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3-3 新生レイクサイド騎士団

「隊長!! 大変であります!」

「どうした!?」

「またしてもプロットを逸脱しました!!」

「なにぃ!? 完結まできちんと書くのではなかったのか!?」

「いい事思いついたとか何とか言ってます!! あの感じです!!」

「いかんぞ!! それはあのシウバ死亡偽装イベントの時と同じじゃないか!?」

「ええ、書きながら読者の反応を妄想してニマニマするあの気色悪い感じです!!」

「しかもアレクのくだりは結論思いついてるくせに感情移入しそうになってやばかったあれだ! きっとひどい展開が待ってるに違いない!」

「さらに! もっとひどい証言が得られました!」

「なんだと!? 今度はなんて言ってたんだ!?」

「ええと、原文のまま紹介しますね・・・「俺、第2部が終わったら、FF15をやるんだ! 先に買っておこうかな」です!」

「いかん、それはエターナルってやつのフラグだ!」


 レイクサイド騎士団および、レイクサイド召喚騎士団はこの度再編成が行われた。以前からの枠では騎士団と召喚士を組み合わせて使う場合に弊害が出たりしてきたほどに規模が大きくなってきたのだ。

 新たに統合された「レイクサイド騎士団」は八軍から形成される。それに加えてフラン=オーケストラの率いる「親衛隊」と、ウォルターの率いる「特殊諜報部隊」がある。第一将軍にはフィリップ=オーケストラ、第二将軍にはシルキット、という順番でヒルダ、テト、ヘテロ=オーケストラ、ビューリング=ブックヤード、ペニー、ヨーレンと続く。


 ハルキ=レイクサイドの隠密行動が終了となったために「親衛隊」の半数が現地入りをし、さらに第一将軍「鉄巨人」フィリップ=オーケストラはエレメント魔人国に七騎士団を連れてきていた。本国に残るのは第三騎士団とセーラ=レイクサイド、ロージー=レイクサイドを護衛している親衛隊のみである。さらにヴァレンタイン王国はフラット軍とエル=ライト軍を中心とした軍に海を渡らせ、カヴィラ軍と合流したのちに北上を予定している。


「まずはハルキ様の捕捉だ。情報が確かならば奴らは空爆への対処なんぞできんだろう。フラン様とテツヤ様が一緒とか、大軍に正面から突撃する図しか想像できん。急ぐぞ」

 同行した騎士団員の過半数がワイバーンを召喚できる。召喚魔法が得意ではない者はワイバーンの後ろに乗り、破壊魔法を繰り出す訓練を受けているのだ。さらには四頭のウインドドラゴンによる多人数輸送も試みられており、専用の輸送機が開発されている。乗り心地は最悪であるが。

「ヘテロ、先行しろ」

「了解ッス!」

 ヘテロ=オーケストラのペリグリンが神速で飛ぶ。あっという間に見えなくなると、若手から感嘆の声が挙がった。この召喚獣ペリグリンは第五騎士団専属の召喚獣となるのだが、新人が入隊するたびにエルダードラゴンを狩りにいくという地獄の恒例行事が出来上がってしまうのは後の話である。


 ***


「さすがに七千もいるとなると、この人数では無理か」

 すでに地上に降り立ったテツヤ=ヒノモトとフラン=オーケストラの戦いを見ながらハルキ=レイクサイドはウインドドラゴンの上で戦況を見ている。後ろではあまり見たことのない光景ではあるが、喋ると降ろされそうだからという理由でルークが静かになっている。レッドドラゴンが蟲人たちにファイアブレスを吹きかけているが、もともとの大きさとその数の多さに苦戦中だ。他にもテツヤ=ヒノモトのヴェノム=エクスプロージョンも魔力が感知されるのか、有効的な範囲での爆発がなかなかできないようだった。しかしレッドドラゴンの両隣に剣の達人が二人もいることで、なんとか数人ではあるが蟲人を倒していっている。

「これはさすがに効率が悪いか…………」

 実力を測るという意味でも一度奇襲ではなく正面から戦っておきたかったのである。そして蟲人に対空手段がない事も確認した。であるならば騎士団をつれてきて空爆してしまえば、少なくとも集団を撃破する事は可能である。ただし、その場合に散ってしまって女王を取り逃がすことだけは避けねばならなかった。

「おそらく新たな女王は3人。そして女王以外には子供は産めない。しかし、そうでなかった場合はどうすべきか……」

 戦闘そっちのけで考え込むハルキ=レイクサイド。そして眼下では若干であるがテツヤたちが押され始めているようだった。なにせ数が多い。

「一旦、退くか。ルーク、ここはドリュアスの圏外か?」

「そ、そうですね。森じゃないんでここではドリュアスを召喚できません」

「うーん、この集団の監視役が欲しかったんだけどなぁ。諜報部隊も今はいないし……仕方ないか」

 ウインドドラゴンが地上に近づく。

「おい、さすがに数が多いから撤退しようぜ」

「あぁ、分かった」

「かしこまりました」

「れっどら、時間稼ぎよろしく」

『承知』

 二人を回収して戦いはレッドドラゴンに押し付ける。ある程度距離が開いてから還すことにした。

「このままの進路だと、エレメント魔人国か。」

 国境まで、蟲人たちの足ならば一日程度で着いてしまうかもしれない距離である。

「まあ、手は貸すし、自分の国は自分たちで守ってもらおう」

 リゼ=バイオレットとブルーム=バイオレットの親子は苦手である。夫と父の仇であるから親しくなれるわけがない。

「あー、やだやだ。ジギル殿に来てもらいたいなぁ」

 いつも面倒事を押し付ける宰相がいない事をぼやく。



 その後、ヘテロ=オーケストラが退却中のウインドドラゴンを発見した。レイクサイド騎士団と合流したハルキ=レイクサイドは取って返し、七千の集団にゴーレム空爆と上空からの破壊魔法で大損害を与える事に成功する。さらには翌日にブルーム=バイオレット率いる三万のエレメント魔人国軍が到着し、すでに三千を切っていた蟲人の集団はことごとく殺された。ここでも最後まで蟲人の抵抗はなくなることはなく、女王を殺された後も、涙と叫び声が途切れることはなかったという。


「こいつらも必死に生きてるんスね」

「ヘテロ殿はこういったことは割り切っているのかと思っていました」

「違うッスよ、ブルーム。割り切る必要があるかどうかを毎回判断してるッス。俺もハルキ様が殺されたらと考えると、こいつらと同じ行動をとるッスよ」

「…………共存は……」

「無理ッス。それこそ、割り切らないといけないッス」

「そうですね」

 逃走した蟲人は一人もいなかった。


「北に逃れたという集団を追うぞ。生まれたばかりだから大丈夫とは思うが、女王の出産までに殲滅してしまわないといけない」

 ハルキーレイクサイドはレイクサイド騎士団を引き連れてゴゼの大空洞のさらに北へと向かう。この時点で戦いを経験した者は、蟲人と人類の共存は不可能であると本能的に理解していた。



 そして人類は大きく欺かれた事を知る。それは種の存続のために己を犠牲とすることも厭わない本能を、人類が忘れてしまったことが原因なのだろうか。

紬「いやっふぅー!! 久々に昼間(仕事休憩時間中)に投稿できたぜ、今日は寝るぞ!!」

編「著者校正お願いしやっす!」

紬「(´゜д゜`)!!」

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