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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第3章
87/92

087 勇者魔法はやっぱりスゴかった!?

「は~い、到着でーす」

「ふぅぅ~ ま、まさかあたしが、空を飛ぶ日が来るなんてねぇ」


 ぼくはレニーさんを抱っこして、ケストレルの街まで飛んできました。

 今日の精霊魔法の特訓はレニーさんだけだったから、送ってあげたんだ~

 レニーさんがスリムで軽かったから、わりとあっけなくイけちゃいました。


(アマーリエさんだったらちょっと厳しい? アルタムさんは~ 背はともかく、意外と重そう?)


 な~んてぼくが考えてると、もじもじとレニーさんが身体をよじるのが判った。

 そう、いまぼくはレニーさんをお姫様抱っこしているのです。


(あぁっ やっぱりこうでないとねぇ♪)


 前はレニーさんにぼく、お姫様抱っこされちゃったし?

 ともあれ、そろそろレニーさんを下ろしてあげないとね。


「あ、じゃあ下ろしますよぉ?」

「ちょ、ちょっとまっとくれ! も、もう少しこのままで」

「あ、はい~」


 とちゅうからは少し慣れたみたいだけど、やっぱりお空の旅は怖かったみたい。

 よく見れば、また脚がすこし震えてるみたい。

 そしてぼくに【ぎゅっ】ってしがみついてくれるレニーさん。


(かわいい)


 そうして数分後、なんとか自分で立てたレニーさんだけど?


「しかし、空を飛べるってのは、ホントに反則だねぇ あの距離が、こんな短い時間で着いちまうんだから」

「ですよねぇ、って、コレはナイショですよぉ?」

「ああ、判ってるさ。けどパーティーメンバーにも言えない秘密が、いくつも出来ちまったねぇ」

「ですよねぇ」


 あの【悪霊】の件で、レニーさんは【姫巫女の従者】として覚醒。

 神官なのに、超強力な【火の精霊魔法】を使えるようになっちゃった。

 しかも精霊魔法は、原則的にエルフにしか使えない魔法。

 だからこのことを知ってるのは、ぼくの家族と【姫巫女の従者】のメンバー。

 それから冒険者ギルドや領主様とかの、一部の人しか把握してないんだ。


「おかげでこんなヒモパンまで、装備するハメになっちまったしねぇ」

「あー」


 姫巫女とその従者が装備する【変身ヒモパン】は、いわゆる【魔法少女】における【変身ステッキ】みたいなモノ。

 だから常に装備してないとダメなんで、レニーさんたちはいつも履いてて~


(って、【エルフィー・ノーム】のぼくも、そうなんですけどね……)


 けどぼくは、変身ヒモパンの上からズボンを穿いてるから? まだマシ。

 でも普段からビキニのレニーさんたちは、そうもいかなくて~


「でも? その透けレースの重ね穿き、カッコいいですよぉ」

「そ、そうかい? クリスにそう言われると恥ずかしいモンだね」

「街でもマネしてるヒト、いっぱいいますもんね~」

「ま、そうみたいだね」


 なんだか悪い気はしないみたいなレニーさん。

 やっぱり女の人って、そういうファッションにはビンカンなんだなぁ、


「それで精霊魔法の特訓は、どぉですか?」

「ああ、ルシア様のおかげで、だいぶ上達してきたつもりだけど、ルシア様や姫巫女──アプリルには、まるで勝てる気がしないねぇ」

「ですよねー」


 それはまぁ ふたりとも生まれながらのエルフで精霊魔法使いだし?

 いくらミヤビさま特製のチート能力だとしても、ねぇ?


