!!)
(く、悔しくなんかねぇし。別に、なんとも思ってねぇんだからな!!)




