↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
森に潜むおかしな面々
66/1865

今更、略奪品のチェック!

「こほん……。話が脱線してしまったが、今日はどうしようか?」

「そ、そうね。どうしましょうか?」

 俺とシャルは、若干、さっきの余韻で、赤面しつつも、話を切り替える。

 恥ずかしくはあったが、何だかシャルとの距離が縮んだ様な気がする。

 いや。縮んだ!

 はたから見たら、初々しいカップルの様に見えただろう。

 だが、当の本人達からすると、至極まじめな事だ。

 これからやって行く上で、互いの心の距離は、縮めておいた方が良い。

 まあ、シャルの敬語口調は、元からの様だし、気にする処では無いが……。

「ジャショウ?」

 シャルが、不安そうに俺の顔を覗き込む。

「あ、ああ」

 いかん、いかん。

 また、自分の世界に入り込んでいた。

「で、サクヤやシャル姉は、狩りがしたいんだよね?」

『もちろんなんよ♪』

「そうね。命を奪う行為は、気が引けるけど、冒険者として、妖魔を倒すのは、必要な事だから……」

「で、本音は?」

「魔法が試したいわ♪」

 良い、返事で……。

 ん~~~~。

 笑顔を入れて、百点満点!

 士気も上々。

 能力的にも、申し分ない。

 まあ、手始めに、ゴブリンを狩るか……。

「よし。じゃあ、ゴブリン狩りで」

『それが、良いんよ♪』

「ええ♪」

 満場一致と言った処か。

 二人が、俺の肩に乗る。

 早く行こうと急かす様に、頬を叩く。

「の、前に……」

 まあ、サッサと行っても良いんだが……。

「荷物整理をします」

 俺は、おもむろに、腰につるした袋に手をやった。

 さすがに、このまま行くのもかっこが付かない。

 いい加減、荷物整理が必要だ。

 とは言っても、ゴブリンからせ占めた金の整理なんだが……。

『ジャショウ。まだやっていなかったん?』

「う、うむ……。面倒くさくって……」

 俺は、五十六個の麻袋を、一つ一つ、腰から外し、ため息をつく。

 中に入っている硬貨の数は、手探りで見ても、数枚だけ……。

 これを一々、一つづつ確認するのって、面倒くさくね?

『アタイ達も手伝うから、ぱっぱとやるんよ』

「そうね。私達も手伝うから、早く終わらせましょう」

 俺の肩から飛び降り、袋に手をかける二人。

 何と心強い。

 あ~。あれだ。

 夏休みの宿題、最後までとっておいて、始業式前日に、姉達に助けられる図……。

 夏休みって何?

 ま、まあ良い……。

 それだけ二人が、心強いと言う事だ。

 さっさと終わらそう……。

 俺も二人に感謝しつつ、袋に手を伸ばすのだった。



「これで全部か……」

 五十六個の袋に入っていたのは、百六十三個の硬貨。

 その打ち分けは……。

 金貨  三十六枚

 銀貨  四十三枚

 小銀貨 五十一枚

 銅貨  三十三枚

 以上、四十一万八千五百三十エル……。

 シャル曰く、一月以上、生活する事が出るそうだ……。

「サクヤちゃん達、一体どれだけのゴブリンを狩ったんですか?」

「ん~~。五十八体?」

「五十八体って……。どれだけこの森を彷徨っていたんですか?!」

 目を丸くし、興奮気味に捲し立てるシャル。

 サクヤは、首を傾げ、シャルを見る。

「何日って……。四日目?」

「~~~~~」

『シャル姉、落ち着くんよ。ジャショウと一緒に戦ったのは、二回だけなんよ』

「二回って……」

「集落潰した」

 俺は、さらっとそう答え、硬貨ごとに分けた山を、袋ごとに詰めていく。

 そんなに驚く事なのだろうか?

 正直、今のシャルなら、単独で壊滅できるはずだ。

 サクヤも、自らの力量を知ってからも、慢心すること無く、着実に力を付けている。

 まあ、四日目なんだが……。

「集落を落とすって……。中堅冒険者が、六人がかりでやるような事ですよ!?」

「ん~~~。メイジ系のゴブリンおらんかったし……。まあ居ても、問題無いが……」

『シャル姉も、出来るんよ♪』

「そんな!私、魔法が使えて間もないですし」

「ん~~~。俺達、魔力量半端ないし……。シャル姉だって、その魔力量なら、ごり押しで行けると思うぞ?」

 まあ、確かに、ゴブリン個体は強く無いが、集団で来られたら、初心者冒険者にとって脅威かもな……。

 肉弾戦のアタッカーは、一体多数の戦闘は、不慣れだろうし、ナビ子の言う様に、一般の人間の魔力量が、MP300と言った処だから、魔法を撃てて、十数発。難しいのかもしれない……。

 それに対して、サクヤとシャルは、1000を、遥かに超えてるんだが……。

 パワープレイも、余裕でしょう?

「まあ、初陣だし、自分を過小評価するのは分かるけど、冷静に判断しなけりゃならんよ?」

「で、ですが……」

「ついでに言うと、今回の戦い、サクヤとシャル姉だけでやってもらうつもりだぞ?」

『任せるんよ♪まとめて、倒してやるんよ』

「サクヤ。慢心はダメだぞ?」

『うん♪その代わり、前みたいに、名乗りはやらないんよ?』

 サクヤ……。

 俺の黒歴史を、穿り返さないでくれ……。

「正面から行ったんですか!?」

「ま、まあ……」

『やあやあ我こそはって、ジャショウ言ったんよ♪』

 お願い……。

 モウヤメテクダサイ。

「わ、私は……。出来るのでしょうか?」

 俯くシャル。

 まあ初陣で、緊張するのは分かるが……。

「出来るかじゃなくて、どうしたら出来るかって、考えなくちゃな」

 俺は。シャルを優しく撫で、ウインクをして見せる。

 我ながら、きざっぽい……。

 ま、まあ、及び腰になられても困るし……。

「大丈夫。危なくなったら、助けるよ。それとも、弟の事が信じられない?」

 俺は、お道化て見せ、サクヤは、シャルの手を取って勇気づける。

 そんな俺達に、シャルは笑って頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。