「それにいくら強力な魔法でも、普段の依頼じゃ使えないしねぇ」

「え? もしかして、精霊魔法使うの、禁止されてるんですか?」

「あぁ いや、禁止されてるワケじゃないけどね」

「だったら──」

「その、あたしが精霊魔法を使うなら、あの格好をしなくちゃいけないだろ?」

「あー」


 そうでした。

 あの【姫巫女の従者】のコスチューム。

 いわゆる【えろえろ系コスプレイヤー】みたいな【セーラー服ビキニ】。

 そんな格好をしないといけないんでした。


「それはクリスだって同じだろう?」

「ええ! それはもう、できるだけ使いたくないですね! というかなんでぼくが使えるの!? ぼく男の子なのにぃ!」

「ふふ、あの格好のクリスも可愛いけどね」

「むぅ、かわいくなんてありませんのだ」

「ははっ 悪かったよ。とはいえあんな格好でも、魔物にやられるよりはマシだからね。いざとなったら使う、それだけでもずいぶんと気が楽になるってもんさ」

「あー、なるほどぉ」


 いざというときの保険、って感じ?

 いくらレニーさんのパーティーが強くても、死の危険はいくらでもあるし。


「さてと、送ってもらって悪かったね」

「いえいえ~」


 ここは街の門から10分くらいの、街道からちょっと離れた森の中。

 さすがに街に直接、飛んで降りたりできないしねぇ?


「じゃあクリス、またね。ちゅっ」

「あ、レニーさん」


 レニーさんは、ぼくの頭をナデナデして。

 ほっぺにちゅって、キスをしてくれました。


 ◇◆◆◇


「う~ん、レニーさんたちも頑張ってるし? ぼくももっと頑張らないと~」


 そう、それはぼくの戦闘スタイルのこと。

 ぼくは【勇者】の転生者だから、その知識と勇者スキル。そして勇者魔法が使えるんだ。


「けど、ステータスが【レベル1相当】だからなぁ」


 だから、ぼくの剣はとにかく軽くて、攻撃力が低い。

 レベルが低い魔物ならそれでも倒せるけど?

 この前みたいな【中ボス】クラスの魔物だと、ほぼ剣は使い物にならないの。


「う~ん、どこかで魔剣でも探すかなぁ でもそんなのがあるダンジョンに、ママたちが連れてってくれるワケないしー」


 なら【勇者魔法】をメインに、って考えると?


「それも、【MP】(マジックポイント)が足りないしー」


 さっきのステータスが低い件。

 そしてMPだけ少ないせいで、ぼくは満足に勇者のチカラを使えていないんだ。


「前世でぼくが読んだ小説だと、もっとカンタンにチートしてるのになぁ」


 それに【姫巫女の従者】のチカラは問題外だよねぇ 女装とか、ありえないしっ

 ただでさえ『しぐさが女の子っぽくなった』って、いわれてるのにぃ


「さて、どうしよう」


 う~ん。

 うかつに【HP】(ヒットポイント)が高くて、勇者魔法のスキルがあるから混乱するんだよなぁ。

 勇者魔法というと──


-------------------------------------

超越身技(オーバークロック)

 種別:勇者魔法

 状況:戦闘時

 対象:術者

 効果:筋力、知力、攻撃力、防御力などのパラメーターを増強する魔法。

    いわゆる【バフ効果】で、術者のパラーメーターを、

    1等級冒険者の3倍相当の能力値に高める。

    効果は術者が望む限り継続するが、魔力消費が膨大なので注意が必要。

-------------------------------------


 これが使えればベストだけど、いかんせん魔力消費が多すぎる。

 常時発動じゃなく戦闘時専用だから、戦闘が10回なら魔力は10倍掛かるし~


「そのうえ、発動中は魔力を消費し続けるし~ ウン、やっぱりムリすぎる」


-------------------------------------

見敵殲滅(アナイアレイト)

 種別:勇者魔法

 状況:常時

 対象:術者

 効果:広範囲の敵の殲滅を目的とした戦術級広域攻性魔法。

 術者の視界内に入る全ての敵に、超高熱の連続爆裂攻性体を叩き付ける。

 相手は死ぬ。

 威力は常にMAXで調節不可。

-------------------------------------


 これも魔力消費多すぎ!

