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2-2 「矢継ぎ早」のルーク

あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!


今回のあらすじ!


あー、活動報告しても誰からも反応なさそうだったから焦ったー。

そして編集のMr.KBのナイスフォロー(タイミングを見計らって超素敵な表紙イラストのPDFを送ってくるという)のおかげでテンション最低から最高まで跳ね上がるという、なんてできるやつなんだ、恐ろしい。(;´・ω・)ガクガクブルブル


まあ、飲んで酔っ払って、ふと起きて、

「え? 午前1時? マジで? 1行も書いてないよ?」

って、感じになった時は本気で焦ったけど。


「ガ=クキよ」

 母が呼んでいる。しかし、先程ガ=クヨが敵に接触したような思考を送ってきたばかりであった。どちらかというと侵入者の警戒に当たりたい。しかし、この思考は母も感じ取っているのではないのだろうか。それにもかかわらず呼んでいるのだとしたら、母の下へ行くべきなのだろう。

「我は大空洞に帰る。ガ=クヨの助けにいけ」

 同胞たち、数百を向かわせる。かなり遠くのほうで、誰かが死んだのが分かった。侵入者だろう。おそらくガ=クヨは夜明けとともに襲撃したはずだ。


「王が生まれる」

 予定より早い。女王ガ=メイは我が大空洞に入るとともにそう言った。同胞たちが騒ぎ出す。

「すぐにも産む」

 天龍を食らった影響だろうか。今まで王の出産には相当な時間がかかったと聞いている。しかし母である女王ガ=メイはすぐにでも産むという。同胞たちが所狭しと飛び始めた。そして母は出産のために奥へ入っていく。周りを固めるのは親衛隊だ。彼らはこの時のために生まれ、この時のために生きている。我らは奥の間から締め出された。しかし、女王が心配でならない同胞たちは奥の間を覗き見ようとして親衛隊に止められている。

「母よ!」

 我は祈るしかなかった。毎日同胞を出産している母であっても王の出産というのは大変なものである。何せ自分と同じ、たくさんの同胞を生む新たな母を出産するのだ。そしてそれは成長した体で生まれてくる。すぐにでもその倍以上の体に成長する次世代の王は、女王となるべく新天地を探すのだ。我らの同胞のうち、半数がそれに付き従う。そして、王を生んだ女王はさらなる王を生むべく、巣の修繕と同胞の出産へと戻るのだという。


 そして王は生まれた。次世代の女王である。しかし、ここからが異常だった、

「ガ=クキよ、我に従え」

 王に言われた。我は女王の産んだ同胞の中で最も秀でていると言われた男だったはずだ。

「二度は言わぬ」

 次世代の女王は、我の同行を望んだ。そして母は何も言わなかった。


「あり得ぬ! 我はガ=クキ! 我は最も強き戦士だ!」

 神に一太刀入れたのも我である。どの同胞よりも強い。我こそが母なる女王のそばにいるのがふさわしい。次世代の女王であれば、その者を産めば良い。我でなくてもよい。しかし、母には我が必要だ。

「ガ=クキよ。王についていけ。ここに残るものは少なくてよい」

 結局、母に諭されるまで我は抵抗した。しかし、母の思いは覆せなかった。


 ***


「いや、正直な話、これはないよね」

「まあ、そうですね」

 ルークに助けられて、俺は森の中で休まざるを得ない状況となっていた。ルークの召喚獣である森の妖精「ドリュアス」によると、ユーナのウインドドラゴンがこちらへ向かっているらしい。ハルキ様の奴はゴゼの大空洞に向けて飛んでいるところを見ると二手に別れたのだろう。そして、ルークの看病を受けながら、ユーナ達を待つ、というわけなんだがちょっとした問題が生じている。


 ちょっと、この人なんかおかしい感じがするのだ。命の恩人にこんな事言いたくないけど、変な人だ。

「いやだってさ、フランの小僧がここに来てくれって言うから来たんだよ。でもさ、「ここ」っていうのがまず、「エレメント魔人国の北東の森の先」っていう時点で範囲広すぎじゃね? ドリュアスいなかったら合流なんてできねえよ。ようやく見つけたと思ったら、あんなよく分からん人なのか虫なのか判断つかないでっかいやつらに襲われてるしさ。こっちは徹夜で走ってきたんだっつーの」

 ちょっと、待って。フランの小僧?

