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2-2 渦巻く感情

脳内オレオ会議!はっじまるよぉぉぉおお!!!


議長オレオ「はい、始まりました。脳内オレオ会議。今回の会議は緊急会議となります。議題は、先日の事件についてだ。メッセージホイホイを狙ったあの捨て身のボケを読者様たちは完全にスルー。挙句の果てには「体に気を付けて」とか「前書きがおもしろい」とか、真正面からのコメントのみだった。他には完全に前書きを無視しての本編の内容にのみ触れる「フランぱねえ」系。これを受けて意地になってフィリップとフランのサイドストーリーなんて書くなどという暴走まであったわけだ。これに関して、緊急で対策が必要と思われたので招集をかけた。」

オレオA「待て!まずはそんなセコイ方法でメッセージをもらおうとしたのが問題だったんじゃないか!?純粋に小説で勝負すればいいだろう!?」

オレオB「小説で勝負?すでに敗北者となりさがっているオレオが純粋に小説で勝負などすると思っているのか!? このままの路線で、……いや! 自重なんてオレオにできるわけがない!」

オレオC「あのー、皆さんお忘れかもしれませんが、「守護霊以下略」ってところで純粋に小説のみで勝負して絶賛敗北中、ランキング外ですよ」

オレオD「馬鹿っ! それは言わないと暗黙の了解があるだろうが! 空気を読め!」

オレオC「ひっ、す、すいません!」

オレオA「こっちはまだ読者の方々が読んでくださってるんだ!もう活動報告や前書き、後書きでふざけるのはやめにして、本編の文字数を増やせばいいだろう!」

オレオB「本編の文字数を増やすのは前書きや活動報告のようにはいかないんだぞ!」

オレオA「いや、できるだろう!」

オレオB「いや、できないね!」

議長オレオ「文字数の事に関しては、今の議題からずれている。メッセージほいほい作戦を続けるかどうかが問題なのだ! はやくしないとオレオの熱が下がってしまう! すでにイナビルが効いている事を実感し始めてるんだ!」

オレオD「このままでは、メッセージが、いや、ツッコミが来ないままオレオが暴走する可能性があるな!そして読者から愛想をつかされる。すでに昨日もお気に入りユーザーの方が1人減った。」

オレオC「そ、そんな事になったら、最悪は…………」

オレオD「あぁ、あれだ!」

オレオA「まさか! いや、奴ならありうる!」

オレオB「まさか打ち切りエンドか?」

オレオD「その程度はまだ生ぬるい! あれだ! ……F〇15だ!」


全オレオ「「!!!?」」


オレオD「高熱を理由に更新を一度でも諦めて見ろ! このネット環境! 所詮読者にはオレオの状態なんて分かりゃしない! そして忍び寄る魔の手、すでにプレス〇4はリビングで埃を被ってるんだぞ!」

オレオC「なんて、なんてこった……」

オレオD「いまだにY〇UTUBEでは頑なにエンディング動画だけは見てないじゃないか!召喚獣紹介動画ばかり見て! そんな奴にF〇15が渡ってみろ! 嫁が何といおうとエタるぞ!」

オレオA「やはり! 前書きや後書き!そして活動報告は自粛すべきなんだ!」

オレオB「しかし、これがないと朝が始まらないという読者も……」

オレオA「それがなくても! オレオの小説さえあればいいと言わせるだけの小説を書けばいいじゃないか!」

オレオB「お前……そうだな、俺は大切な事を忘れてしまってたみたいだ」

オレオC「いや、だからそれは無理だったという結論が出……ぐはぁ」

オレオD「空気嫁。死んでこい」


議長オレオ「結論は出たようだな」

全オレオ「「「はい!!」」」





オレオ「え? つまり、このままツッコミ入らなかったらF〇15買っていいってこと?」

議長オレオ「違う!」



それでは本編です。

 レイクサイド領主館の鍛冶場では、「隕鉄」を加工する作業が最終局面にまで来ていた。それまでに加工用の針は作ってしまっている。残念ながら、アダマンタイト製の物を越える強度は発揮できず、ティアマトの革の加工を断念せざるを得ないかと思われたが、修行から帰ってきたクロウが魔力を通して縫った所、なんとか加工できるレベルまで切れ味が上昇したのである。そのために現在黒龍革の装備を作るのに、クロウは忙しい。ぶつぶつと「早くフラン様の籠手を作らないと……」と、まるで殺されるのではないかという表情で一心不乱に加工している。少し、気の毒だった。

「いよっし、刀身はできた。柄はティアマトの牙を流用する事としよう」

 前もって用意してあった柄に「隕鉄」で打たれた剣が収まる。こちらもアダマンタイト製の剣を上回る強度が出たわけではなかったが、ミスリル以上の魔力伝導を誇る剣が誕生した。ダンテ親方が言う。

「完成だ。銘は、「流星剣」でどうだ?」


 黒龍の革とアダマンタイトで作られた鞘に収まるそれは、抜かれると鈍い光を放っていた。名剣と言っていいだろう。その、誕生の瞬間に出会えたのだ。

「マジェスター、振ってみろよ」

「私がですか?」

 急に振れと言われて、マジェスターが動揺する。「隕鉄」は1本分しか確保できなかった。そのために「流星剣」はこの世に一つである。

「レイクサイドに来てよ、こんな仕事をさせてもらう度に、ここに来てよかったと思うぜ」

 ダンテ親方が感動している。目がウルウルになるドワーフってのもどうかと思うが。

「で、では……」

 できたばかりの「流星剣」を腰につけ、マジェスターが抜き、振るう。もちろん、魔力を込めてだ。そのスムーズが魔力の広がりと、剣が振るわれた際に感じた威圧感が、この剣が尋常じゃないものだと知らせてくる。

「すごい……」

「よし、お前持ってろ」

「!?」

 事前にユーナには言ってある。今回の火力不足の件もあったが、今までの功績というか迷惑かけたというか世話になったという気持ちを含めて、この剣はマジェスターにふさわしいのではないだろうか。「流星剣」を持ったまま、マジェスターが固まってしまった。

「すごぉいぃ!」

 エリナが無邪気に喜んでいる。これでマジェスターはレイクサイド随一の攻撃力を誇り、破壊魔法もかなりの使い手で、召喚獣も少しは使いこなせる優秀な騎士となったわけだ。あれ? 俺、完全に負けてねえか?

