2-5 うごめく広い影
あばばばばっばばばばばばあああ
酔っ払いオレオです。
ちょっとしたイベントがありまして結構飲んでます。
そして、その状態で書きました。
誤字脱字は勘弁
文字数少な目も勘弁
あとで書き直すからぁぁぁぁああああ!!!!
前説? いいや、ないよ?
朱雀とは青竜と同じく天災級と称される魔物である。天災級の魔物の討伐はほとんどなく、朱雀をハルキ様が、白虎をテツヤ様が、青竜を俺たちが討伐したのみであり、死体が見つかった玄武を含めてもここ最近までは誰にも勝てないとまで言われていた魔物の頂点とでもいうべき存在だったのだ。そしていわくつきの朱雀である。
その大きさは天災級の4種の中でも最大級であり、翼を広げると浮かぶ島とでも表現されるほどにデカい。かつて「大召喚士」ハルキ=レイクサイドが単身で討伐したと言われ、それは激闘の末に3体目のウインドドラゴンと相打ちになっただとか、いやハルキ様は朱雀を瞬殺したのだ、とか。噂が噂を呼び、何が真実なのかが分からない。さすがにハルキ様でも朱雀を瞬殺とかありえないと思うが。仮にも青竜と同格とされている魔物だ。そんなのを瞬殺できる召喚士がいてたまるか。
「どこにそんな魔物が発生したんだ?」
「目撃情報は霊峰アダムスの近くです。シルフィード領ですね」
ギルドの情報によると、そんなに遠くない場所に発生したようだ。しかし。朱雀の巨大さと、その活動範囲から考えるとシルフィード領に行けば出会えると言うものではないかもしれない。そして討伐するのが遅れれば遅れるほどに被害がでそうなものである。
「シウバ様! 急ぎましょう!」
「シウバ! 行くよ!」
「早くしてくださぁい!」
誰一人、朱雀なんて討伐するのは無理だから領主館に戻ってハルキ様に報告しましょうなんていう奴がいない。いや、俺がそれを言うわけではないんだよ? でも、一人くらいいてくれてもいいと思うだけなんだよ。
「シウバ! 急いで!」
ウインドドラゴンを召喚したユーナに言われてしまっては、もう断る事もできない。腹をくくるしかない。俺たちは青竜を討伐したメンバーだし、今回レベルアップもしたんだ。朱雀だろうが負けるわけがないだろう!
***
直線距離でシルフィード領のシルフィードの町までやってきたけれど、朱雀は見当たらなかった。やはり、霊峰アダムスの近辺にいるのだろうか?
「まだ、時間があるから冒険者ギルドで情報をもらったらすぐにでも霊峰アダムスへ向けて飛ぼう!」
装備のせいか、ユーナがめちゃくちゃやる気になっている。たしかに、この装備があればどんな魔物にだって負ける気がしないほどの強力な装備となっているが、それにしたって朱雀はまずいんじゃなかろうか? 青竜の時だって止むに止まれず討伐に向かったのだ。一歩間違えば俺が死んでいた状況だったし、今青竜と戦ったところで対して変わらないだろう。
「ところでシウバ様。前回朱雀が出現した時の話を聞きましたか?」
冒険者ギルドまでの道でマジェスターが聞いて来る。そう言えば、前回発生した朱雀はハルキ様が仕留めたんだっけ?
「ハルキ様は、瞬殺だったそうですよ?」
瞬殺? 噂に乗せられ過ぎだ。青竜と同格の魔物だぞ?
「瞬殺するには、決めてがあるはずだが、どうやって瞬殺したんだ?」
「それは、アイアンドロイドを召喚したそうです」
アイアンドロイド? あの鉄の人形か? 簡単な戦闘と荷物持ちしか活躍の場がないような召喚獣であると思っていたんだけど……。
「アイアンドロイドで窒息させたそうです」
「…………は?」
冗談も休み休み言えってなもんだ。アイアンドロイドで窒息させるとか、意味が分からん。できるできないの話ではなくて、どうやってそんな話になるんだ?ってことだ。まず朱雀を窒息させようと思う思考回路と、それでなんとか勝ってしまうという事のどちらもが意味不明である。最強の魔物の一角を相手にして窒息なんて小手技を思いつくのは、よっぽど頭のおかしい変わった奴しかいない。自分の所の領主がその変わった奴かと言われると肯定しかできそうもないという所が理解不能な感情をさらに助長する。
「それが、実際にそうらしいのよ!」
ユーナもマジェスターの噂を後押しする。
「私ももともとは、ハルキ様と朱雀が死闘を演じたってのを信じてたんだけど、本人から実は瞬殺だったって聞いたのよね。でも、これを言いすぎると有難みがなかったのと、その後にふてくされて次の日まで寝てたのがばれたくなかったから言わなかったんだってさ」
本人に聞いたという噂の信憑性をかるく超えてくる意見が出てしまった。ハルキ様がユーナを騙そうとしていない限りは事実に近いのであろう。だが、たまにハルキ様はユーナを嘘で揶揄ったりする事も多いのでその辺りは完全に信用できるわけではない。
「じゃあ、今回もアイアンドロイドを召喚すれば勝てるんですねぇ!」
エリナが無邪気に喜んでいる。そういう考え方もあるが……。
「馬鹿者! この装備の試験をしないなどとは意味がない! まずは全力正面突破だ!」
勝機のありそうな計画をマジェスターが潰していく。そして、それに対してまんざらでもない二人。俺独りだけが不安を抱いているのではないだろうか?
冒険者ギルドではたいして目撃情報を得られなかった。レイクサイド領の特殊部隊という事を全面に出してセーラ様のお母さまに直訴する手も考えられたが、やめておいた。結局、その手は使わない方がよかったのだろう。
俺たちが何も情報を得られずに意気消沈してギルドから出た際に、シルフィードの町にかかる光が途絶えた。
天災級「朱雀」 その翼を広げれば町を一つ包み込み、その速さは誰もついて行くこと叶わず
ヒトが構築した街で、天災級の魔物の襲撃を受けたのは「廃都オーブリオン」が久しい。このシルフィードの地で、その悲劇がまたもや繰り返されようとしていた。