「あぁ、フラン? あいつさ、まだ騎士団抜けたての頃によく分からん依頼をつかまされて右往左往してたんだよ。だから、拾ってやったらさ、パーティーの中のマリーって女に手ぇ出しやがって、そりゃもう尻ぬぐいが大変で大変で。なんでこんなアホを拾ってしまったんだとも思った事はあるんだけど、あいつ腕っぷしだけは強かったから、とりあえず魔物に突っ込ませとけば討伐してきてくれるんだよね。依頼の時はめっちゃ楽なのに町では問題起こすから、どうしようかって思う事が多くて、だからいつもどこかで依頼受けて町にあまりいないようにしてたんだよ」

 よく分からん、こんな若そうなエルフがフランさんの事を小僧と呼んでいる。

「あれ? あぁ、こんな若造がってか? 俺はシルフィード領の氷の村の出なんでな。うちの村と隣の炎の村と、あと風と大地の村の奴らはかなり長寿なんだよ。他のエルフはせいぜい数百年くらいしか生きられねえのにな。なんでだろうか。よく分からんし興味もねえんだけどさ。うちの村には数千年くらい生きてるじっちゃまやばっちゃまがごろごろしてんだ。そん中で俺は下から数えて3番目くらいだから」

 3番目だから、フランさんを小僧呼ばわりか?

「はっはっは、あのクソガキが依頼の受け方も分からん時から世話してやってんだ。それが何時の間にかジジイになって、俺に指図までしてきやがって。むかつくな、おい」

 どう見ても俺より若そうな20歳くらいの外見である。違和感の塊みたいな人だ。

「むかついたから、召喚騎士団第5部隊のマリー知ってる? あ、知らない。今度、フランの養子になった奴なんだけど、マリーっていうのは死んだフランの嫁と同じ名前でさ。それをあのクソガキはマリーに言わずに養子にとってたみたいなんだよ。仕方ないから、奴の若い頃の話も含めて洗いざらい全部喋ってやったぜ。プロポーズのセリフもちょうどドリュアスが聞いてたからな。ひゃっひゃっひゃ! ついでに騎士団やめたのもハルキ様のおばあ様に振られたからってバラしといたぜ」

 いかん、ちょっと話について行けなさそうである。

「んで、話を戻すと俺は何も聞いてないんだよ。だって、集合場所だけ教えやがって、自分はハルキ様のウインドドラゴンできてるんだろ? 極秘情報で喋れないから実際に来いだとか、ドリュアスで調べろだとか、ふっざけんなーってなもんだ。俺はあいつの駒じゃねえんだよ、部下だけど」

 それに関してはちょっと同情する。

「ほんで、まあ、レイクサイドにいたころにはマジェスター=ノートリオが無理矢理親衛隊に入れられてたからよ、シウバ殿の事はよく聞いてんだわ。あいつ、酔っぱらうとお前かエリナの話しかしねえからな」

 マジェっち、何やってんだよ。

「しかし、こんな所ですげえやべえ奴らと戦う事になるとは思わんかったぜ。あれ、喋ってたけど魔物じゃねえよな? でかい上に気持ち悪いし、虫みたいだし。あいつらの持ってた剣を見たか? あ、見るどころかくらってたな。あんだけでかいと切れるとか切れないとか関係ねえよな。ただのでっかい鉄の塊だぜ? もしちゃんとした剣だったらと思うとぞっとするぜって、すまんな、斬られた奴を前にこんな話」

 マジで勘弁しろよ。衝撃が突き抜けた時に死ぬかと思ったんだぞ?

「そんでこのドリュアスってのが俺の相棒で、森の精霊なんだが、召喚魔法で…………」


 結局、ユーナ達が合流する数時間、ルークは喋り続けたのだった。後で知ったルークの二つ名は「矢継ぎ早」だった。


「たしかに弓はよく使うんだけど、速射はそんなに得意じゃねえんだ。なんで、こんな二つ名になったんだかよく分からんのだ」

「いや、それは弓じゃな……「それにどっちかと言うとドリュアスの召喚の方が、俺の二つ名っぽくていいようなきがすんだけど、どうかな? あ、あと他の武器はこの……」



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