表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装探偵  作者: 相澤 沁
34/72

コスプレも楽じゃない6

マンションに戻った3人は、それぞれの場所へ散った。

美穂と高木は事務所へ、由香は最上階の自室へ。 事務所のドアを閉めた瞬間、美穂はスマホを取り出し、仁に電話をかけた。

「仁さん、イベント無事に終わりました。異常はありませんでした。囲み撮影も健全なファンばかりで、いやらしい写真や変な接触は一切なしです。由香ちゃんも楽しんでましたよ。」

仁の声は安堵に満ちていた。

「ありがとう、美穂さん……高木くんにも伝えておいてくれ。本当に、心配で気が気じゃなかったんだ。

また何かあったら、すぐに連絡するよ。」

電話を切った美穂は、いつもの私服に戻りながら小さく笑った。

高木はすでにコーヒーを淹れていて、二つのマグカップをテーブルに置く。

「健一、乾杯だ。今日の警護、無事に終了!」

健一はカップを手に取り、軽くぶつけた。

「終わったな……由香ちゃんの笑顔が守れただけで、十分だ。」

二人は静かにコーヒーを飲み干した。

事務所に穏やかな疲労感が広がる。

これで、今日の任務は本当に終わった。

翌週の水曜日、事務所のチャイムが鳴り、宅配便が届いた。

またしても大きなダンボール箱。

送り主はもちろん片桐仁。健一と高木は顔を見合わせた。

「仁さんからの荷物なら……危険はないだろう。」

高木がカッターでテープを切り、蓋を開ける。

二人は同時に絶句した。中には、プロ仕様の本格的なコスプレ衣装が3着。

セーラームーン、セーラービーナス、タキシード仮面。

衣装のクオリティは前回のプリキュア以上に高く、ウィッグ、ブーツ、アクセサリーまで完璧に揃っている。

箱の底には仁からのメモ。

『由香が喜ぶなら、ぜひ次もお願いします』

健一は蓋をそっと閉め、

「……悪夢だと思いたい」

高木も無言で頷く。

二人はしばらく沈黙した後、健一が直通内線を手に取った。

「由香ちゃん、今事務所に来れる?また……仁さんから妙な物が届いてるんだけど。」

2分後、由香がドアを勢いよく開けて飛び込んできた。

満面の笑みで、「美穂さん! 高木さん!見た!? セーラームーンだよ!次回はセーラームーンのコスプレやろ!美穂さんがセーラービーナスで、高木さんがタキシード仮面で、私がセーラームーン!やったー!!」

由香は箱を開けて衣装を抱きしめ、子供のようにはしゃいで回る。

「これで3人で変身ポーズ!絶対可愛いよ! 美穂さんの金髪ロング、似合う似合う!高木さんはタキシード仮面で超カッコイイ!早く着てみよ!」

健一と高木は同時にがっくりと肩を落とした。健一は天井を見上げて呟く。

「……仁さん、過保護を通り越して……完全に趣味が暴走してる。」

高木はソファに崩れ落ち、

「僕、タキシード仮面……マントと仮面で……もう、限界だ……」

由香は二人の反応などお構いなしに、

「次回のイベント、絶対行くよね!美穂さん、高木さん、約束だよ!」

事務所に、由香の笑い声だけが響いた。

仁の過保護と由香の無邪気さが、また新しい「任務」を生み出そうとしていた。

健一は青いリボンをクローゼットから取り出し、小さくため息をついた。

「……また、美穂の出番か…」

高木は諦めたように天井を見上げ、

「僕の人生……どこで間違ったんだろう…」

由香は衣装を抱きしめて、

「楽しみ~!!」

こうして、Guardeanの日常は、仁の過保護と由香の笑顔に振り回されながら、今日も続いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