4-1 第6特殊部隊解散
みなさん、おはこんちばんわ!オレオでございます。
これ書く前にですね、住野〇る先生の「君〇膵臓をたべたい」を今更ですが読みました。
で、いろいろ影響されて何も書けなくなる事十数時間。
朝5時って、もうちょっとやん!間に合った!のか?
多分、今、正常な執筆脳でないんですね。大混乱の中、なんとか書いてる。
ひさびさにプロット書いてたはずなのに全無視って、あんた……orz
これで今後も辛い展開が(オレオ的に辛い、という意味ね)待っているのでしょう。
世界中のいたる所に魔力枯渇の影響があった。最もひどかったのは各地の生態系が壊れた事である。特に発生する魔物の種類が変わった所もあり、被害が続出するようになった。それを全てヨシヒロ神のせいというわけではないが、事情を知っている人がヨシヒロ神を恨んだのは間違いない。各国はその対応に追われた。特にヴァレンタイン王国とヒノモト国はなぜかその影響が強く出た。
レイクサイド領でも魔物の発生の対応に追われている。そして他の領地からの増援のお要請にも対処しなければならなかった。
「第4部隊はエルライト領へ向かってくれ。魔物の駆逐が全く足りてないらしい。上から順番にテトとリオンのウインドドラゴンで先に行くんだ」
「第1部隊をエジンバラ領へ派遣しよう。レイクサイド領は第3部隊でなんとかなるから」
「大森林の獣人騎士団から連絡がありました。増援を求めています。主に移動の手段がないそうで」
「フラット領からも派遣の要請が来ていますがどうしましょうか」
ヴァレンタイン大陸は何故か魔力が増えてしまったようだ。発生する魔物の強さが上がり、量も増えている。各領地に発生した魔物の駆逐で毎日大忙しの日々である。領地の広さに比較して騎士団の数は限られている。そしてその魔物が発生する場所まで行くのに数日かかったりすれば人出が足りないのは間違いない。戦力的にも、移動に関しても召喚騎士団のワイバーンは非常に重宝した。
「シウバ、第6特殊部隊も第5部隊と共にフラット領に向かってくれ」
俺たちにも魔物討伐の援軍要請がきた。第6特殊部隊の存在には戒厳令が敷かれた。ヒノモト国の連中には分からないだろうが、俺たちが第5部隊所属ではないという事は内部の人間であれば分かる。幸いにも正体がばれた時には召喚騎士団のみしか戦場にはいなかった。しかし、ヒノモト軍はほぼ全員いたはずであり、そのうち徐々にばれていく可能性はある。
「仕方ないですね」
現在、ユーナの調子がいま一つであるし、俺が病み上がりでもあるのだが仕方ない。他に人出がないのだ。マジェスターとエリナの仲が一旦落ち着いているのだけが救いである。
「すぐに出発します」
「第5部隊はすでに現地にいるはずだ。合流して指示に従ってくれ」
ユーナのウインドドラゴンでフラット領まで飛んでいく。
「大丈夫? ユーナ。調子が悪いんなら……」
「ううん、大丈夫よ!」
「ならいいけど……」
どうしても無理をしているようにしか見えない。バンシの戦いまで数か月近くにいなかったから逆によく分かるが、空元気に見える。しかし、ユーナはそんな事はないと言うばかりである。夫として非常に心配になってきた。この任務が終わったら休暇を申し出てみよう。ダメ元で。
集合場所はなぜかメノウ島だった。フラットの町だとばかり思っていたのだが、こんな島になんの用があるのだろうか。もうエレメント魔人国の侵攻はないというのに。
「やっと来たッスか」
メノウ島ではヘテロ殿と数名が待っていた。他の第5部隊の面々はすでに討伐に出たようである。これからヘテロ殿も出るそうだ。
「今度の奴らはマジで厄介ッスよ」
ヘテロ殿が厄介というくらいなので、それこそ本当に強い魔物がでたのではないかと思う。これは気合を入れなければならないだろう。しかし、ここを拠点にするというのは効率が悪くないか?