「俺は、歴史に名を刻んだかもしれねえ!」

 後ろでダンテ親方が叫んでいる。


「ねえ、シウバ! 私も新しい武器が欲しいな!」

 ユーナがそんな事を言っている。しかし、ユーナの剣はアダマンタイト製で、今現在に手に入る者の中では一番強いものじゃなかったのかな? 魔力を込めるのが苦手なユーナにはミスリル製も隕鉄製よりもアダマンタイト製の方がいいと思うんだけど。

「そ、素材に何か候補があればね!」

「私も何か欲しいですぅ」

 エリナはそもそも武器なんか持ってた事の方が少ない。特殊部隊になってから、ダガーを持っている事はあったが、基本的には魔法で戦うスタイルのはずだ。武器いらねえじゃん。

「アダマンタイトを越える素材を見つけるってのが次の目標よね!」

 そんな物があるんなら、俺も欲しいけどさ。このアダマンタイト製の剣とバックラーは思い出の品なんだよ? 覚えてる?

「クロウが装備を作るまで、やる事がないな。「流星剣」の試し切りになんか依頼を受けてこようぜ」 

 マジェスターが嬉々としてワイバーンを召喚し冒険者ギルドへと飛んでいく。後ろにはエリナが乗っており、仲がおよろしい事で結構な事だ。

「すぐ近くなんだから、なにもワイバーン召喚しなくても……」

 昔から、何か嬉しい事があると召喚してでも早めに移動する癖があるからな。


 冒険者ギルドに着くと、すでにマジェスターとエリナが依頼を選んでいる。俺たちは全員Sランクであるために、どんな依頼でも選び放題である上に、最近はここの常連となっているため、受付嬢の覚えも良い。

「SSSランクはないのか!?」

 おい、マジェスター。やる気になっているところ悪いが、SSSランクというとティアマトクラスになるから、かなりしんどいぞ?

 結局、エジンバラ領に発生したワータイガー2匹の討伐依頼を受けることになった。その日のうちにウインドドラゴンでエジンバラ領へと到着し、やる気まんまんのマジェスターが2匹ともに成敗した。やはり、「流星剣」はすごい。そして、いままで魔力伝導が悪い武器でも戦えて来たマジェスターの剣もかなりのものであった。


 ***


「あっ! 「流星」マジェスター=ノートリオ様よ!」

「こっち見たわ!」

「あれが「流星剣」か……」

「もともとシルキット団長に匹敵するほどの破壊魔法の使い手だったじゃないか、それがフラン様に匹敵するほどの剣を腕ももっているんだとか!」

「くそう、なによりの超絶イケメンが……勝てる気がしねえ」


 マジェスター=ノートリオの人気がすごい。最近になって、「流星」という二つ名をもらったようだ。「狂犬」よりも「流星」の方が明らかに恰好いい。マジェスターの主としては、歓迎すべき事態であるはずだが、そうでもないかもしれない。

 まずは、なぜかモヤモヤするこの感情だ。領主館の侍女や騎士団の女騎士たちにキャーキャー言われているマジェスターを見ていると、何故かモヤモヤする感情が芽生える。「流星剣」回収してやろうかな?

 もう一つの理由は、あれである。エリナだ。

「それでぇ?」

 完全に機嫌が悪い。そりゃ、恋人がキャーキャー言われていて気分のいい女性は、いるのか?いないのか? 分からん。

「うん、あれはちょっとね……」

 ユーナに言わせると、キャーキャー言われるまではいいそうだ。しかし、それを受けてデレデレするのがいけないらしい。マジェスターはデレデレしてるか? 俺としてはしてないように見えるのだが?

「女には分かるものなのよ」

 という事らしい。そしてエリナの機嫌が悪いというのだ。


 いや、待て待て。みんな騙されている。奴は確かに超絶イケメンであり、剣も魔法も使いこなす。だが、皆が思っているような完璧人間ではない。やつは、残念人間なのだ!

「こうなったら、マジェスターの恥ずかしい過去話を皆に言い回して……」

「シウバ、みっともないからやめなよ」



 クロウの進捗状況は順調なようである。まず最初にフラン様の籠手が完成したらしい。「流星剣」を見て思いついたという、魔力伝導に関する考えを取り入れた特殊な籠手だそうだ。フラン様の装備するミスリルソードとの魔力の伝導率がよいように魔石の粉を練りこんだ染料を使ったと言っていた。以前、俺がアイデアを出したやつである。うまくいくかどうか分からない試作品だそうで、それで伝導が良くなるような事があれば、俺たちの装備にも応用するつもりだそうだ。フラン様を試作に使うなんて、怖いもの知らずだな。

 しかし、この装備が大変な事を巻き起こす。


 それは、最近このレイクサイド領の領主館周辺で流行っているお祭りのような行事での出来事だった。


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