 しかも威力は常にMAXで調節不可だし?

 そもそも戦術核クラスの破壊力とか、平時に使える訳がない。


「っていうかコレが勇者の使える唯一の攻撃魔法とかっ 極端すぎるよぉ!?」


 ハァハァ、ええと他には……


万物真理(ステータス)

 各種ステイタスがゲーム画面風に閲覧できる。

 なお鑑定も可能。


全能翻訳(トランスレイト)

 あらゆる言語を理解し、会話&読み書きができる。

 常時発動。


異空収納(インベントリ)

 異空間にアイテムを収納し、無限に持ち運べる。

 ただし生物は収納不可。


 戦闘時にどう使えと?


「あーもうっ いっそ異空収納にでも魔物が放り込めればいいのに」


 とはいえ魔物も一応『イキモノ』だし?

 異空収納には入れる事は出来な──


「ん?」


 ◇◆◆◇


「さてと、レーダーだとこの辺に~ あっ いたいた」


 ぼくはおうちの裏山に入り込むと、魔物をさがしていた。

 そしてそこには、角が生えたうさぎさん【ジャッカローブ】がいた。


「よーし、じっけんっ♪ じっけんっ♪」


 そうしてわざと声を出すと、ジャッカローブはこちらに気づく。

 そしてひとしきりぼくを見つめると、すごいスピードでぼくに突進してきた!


異空収納(インベントリ)


 いつもなら剣で討伐する魔物だけど? ぼくは異空収納(インベントリ)を発動。

 そして手のひらに展開した魔方陣を、ジャッカローブに向って突き出すと──


 キィンっ


「ピギっ!」

「おぉっ はじいた! しかもぜんぜん衝撃がないっ」


 普通の盾と違って、その手応えは、


「堅いというか、【反射】したみたいな感覚だ~ おっと、また来た!」


 またもやジャッカローブが突進してくるけど、


 キィンっ!


「うんうん これで確定だね」


 トスっ


「ピギ──っ」


 ジャッカローブには悪いけど、ひっくり返ったところで剣で突き刺した。

 あっけなく魔石になったソレを拾って、今度は異空収納(インベントリ)に投げ込むと、


 ス──


「おぉ そのまま収納されるんだ?」


 原理は理解してたけど? 今まで投げて収納したことなんて、一度もなかった。

 ちゃんと手で持って、そのまますっと差し込む感じ?

 なぜだかそうしないといけない気がしてたけど、


「ええと、じゃあコレなら──えいっ」


 ぼくは右手の剣で、異空収納(インベントリ)を切りつけた。


 ス──


「おぉう ちゃんと収納された! じゃあじゃあ、【ケースショット】!」


 ぼくは土魔法の呪文を唱え、右手の手のひらから礫弾を発射した!

 そしてそれは、左手の異空収納(インベントリ)の魔法陣に吸い込まれて──


「だ、だったらこれはどう? 【ファイアショット】!」


 今度は火魔法を発動させ、小さめな火炎弾を数発発射する。


「これも収納されたぁ」


 そして異空収納(インベントリ)の目録を見れば、【火炎弾×5】【礫弾×5】と表示されて──


「すごいすごいっ これって大発見だよぉ!」


 つまり?

 魔物や人族の体当たりやパンチ、爪や牙なんかの攻撃は【はじく】。

 そして剣や槍、それに矢や魔法弾なんかは【収納】する。


「防ぐだけでも最高なのに、敵の武器や魔法弾まで奪えるんだ! 異空収納(インベントリ)さん、しゅごいぃぃっ!?」


 それは【万物真理(ステータス)】さんに引き続いて、【異空収納(インベントリ)】が【さん付け】されるほど?

 ぼくにとって、有能な勇者魔法の再発見なのでした~

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