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トールさんの指示で、休憩空間から出てきた人も一緒に移動してきた人もいっせいに散り始めた。そして問答無用で私を宿屋に連行するトールさん。
話をしなきゃと思うのに、視線で黙らされて結局自室まで運ばれた。
ポスッとベッドに下ろされて、さらに強制的に横にさせられる。
「眠くないですよ?」
「良いからまずは休め。一般人のマリィはすごく頑張った。怖かったな、もう大丈夫だ」
ベッドの隣に座ったトールさんに手を繋がれて。温かな温もりがじんと伝わってくる。生きてた。私もトールさんもみんなも。
「……みんな、怪我は無いですか?」
「ああ。マリィのおかげで全員無事だ」
「……よかったあ」
それならば頑張った甲斐あった。みんなの力になれてよかった。そう思うとふっと力が抜けて……急に眠くなってきた。
「後で…話が……」
「わかった。今はおやすみ」
後で話そう。後ででいいや。
そう思いながらすっと眠りについた。
「それで空間からはじき出されて蟻の真ん中に一人で出ちゃいました」
「その時俺が合流したのか……間に合ってよかった……」
皆の出入りで坑道の床に匂いがついて大量の蟻に襲われたこと。
壁を破壊されて扉が閉じてはじき出されたことを説明するとその場の全員が顔色を変えた。そりゃそうだろう、私が単身で蟻に囲まれるなんて死亡待ったナシだ。
その瞬間は頭が回ってなかったけれど今考えるとムサシさんに感謝どころのレベルではない。
「護衛つけてたろ、あいつはどうした」
「それが護衛のドワーフさんは空間の中に閉じ込められちゃって……」
「あー……弾き出されるのはマリィだけなのか。厄介だな」
「とりあえず次から護衛は空間の外だな」
「あと絶対に壊れねえ設置場所を作る必要もあるな」
「それは俺が作ろう。盾の要領で作れるはずだ、後で希望のサイズを教えてくれ」
今は護衛団とガドルさんでとりあえず情報の擦り合わせ中だ。ここで話をまとめた後で冒険者達とも情報を擦り合わせて、ギルドには提出する手筈となっている。
「……待てよ、となると空間商店街の方にも壊れない設置場所が必要だな」
「二枚だな、わかった」
思わぬ空間の弱点の対処をガドルさんに頼みつつ最前線に居たトールさんやアイズさんの話も聞いていく。
メインパーティは無事、女王蟻の確認と卵の確認が出来たそうだ。
女王蟻の傍にはそろそろ一体目が食べ終わるくらいのモグラの死体があったそうだ。
つがいだったためモグラはもう一体居る。
このことから二体目を食べ終わるまで女王は巣の移動をしないと思われる。
また卵は徐々に孵化を始めているようだったがまだまだ過半数以上の卵が白かったそうだ。
ーー次の宿屋のタイミングならばまだ間に合うくらいだが、さらにその次となると安全の保証がほぼ無くなる。




