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クリハラさんが頭を下げて外部冒険者&アイアン冒険者達の宿泊費をまとめて払って、さらに彼も酒樽を一つ持ち込んできたのには少し笑った。そしてクリハラさんは豪快に笑ったドワーフ冒険者に頭から酒をぶっかけられて酔っぱらいの群れに引き込まれて行った。
無事生きて帰ってきて欲しいものだ。大丈夫、彼も元冒険者だ。きっと大丈夫に違いない。
「うわ……」
クリハラさんよりも遅れて宿に帰ってきたトールさんは惨状を見て遠い目になった。
そんな彼の横には同じく酒盛りをみて苦笑いのダーツ。
「これはまた凄いね。お酒の臭いもだけど絶対に怪我人出るよ……」
「あいつらも冒険者だからな。怪我したら治癒士に頼んででも当日までにはコンディションを整えるだろ」
「……とりあえず二日酔いの薬、ちょっと買ってこようかな……」
そんなトールさんにタイミング良くラクーンの冒険者が絡んだ。その腕には酒の入ったジョッキ。うん、確実に酔っ払ってる。
「よおトール!!子供はまだ出来てぶべっ」
「久しぶりだな。そして死ね」
そして冒険者は爽やかな笑顔のトールさんによって一発で酒盛り場に吹っ飛ばされて行った。それでも彼等は気分を害した様子もなく場の中心で酒を片手にゲラゲラ笑っている。
心配するのが馬鹿らしくなるほど、頑丈だなあ。
シュタインさんは大丈夫だろうか。
そう思ってそちらを見ると、リリエラが商売に忙しいすきに数人の酔っぱらいがシュタインさんに絡んでいた。どうやら「お前も飲め!」と絡んでいるようだ。
……見間違えでなければ、なんかとても見知った顔なんだけども。
隻腕隻眼のガタイのいい戦士が酒を手に持ち腕で仲間を引きずり込みながらシュタインさんに絡んでいる。
器用だな、アイズさん。とりあえず慌ててシュタインさんの救助に向かう。
「おうおう、俺の酒も飲めねえのにてんちょーになるってかぁ?あぁん?」
「もう、飲み過ぎですよ!!」
「お、マリィじゃねえかー。ちっせえなあ、かわいいなあ、邪魔だポール」
アイズさんは私を見るなりドサッとポールさんを捨てて、お酒の入ったジョッキもシュタインさんの前においてわしゃわしゃと頭を乱暴に掻き回してきた。
そんな彼にさっとポーション瓶に水を詰めたものを押し付ける。
そうだと思いついてついでにキノコ串の焼けたものを口に突っ込む。
「お酒はダメです!お水と……隠れ珍味のキノコ串の宣伝に行ってきてください。今日中に三十本は売って下さいね」
「ふぉーい」
もしゃもしゃとキノコ咥えて水片手に酒盛り場に戻ったアイズさんは酔っ払いながらもちゃんと宣伝してくれたようだ。「マリィにあーんで食わせてもらった」とか謎の自慢が聞こえたと思ったら今度はキノコの大量注文が発生した。




