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翌日、春明が目を覚ますと、リビングの方から話し声が聞こえてきた。
かちゃかちゃと食器が鳴る音も聞こえる。
春明がリビングへ向かうと、女子三人は既に起きていて、朝食を取っていた。
「おはよう」
春明は半分寝ぼけたまま三人言った。
和が笑いながら答えた。
「おはよう、春明くん。寝ぐせすごいよぉ」
汐織と檸檬は春明の頭を見てくすくすと笑っている。
春明は慌てて洗面所へと向かった。
春明が洗面所から戻ると、テーブルには春明の為のコーヒーとパンが用意してあった。
和が駆けよってくる。
「これ、春明くんの分の朝食ね」
「ありがとう、それじゃいただきます」
春明が食事を終えると、四人はぼうっとテレビを見ながら、話し始める。
「春明は、あのあとすぐに寝たの?」と汐織がたずねた。
「あぁ、そうだよ。なんだか疲れてたみたいで」
「和たちはね、あの後ずっとおしゃべりしてたんだよ」
檸檬は欠伸をすると眠そうに目を擦った。
汐織も眠そうに目を擦る。
春明はそんな二人の様子を見て、
「すごい気力だね…」
「すっごい楽しかったんだから」
汐織と檸檬はこくこくと頷く。
「でも流石にもう眠いわ…あとちょっとしたら帰るね」と汐織が言った。
「…私も、そろそろ帰る」と檸檬も言った。
「そっかぁ、残念」
和はまだまだ体力があるといったようだった。
少し雑談してから、三人は帰りの支度を始めた。
「じゃあまた泊まり来てね」
和が玄関まで見送りにきて言った。
「ああ、もちろんだよ。それじゃあお邪魔しました」
三人は、和の家を後にした。
外に出た三人は、昼前の太陽に光に目を細めて、それぞれの帰路についた。
その日の夜、春明は布団の上に横になって、昨夜のお泊り会の事を思いうかべていた。
――楽しかった。皆と色々な話もできて。
それに女子達の寝間着姿も見れたし…。堂島さん綺麗だったな。
またいつか四人で遊びたいな。
ああ、明日の学校が楽しみだ。
少し前なら、学校が楽しみになったことなんて無かったな。
春明は天井を見上げながら、微笑んだ。
同じくその日の夜、霜月家。
汐織はベッドの上で昨夜のことを思い浮かべていた。
――あっという間だったな。憧れのお泊り会。
誰かと朝まで語ったのなんて初めてだった。
色々な話をしたな…。学校の事や、昔の事、恋愛の事や春明の事。
本当に楽しかった。
明日の学校が楽しみだ。今度はどんな話をしよう。
友達がいるっていいな…。
汐織は顔をにやつかせて脚をパタパタとさせている。
その後汐織はもしばらく昨夜の事を思い出してから、電気を消して眠った。