「いや、ここが一番ッス。だって……」
「くそぉ! また逃げられたぁ!」
「全然とどめ刺せないですぅ」
「不覚!」
目標は海の中だった。上空から狙いを定めて一撃で仕留めない限り海に潜って言って逃げてしまう。クジラ型のデカい魔物はまだしも、デカいイカだとか、タコに関してはもはや体全体を消滅でもしてやらない限りしとめる事は難しい。しかし放っておくと海岸線に出現して意外と内陸部まで侵入してくるのだそうだ。そして海の生態系が狂いまくっている事は間違いない。漁師の水揚げ量が格段に減っており、さらにはその漁師が襲われるという事も増えてきている。
「ちょっとやり方替えるべきかな……」
今の所仕留めたのは岩礁の上でくつろいでいたタコの魔物である。名前はよく知らない。でも切り落としたはずの足がうねうねと動いていたから焼き払ったけど、あれが海に落ちていたとして復活しないとも分からないほどの動きだった。基本的に気持ち悪い。
「海の中の召喚獣というとデッドリーオルカくらいだけど、誰も契約してないし、いまいち攻撃力にかけるんだよね」
「…………」
焼けたタコの足をほおばりながらの作戦会議だ。他の第5部隊の連中がどうやって仕留めているのかが分からないが、あの雰囲気では苦戦している事は確実だろう。
「シウバ様、罠を仕掛けるのはいかがでしょうか」
「罠ねえ。具体的にはどんな?」
マジェスターの提案はこうだった。岩礁などに魔物を拘束する罠をしかける。それにひっかかった魔物を討伐していくのだ。それなら海に逃げられる心配はない。
「問題はどんな罠を作るかという事なんだけど……」
「シウバ! いったんフラット領にもどろう!」
突然ユーナが言った。
「え? いいけど、どうしたの?」
「いいから行くよ!」
ユーナがウインドドラゴンに乗り込む。理由は分からないが他の3人も乗り込むとウインドドラゴンは高く舞い上がった。ものすごい速さでフラットの町が見えてくる。大通りに無理矢理着陸するユーナ。ウインドドラゴンが送還されると騒ぎはいったん収まるが、ユーナは無言のままずんずんと歩いていく。そしてある建物の前で止まった。
「今日はここに泊まろう!」
それはフラットの町の中でもそこそこに良いランクのホテルだった。
「え? 手持ちはあるから別に構わないけど、普段はもっと安い宿に泊まるのに?」
「いいの!」
かなり強引に宿に宿泊手続きをとってしまった。荷物を置くとすぐにレストランへと降りていくユーナ、ちょっと早いけど、お腹すいたのかな?
「もういっぱい!」
やばい、止めるべきだった。
「しうばも飲みなひゃいよ!」
完全にユーナが酒乱モードに入ってる。しかし、なんでこんなに急に酒乱モードに入ったんだ?それにここで酒飲んでる理由も聞いてない。
「どうしたの? ユーナらしくないけど……」
「あたしらしくにゃいって、どーゆーことよー」
いかん、これはもう話が通じない。
「シウバ様ぁ、ユーナ様なんかおかしいですぅ」
分かっとるわい、そんな事。知りたいのはなんでおかしくなったかだ。さりげなくユーナの酒をアルコールが入っていないものとすり替えるマジェスターが地味にいい仕事をしている。
「ユーナ、ちゃんと話してよ。なんで急にやめようと思ったの?」
「もう嫌なのよっ!」
叫んだユーナが少し泣きそうになっている。俺はユーナに水を飲ませて部屋に戻る事にした。マジェスターやエリナがいては言いづらい事もありそうだ。
「もう嫌になったの。なんで、私たちはこんな事しなくちゃならないの?」
元気が取り柄だと思っていたユーナは意外と弱い子だった。実は少し気づいていたからできる限りの事はしてきたつもりだった。だけど、前回のヨシヒロ神との戦いで俺がさらわれ、偽物が裏切りを演出し、最後は本物が死んだと思わせてしまった。彼女にとってはつらい数か月だったに違いない。それが、もう耐えられなくなったのだろう。今日の任務が上手くいかない事で決壊した。
「分かったよ、ユーナ」
第6特殊部隊はこれで解散する事にした。ハルキ様も分かってくれるだろう。俺はこれからレイクサイド領の召喚騎士団としてではなく、ユーナのために生きていく事を誓った。
眠い!