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〜ラ=ジャジャの最後〜


新興国ウルベスタン国王、ラ=ジャジャは眼下に迫ってくる光景を他人事の様に見ていた。

国王たる自分が守るべき民が魔物達に追われているのに、だ。

この街の門に魔物達が襲いかかっている。簡易な門はすぐに破られるだろう。そして主都の民が背を追われることになる。


が、彼にとっては民の命などどうでもいいものだった。自分が王になったのは自分の意思ではないのだから。


『悪魔公ヴェルダ』それが彼の協力者の名前である。

そして眼下の光景を見て、彼がやりたかったのはこれか、と理解した。魔物を操っているのはまず間違いなくヴェルダであろう。


彼の指示で、この街の人口を増やすことには協力してきた。その後にこの出来事が起こるということは、

彼の狙いは『多くの人間を殺すこと』、さらに言えば『多くの人間を魔物に殺させること』だろう。それに気づいたとしても何もすることはない。自分の命もすでにどうでもいいからだ。


二箇所の門が破られ、魔物が街に入ってきたのを見て、彼は一つの部屋へと向かった。


彼の父が縛り付けられている部屋である。


「この世とももうお別れだ。最後にひと思いに殺してやろう。」


彼は最後に妹の顔を思い出す。いつも彼女は笑っていた。その顔を思い出すだけで、彼女を無くした哀しみが心から溢れてくる。


「兄さんもすぐそっちへいくよ」


そういってそばに置いてあった剣を取り、父の心臓に剣を刺した。それを引き抜くと、ドクドクッと血が溢れ出す。


「ガッ・・・・あっ・・・がはっ・・・」


父の最期の苦悶の表情だ。それをしっかり脳裏に刻んだ。


「ありがとうヴェルダ、さよならだ」


その言葉を残し、剣を逆手に持った。

刃先を胸にあて、そのまま自分の心臓を一突きする。


彼はそのまま目から光を失い、前に倒れ込む。

それが新王ラ=ジャジャの最後だった。




本日3話目です。

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