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裸の王様【後編】

「その前にどうだい?もう一杯ココアは如何(いかが)( ・∀・)?」


私はすっかり話しに夢中に為っていて、いつの間にかココアを既に飲み干していた。彼は冷静にも、それに気がついた様に声を掛けてくれたのだ。


『(´_`。)゛優しい奴だな…』私はそう想った。


「そうだな…(。-∀-)♪私は今度はコーヒーがいいな♪」


「( ・∀・)そうか!じゃあコーヒーにしようか♪」


彼はわざわざ購入したてのコーヒーメーカーで粉を挽いて、出来立ての奴を出してくれる。あぁ…とてもいいキリマンジャロの薫りが漂う。


「これ、ケイちゃんの分ね♪」


「有り難う…このコーヒーメーカーは買って正解だったな♪もう随分使い込んでるんだな?」


「(*゜ー゜)あぁ…そうだな♪余りにもコーヒー飲む機会が多いからね!その都度、瞳さんに迷惑を掛けるのは忍びないからさ♪」


「(´_`。)゛そう言えば…今日は瞳さんはどうしたんだい?」


「( ・∀・)えっとね?何かお友達のマンションにお呼ばれするらしいよ♪その友達がマンションの庭の手入れをしているんだってさ♪そのガーデニングが観たいんだって♪」


「(。-∀-)♪へぇ~瞳さんにそんな趣味があったなんてね?」


「( ・∀・)まぁ…料理もある意味、芸術には違いないからね♪何か新作のヒントを得たいらしいよ?それにそのお友達も料理に興味が在るらしいね?不思議な御縁だと彼女も言っていたよ♪」


「(´_`。)゛それは残念だな…今日は料理は食べられないのか♪」


私は蒼生に指摘されて以来、その目的も隠さない様にしていた。何か図々しくお呼ばれに来るなんて…と思っていたものだが、彼も瞳さんも構わないと言う。


瞳さんはむしろ「私の料理を愛でてくれて嬉しいですもの( 〃▽〃)♪」と言って喜んでくれた。


私はそれがとても嬉しかったのだ。何か二人とも私をとても歓迎してくれている様に感じて、とても肩の荷が降りていた。


だからと言って、そんなにホイホイ来る程、私も図々しくは無い。勿論、気を使ってたまには差し入れを買って来る様にもしていた。


そんな時には、二人揃って、「そんな気を使わないで良いのに♪」と言いながら、私に気兼ねさせない様に、美味しそうに洋菓子や和菓子を食べていた。


『…お~い…お~い…(*゜ー゜)ケイちゃ~ん♪♪』


私はすっかり自己陶酔していたらしく、蒼生は何度も呼び掛けてくれていたらしい。私は少し恥じ入ってしまった。


「(-∀-`; )…あぁゴメンゴメン♪ちと考え事をしていた…」


「( ・∀・)フフッ…それって御飯でしょ?それなら瞳さんが温めたら食べれる様にしてから、声を掛けてくれているから心配無いよ♪実際、僕は朝も昼もちゃんと食べれたからね♪」


「(。-∀-)それは君の食事だからだろう♪まさか私のは無いでしょ?えっ…まさか在るとか?」


「(*゜ー゜)ププッ…そのまさかさ!瞳さんは知ってたんだな♪今夜の食事は時間が来たら食べれる様に、二人分…勿論、君と僕の分だが、用意してくれて在るんだ♪今は上の階…僕の部屋のキッチンに在るよ!後で僕の部屋で一緒に食おう♪」


「(´_`。)゛それは有り難いな♪助かるよ!」


「( ・∀・)じゃあ…先程の裸の王様について考察しようか?君は話の内容は知ってるよな!でも敢えてちと話を語りながら、進めるとしようか♪」


「(´_`。)゛任せるよ♪私もお復習(さらい)に為るからね?」


「( ・∀・)判った!じゃあひとつやってみようか♪」


「(*゜ー゜)…テケテンテンテン♪昔、ある国に、とてもお洒落で新しい服が大好きな王様がいました。彼は最近、巷で評判との噂がある二人組の仕立て屋さんの事を聞きつけました…」


「…彼らは何とも珍しい、不思議なお洋服を仕立てる事が出来るという噂で持ち切りだったのです!それは、自分の地位に相応しく無い者や、手に負えないお馬鹿さんの目には見えないという、摩訶不思議な布地を作る事が出来るという者達だったのです…」


「…当然の事ながら、新しく斬新で、他の人がまだ手に入れた事の無い様な、素敵な服ならば、自分にこそ相応しいと思う、自尊心の高い、我儘な王様ですから、その噂に飛びつきました…」


