また、厄介事かぁ?
端的に言うと、リフレッシュを、ラーニングした。
それに連ねて、ファイア、ウォーター、アース、ウィンドを覚えた。
どうやったかって?
仕組みは簡単。リフレッシュを覚えた際、魔法の仕組みを理解したからだ。
どんなだって?
自らの魔力を核に、周囲のマナを集めれば良いだけだ。
ファイアなら、炎のマナを。ウォーターならば、水のマナをって具合にだ。
純粋に、魔力だけを放出すると、無属性の気弾の様なものに成る。
まあ威力は、錬気に劣るが……。
幸い、俺は魔力も高い。いざと言う時や、錬気以上に、セーブしてダメージを与える時は、こちらを利用しよう。
だが、リョウカ。お前はダメだ!
痛みを伴う躾にこそ、意味がある。
まあ、あいつは、あの程度では、くたばらないしな……。
そんな事を考えながら、黒い笑みを浮かべ、リョウカを睨む。
ゾク……。
奴め。何かを感じ取ったか?一歩後退しおった……。
「おら!クソガキ……。今、変な事を考えなんだか?」
奴は、懐疑心の塊か?
まあ、考えていたかと言えば、考えていたのだが……。
「ふん!桜肉として扱われない事を、ありがたく思えと思っていた処だ」
「主は、我から魔法を教わって、何たる態度じゃ!言うなれば、我は主の師匠だぞ」
言うに事欠いて、何たる言い草!
奴を、師匠などと思えるか!
『ジャショウちゃん。一応、聖獣なんだから、もうちょっと、大切に扱ってやりなよ』
む?珍しく、ナビ子から苦言が……。
しかし、何をどうやったら、こいつを擁護する気になるのだろうか?
『そやなぁ。ジャショウ、女の子には優しくせなぁ』
サクヤまで……。
「そうじゃ、そうじゃ!もっと我を、敬え、奉れ!」
こいつ……。
サクヤとナビ子が擁護するから……。
ん?
あれ?こいつ……。
「お前……。サクヤとナビ子の声が聞こえるのか……?」
予想外の展開だ……。
こんな奴でも、まさかの加護持ちか?
「む?我は、聖獣じゃ!エステカ様の声も、そこの小さなお嬢さんの声も、聞こえるに決まっているであろう」
くっ……。
なんか、俺達の絆を、汚されたような気がする……。
「腐っても、聖獣と言う事か……」
俺は、苦虫を噛み潰したかの様な顔で、リョウカを睨む。
「ふふ~ん。どうじゃ?我を見直したか?」
くそ!何だこの、優越感に浸った顔は。
もう一発、撃っとくか?
俺は、片手を前に出し、気を集中させる。
「ぬわ~。まて、待つのじゃ!!」
リョウカは慌て、サクヤの陰に隠れる。
ぬ~~。そんなちっちゃい子の陰に隠れるな!
俺は、前に出した手を引っ込め、歯ぎしりをする。
『ジャショウ!リョウカをいじめちゃ、あかんよ!』
サクヤは両手を広げ、首を横に振る。
これでは、俺が悪者では無いか……。
「や~い。や~い!悪者、悪者!」
こいつ殺す!
『リョウカはんも、挑発したらあかんよ!』
サクヤ……。やっぱ、良い子や。
俺は、サクヤを抱きしめ、リョウカを足蹴りにする。
『あう~。くすぐったいんよ……』
「え~~~い。いちゃこらするでない!」
感極まって、サクヤに抱擁する俺。
そんな俺を、リョウカは、白銀の角で牽制してきた。
「きゃ~~~~!」
そんなやり取りをしていると、森の方から、誰かの叫び声が……。
む?今、良い処なのに……。
「これは、麗しき乙女の叫び!!」
やはりと言うか、リョウカが、過剰に反応する。
こいつ。一々鬱陶しい……。
『ジャショウちゃん!』
また、厄介事か……。
俺は、ため息を一つ吐き、森の方へと、目を向けた。




