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憤怒の訪れ

今回はロシア語が出てきます。

一応翻訳サイトで翻訳していますが、間違っていましたら、誤字報告等、よろしくお願い致します。

アリアスがどこからともなく、ナディーに向かって剣を振り下ろしながら言う。


「貴様は殺す!」


ナディーはそれを片手で受け止めて威圧するように言う。


「Останови это. Я не могу убить тебя такой силой.(やめなさい。貴方のその程度の力では私は殺せない。)」

「くっ…」


アリアスは鬼の形相でナディーを睨んでいた。

ナディーは感情の無い瞳で俺を見て言う。


「ワタチ、強欲…」


そう言うとナディーの拳が俺の腹に抉りこまれる。


「がはっ?!」


吹き飛びはしなかったもののその場に倒れ込み、血反吐を吐き、意識が飛びかけた。

身体の中がぐちゃぐちゃになっているのが内部から感じられるほどのダメージだと認識した。

ナディーは俺の頭を鷲掴みにして耳元で言う。


「Вы настолько слабы, что никогда не сможете убить злого бога. あ〜…お前、弱い…邪神、倒す…不可能…絶対…?」


俺は超速回復の呪いと自身の魔力でやっと喋れるまでに傷を回復させる。

ナディーが俺の頭を離す。

俺は何とか顔を打たないように体を捻じる。

ナディーは感情の無い声で言う。


「ワタチ、いい事、二つ言う…」

「いい…事…」


気を抜けば意識が飛びそうだ…

まだダメージが酷く蚊の鳴くような声しか出せない…


ナディーは少しニヤッと笑い言う。


「一つ、お前、邪神、自分、殺させる…作った…邪神…偽りの生命…お前、全て…邪神の力…」

「何を…言って…」

「そう…」


戸惑う俺を見てナディーは少し呆れた様子で言う。


「お前、こちら側。エイリス、同じ… お前、邪神…一部…作られた兵器。」

「そんな…俺は…」


ナディーは少し楽しそうに笑いながら言う。


「今…殺さない…安心…」


ナディーの身体を操るその者の喜びがナディー越しに伝わってくる。

ナディーはその者の喜びを表現するかの様に少し口角をあげる。


「二つ、"水の国(ヴァッサポーネ)…行く…色欲、支配…プラッテント・ヴァッサポーネ…名前…そいつ、殺せ"。お前、疑う…無い…根回し…安心…エイリス、お前以外、別行動する。エイリス、お前…邪神…越える…"始まりの力"…探す。お前、強いなれ。Я сделаю тебя самым сильным. И я убью тебя с подавляющей силой!(私は貴方を一番強くさせて、その貴方を殺す!)」


ナディーはそう言うと力が抜けたようにパタリと倒れる。

エイリスが全て聞いていたかのように俺の元にやってきながら言う。


「私も貴方も邪神を殺すために創られた兵器なのよね…」


俺は誰にともなく聞く。


「初めから…俺の人生は…決まってたのか…それが俺の…在り方…だったのか…?」


エイリスが静かに心の落ち着く声で言う。


「少なくとも、貴方の人生は貴方のものよ。例え、邪神を殺す兵器として生まれたとしても、貴方の生き方は貴方自身でしか決められないわ。だから、貴方は貴方よ。それだけはこの魔神エイリスが保証するわ。」

「そう…だといいな…」


アイリス達もやってくる。


「リア様、大丈夫でしたか?」

「ああ、お前の呪印の…おかげでなんとか…な。」

「しょうがないやつじゃ、私の時の力で回復を早めてやろうぞ。」


フィリアムはそう言うと異空間から時計の針のような物を取り出して時の力を使う。


「では、私はナディー様の身体を癒してきますね。」


アリアスはそう言ってナディーの治療に取り掛かる。

フィリアムのおかげでなんとなく身体と魔力が元通りまで回復するのがわかる。

エイリスが楽しげに微笑みながら言う。


「あら、その力を使うなんて…どういう風の吹き回しかしら?」


フィリアムは少し不機嫌そうに言う。


「別に…ただの気まぐれじゃよ…」


離れたところから見ていたアルテノンが駆け寄ってくる。


「リア、王様に事情を話して、もう少しだけここに留まることを許してもらったから、動けるようになったら行ってよね。」


ノワールがニコニコと微笑みながら、アルテノンに言う。


「エフィルさん、貴方のお心遣いに感謝するわ。」

「別に…目の前で死なれて寝つきが悪くなるのが嫌なだけだもん…」


アルテノンは照れ隠しするかのようにそっぽ向いて言う。


「うぅ…ん…」


ナディーがムクリと起き上がる。

アリアスが戸惑いながら言う。


「ナディー様、体の調子はどうですか?」

「何も無い…」


ナディーは感情の無い声でそう呟いた。

そして立ち上がって言う。


「ナディー…リアのパーティ抜ける…」


ナディーは森へと歩き出す。


「ナディー!いってて…」

「リア!」


急に立った事による痛みでよろける俺の肩をフィリアムが支える。

ナディーが足を止めて振り返らずに言う。


「リア、今までありがとう…さよなら…」


そのまま走り出そうとするナディーにエイリスが言う。


「逃げるつもり?」


ナディーは一瞬だけ、動きを止めたが、そのまま森の中へと消えて行った。










私の頭の中で彼女の最後の言葉がぐるぐると思考する。

逃げるつもりだと思うなら、それでも構わない…

私は愛する人を傷つけたくない…

これを逃げと捉えられるなら、それでも構わない。

それしか私には出来ないから…


「私は…」


零れる涙をそのままに森の中を走る。


「私は大好きな貴方を苦しめる自分が憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…憎い!」


深い森の中に怒る少女の声が虚しく響いた…

そして、少女の憤怒に呼応するかのように木々がざわめいた。

憤怒のあまりに少女が居ないことも分からぬような激しさで…


「まずいことになってきましたね…」


その様子を見ていた美しい長髪の少女らしき影がぽつりとつぶやき景色に溶けるように消える。

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