「…王様は二人が誰かに雇われる前に、招聘しなければと、躍起に為っていましたので、さっそく二人をお城に召し出して、大喜びで大枚を即金で支払い、彼らにその新しい衣装を注文したのです…」


「…彼らはその大金を仕舞い込み、街の一画にある作業場として貸し切った一軒の家に、機織(はたお)りを設置して、さっそく仕事に掛かりました。王様が信頼の置ける正直者の大臣を視察にやると、仕立て屋達はとても忙しく機織りしている様に見せ掛けます…」


「…お馬鹿さんには見えない布地なのですから、その布が自分には見えないと判った時の大臣の心情足るや察せられるというものです。今まで正直で通して来た自分に、その布が見えないのですから、彼は神を呪いました。そして生まれて初めて、魔が射したのでしょう…」


「…大臣は突然、手を叩きながら、彼らを褒めそやし、見えない筈の布をベタ褒めしました。彼は自分の根本で在った筈の正直な心を裏切り、見栄を張ってしまったのでした。それはひとえに、王様の信頼を裏切りたく無いという自負でした…」


「…但し、見えない布地は報告出来ませんから、彼は一計を案じて、仕立て屋達に上手く説明をさせます。そしてそれを然り気無く、知力を駆使して覚え込みました…」


「…彼は自分が巧く誘導したと自負していましたが、仕立て屋達からすれば、実際には無いのが判ってやっているのですから、可笑しくて仕方が在りません。想わず含み笑いをしそうになるのを懸命に耐えて、報告に帰る大臣を恭しく送り出しました…」


「…彼は王様の前で報告する時には、さすがにチクリと心が痛みましたが、事ここに至っては致し方在りません。王様にはその布地が世にも不思議な光を放つとても稀有(けう)な物で在ると、大いに絶賛して、その期待を多大に(あお)ってしまいます。そしてキチンと仕立て屋達に言われた通りの具合に伝えました…」


「…王様は大いに喜び、良くやったと言わんばかりに、大臣を労いました。彼はほくそ笑みます。しめしめ…正直者の大臣に視察に行かせたのは正解だったわいと大いに喜んだのです!…」


「…その後、追って視察に訪れた家来達も愕然とはするものの、皆、見えないと知れるとイコール自分はお馬鹿さんと認定される事を嫌がり、嘘を重ねます。布地は大変に見事な物で御座いました!…そう次から次へと報告したのでした…」




「(´_`。)゛へぇ~君が同調圧力とか忖度を批判している意味合いが、肌で感じられる内容だな!気味が悪いくらいの人間心理の暗黒面を感じてゾクゾクするね…」


「ε- (´ー`*)だよね…この話は笑って聞いて居られるのは子供の頃までだろうな♪その本質足るや尋常じゃあ無いからな!こうなって来ると、最早いわゆる風刺説話の(たぐ)いだよな!これからが同調心理の恐ろしい所だよ…つまり見栄や下手な自負は真実を見えなくする二次災害を引き起こすって事になる典型的な例だという事かな?」


「(´_`。)゛そうだな…正直者 万歳(マンセー)ってとこだな!」


蒼生は話を続けた。




「( ・∀・)…皆の素晴らしい報告の数々に、かなりの期待感を感じた王様は、完成まで待つつもりでしたが、自分も早くその見事な布地をその眼に焼き付けたくて、最早、我慢が効かなくなりました。それだけ家臣達から刷り込まれたその印象が素晴らしく感じられて仕方が無かったからでした…」


「…そこで重い腰を上げて、王様が直々に視察に訪れるという運びと為ったのでした。これが最後の正念場と、仕立て屋達も緊張しながらも、最後の関門と懸命に働いている振りを決め込みます…」


「…しかし期待して足を運んだものの、やはり当事者の王様にすら、その見事な布地は見えなかったのでした。当たり前ですよね!元々無い物は幾ら眼を凝らそうと見える物では無かったからです…」


「…矜持の塊の様な王様は、端と困りました。家来達には見えているのに、王様である自分にだけ見えないなんて、そんな馬鹿な事が在って良いものでしょうか?これでは自分は家来達以下の存在になってしまいます…」


「…自負や見栄の強い彼にとっては、それだけは認めたく無い事だったのです。しかもこれでは、自分はその地位に相応しく無い者であり、お馬鹿さん確定の烙印を推されてしまいます。ここは彼にとっては運命の分岐点とも言える正念場でした…」


「…彼はとても落胆すると共に、目眩(めまい)がして来て、胃がチクチクと痛くなって来ました。彼はまるで自分がこれから大いなる嘘を付くのがバレやしないかと、不安に怯えて咄嗟に周りを見渡します…」


