表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

追撃部隊の到着

 クロとシロとリンプーは境界の怪物まで、あと少しの位置に来た。


 ここで、クレイトスに追いつかれた。

 クレイトスは、見かけはヒョウだ。

 体長が60センチ、ねこにしては大きく、ヒョウにしては小さい。


 クレイトスは、ダッシュした後ジャンプして3匹を飛び越えた。

 3匹は、前方を塞がれて進めない。




 クロが、言葉に力を込める。

「クレイトスは、コミュニティ最強だ。

 最初から全力で行く。

 黒ヒョウ形態パンサライズドフォーム

 ヴィールヒ」

 クロが黒い霧をまとって突進する。

 クレイトスは力負けしたが、吹っ飛んだりしない。


「ウラガーン」

 黒い霧をまとった、強力なねこパンチがクレイトスに炸裂する。


「ハハハハハ。

 さすがだ。アシュラを撃退するだけはあるな」


 クロは、咥えたナイフで攻撃するが、ほとんど当たらない。


「ウラガーン」

 黒い霧をまとった強力なねこパンチを、さらに炸裂させる。


「ウラガーン」

 強力なねこパンチを、さらにお見舞いする。


(アシュラですら、一発で沈んだのに。

 これだけ食らわせても、堂々としている。

 どういうことなんだ?

 これ以上は、危ない。

 完全に意識を乗っ取られる)


 クロのパンサライズドフォームが、解除された。

 一目瞭然、クロは朦朧もうろうとしている。


「ハハハハハ

 普通のねこが、そのような猛獣の憑依ひょういで戦っても、長く持つわけがあるまい」


 バシッ


 クレイトスの顔面に、リンプーの石つぶてが決まる。

「ハッ。

 あんたの相手は、一匹じゃないよ」


「相手が何匹でも、同じことよ。

 倒すまでの時間が、長いか短いかだけのことだ」

 クレイトス渾身こんしんのねこパンチを、リンプーは紙一重で避ける。


 クロがクレイトスの後ろから、咥えたナイフで攻撃する。

 クレイトスのお尻に、軽い切り傷を負わせる。


「貴様、ワシの体に傷をつけるとは。

 地獄で後悔しろ!

 ヴィルヴェルヴィント」

 連続のねこパンチをクロに浴びせかける。


※ ヴィルヴェルヴィント:ドイツ語でつむじ風の意味


 クロが何発か喰らってグロッキー状態の所、リンプーがまたクレイトスの後ろから、石つぶてを当てる。


「ハハハハハ。

 連携プレイか。

 しかし、黒ねこの方はもう限界みたいだがな」


 クレイトスが一旦下がって、助走をつけてクロに体当たりをする。

 と思った瞬間、間にシロが飛び込んだ。

 シロは、もんどりうって弾き飛ばされた。

 コンクリートの上に2回ほどバウンドして、痙攣けいれんしている。


「シローッ!」

 クロは目が覚めたように、シロのもとへ走り出した。

 シロは、頑張って起き上がろうとするが、ままならない。


 さらにクロ達を攻撃しようと、クレイトスが構える。

 その尻の傷に、リンプーが噛みついた。


「グアーッ。

 クソッ、離せ! 離せ!」

 クレイトスは下半身をブンブン振るが、リンプーの牙が食い込むばかりだ。

 リンプーに食いちぎられて、クレイトスは自由になった。


「ハーッ、ハーッ。

 あんたも、かなりのダメージを受けたみたいだね」


「貴様ら、ただでは済まさん」

 クレイトスの顔から余裕の笑いが消えた。


 リンプーの方を向いたクレイトスの傷めがけて、クロがナイフを振るう。


 シロまでが加わって戦ったせいか、クロ達が押し始めた。




 突然、クロの目の前に一匹の灰色のオスねこが現れた。

 少し前に情報を集めに来た、偵察部隊の一匹だ。

 クロに、軽くねこパンチを食らわそうとする。

 クロは体を反らして避けた。


 クロが、ねこパンチで反撃しようとすると、灰色のねこはかき消えた。

「それが、魔法ってやつかい?」

 リンプーの叫びに、メスのシャムねこが答える。

「その通りですわ。

 やっと、追いつきました」




 メスのシャムねこ、魔術師アサガオが説く。

「貴方達は、世界を混乱へと導く存在。

 世界は、貴方達を拒絶しています。

 でもクロ、貴方は猛獣が覚醒した存在。

 その者たちと別れて、私と共に来なさい」


 クロが、口を開こうとした瞬間、リンプーが遮る。

「フンッ。

 目障りだよ。

 あんたこそ、ここを立ち去りな」


「何と愚かな言いよう。

 うつろう者たちよ。

 天罰をお受けなさい」


 リンプーが消えた。


 ドボーン

 水路の上にリンプーが現れ、水中に落ちた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