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【完結】ヒノモトオンライン~フレンドリストにのらない友達~  作者: 小浪来さゆこ(森原ヘキイ)
11.サクラサク

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11-2

「お、来た来た。やっぱいいじゃん、その千早。いかにも巫女ってカンジ。な、サクラ?」

「みゃあん!」

「あはは。ありがとう」」


 一足早くメロンカッパンたちと戯れていたコロが、戦闘を中断して駆け寄ってくる。サクラと呼ばれた猫又が、僕の肩で同意の声を上げた。僕が「猫又に名前をつけたい」と言い出したときはコロも驚いていたはずだけど、もうすっかり定着している。

 火車からドロップした《桜花の千早》は、レアアイテムというだけあって、あまりにも繊細で上品につくられていた。中身が女の子じゃない僕が装備することに、ちょっとした後ろめたさのようなものを感じていたけど、コロとサクラが喜んでくれるなら、着てよかったと思う。


「そうだ。しばらくヒノモトを離れて別のゲームをしていた友達が復帰するんだ。今度、三人で一緒に遊ぼうよ」

「へえ。そいつ、うまい?」


「強い?」ではなく「うまい?」と聞くところがコロらしい。ヒノモトは単純にレベルが高いから強いというゲームじゃない。術技を使うタイミングなど、プレイヤースキルが試される場面が非常に多いのだ。

 その点で言えば、間違いなくメイくんはコロに負けないくらい上手だと思うので、僕は「うまいよ」と答えておく。


「だから、いい加減フレンド登録しようよ。そっちのほうがパーティ組みやすいの、コロも知ってるでしょ?」

「あー、フレンド登録すると……ほら、バレるだろ。バイタルアラームが出てること」


 やっぱりそれが理由だったのか。バイタルアラームが出ていることは、本人や、その周りにいる人が音によって感知することができる。でもフレンドリストを見れば、バイタルアラームが出ていることがはっきりとアイコンで表示されるのだ。「友達が危ない状態だから助けてあげて!」と教えてもらえる、とてもありがたい機能だと思う。


「心配をかけたくないっていうのはわかるよ。でも僕は、友達が苦しんでいることに気づけないほうがずっとずっと嫌だ」

「う……」


《フレンド》ではなく《友達》という言葉を出されると、コロは弱い。しばらく迷ったあとで、おとなしく僕の登録申請を受けてくれた。

 ようやくフレンドリストにコロの名前がのる。たった二人だけの、僕の大事な友達。もうひとりの異国風の名前の友達がオンライン状態になる日も、きっともうすぐだ。


「よっし、行くか討伐」

「えー。お祭りも終わっちゃったし、平常モードでまったりしようよ。僕、曇天堂の新作スイーツ食べに行きたい」

「みゃおん」

「ほら、サクラもスイーツがいいって」

「あ、ずるっ! そいつの意見もカウントしたら二対一で全部ハルキが勝つじゃん!」


 ギャンギャンわめくコロの腕を引っぱって、有無を言わさず火ノ都へ連行する。

 こういう強引なとこ、ちょっと春花に似てきたかも。そんなふうに思えることがうれしくてうれしくて、僕は大きな声で笑ってしまった。

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