「…まるっきし挙動不審が露呈された凡庸な姿がそこには在りました。けれども彼は最後の最後で踏ん張りを利かせて、王様である自分の自負を守ったのでした…」


「…彼はこれまで視察に訪れたどの家臣よりも大袈裟に、その衣装の布地の出来栄えを大きな声で賞賛しました。そして周囲の家来達も調子を合わせて、その衣装の素晴らしさを讃えたのです。仕立て屋という名の詐欺師達は舌を出して大喜びです…」


「…そしていよいよ、王様の新しい衣装は完成しました。王様はパレードでこの新しい衣装をお披露目することにしたのです。彼は見えてもいない衣装を身に(まと)い、民が大勢詰め掛けた大通りを堂々と行進します…」


「…ところが集まった大勢の民衆達にも、当然の事ながら、この衣装は見えませんでした。元々無いのですから当たり前ですよね?しかしながら集まった民衆達も皆、『お馬鹿さん』と思われるのが堪らなく嫌でした…」


「…それに明日から自分がお馬鹿さんと言い触らされるのには我慢がなりません。そこで歓呼の響きでこの衣装を誉め讃え、王様万歳!…と叫びながら、笑顔で手を振りました。当然の事ながら、王様はとても気分良く行進を続けられました…」


「…しかしながら、それと同時に自分だけが見えていない事に、大いなる焦りを憶えていました。まさにそんな時でした。行列の沿道に居た一人のいたいけな小さな子供が、こう叫んだのです…」


「…だけどママ、王様は何にも着てないよ、と!それを耳にした民衆は突如としてざわめき始めました。やはり何にも着ていらっしゃらないのか?…と。その小さなざわめきは、やがて徐々に広がって行き、ひとり歩きを始めました…」


「…最後にはパレード中だというのに、そのざわめきは大きな波に成っていますから、遂には当の本人である王様の耳にも入って来ました。案の定というべきか、やはり騙されたのかとようやく自覚した王様は、怒りと恥ずかしさと、不思議な事には妙な安堵感さえ感じていたのでした…」


「…あぁ、(わし)だけが、お馬鹿さんじゃあ無くて良かった(* ̄◇)=3 王様は自分が裸である事を承知の上で、そのまま王の威厳を保つ為にだけ、パレードを続ける羽目に為ったのでした…」


「…そんな馬鹿さ加減に含みの在る敬意を表しながらも、詐欺師達はほくそ笑みを漏らしたまま、ゆるゆると引き上げたのでした。まさに大成功!万歳♪と言ったところです。世の中の無情を感じるお話しですね♪…おしまい!」




「(´_`。)゛何か切なくなってくるね…王様が少し可哀想ですらある。」


「あぁ…そうだね( ・∀・)♪周りを元々低く観ている王様にとっては、彼らが知っている事柄を自分が知らぬ筈が無いという態度で臨む以外に無かっただろうからね♪そこが詐欺師達の付け目なのさ…」


「…しかし、元々存在しない物を在りますって、かなり大胆な輩だが、人の心の根底に(くすぶ)る弱い心を知り、そこにつけ込んでいるという点においては、彼らは心理学に深く傾倒しており、その行動は哲学的だとすら思わないか?」


「(´_`。)゛確かにね…同調心理、圧力だっけ?これはかなり恐ろしいものだな!やはり安易に忖度などするべきではないね?」


「(*゜ー゜)…元々、詐欺の根底に在るのは、相手の虚栄心や矜持を(くすぐ)る心だ。しかもこの場合は元手もタダだから、うまく行けば無いものから金を産み出せる。これこそが本当の錬金術と言えるのかも知れないな…」


「…まぁ現実社会はそうそう甘くは無いだろうが、これだけ詐欺が(まか)り通る世の中では、そうとも言い切れまい。毎日の様にニュースで似たような話がわんさか沸いて来ると、明日は我が身だ…」


「…しかも年々手が込んで来るときてる。注意するに超した事は無いだろうね?同調心理の恐ろしさが理解出来る貴重な風刺説話として、この裸の王様はもっと真剣に考察されるべきひとつの手本と為れば良いと、僕は真摯に感じているよ♪まさに忖度恐るべしだな!」


彼はそう言うと、話を終えた。


「(*゜ー゜)さてそろそろ夕飯の時間だ!君の愉しみな時間でも在る。そろそろ上に上がって食事にしようや?」


「(´_`。)゛あぁ…そうだな♪お腹空いたよ…」


私は数少ない友人や恋人の居ない自分を憂いていたが、そんな自分にも蒼生や瞳さんの様な温かい友人達がいる。その事を深く心に刻んで、これからも大事にしようと心に誓っていた。

【後書き】


(´_`。)゛お待たせしました!最新作です!やっと書き上がりました。愉しんで頂ければ嬉しいでっす( 〃▽〃)♪


【筆者】

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