俺って、死にスキルが、多すぎやしないか?
「おぬしは、聖獣に対する労りと言うものは無いのか!」
今現在、俺の前でいきり立っているのは、聖獣(仮)のユニコーンだ……。
さっきから、口調はブレブレ、最初こそ、気持ちの悪いナンパ野郎であったが、今は、聖獣と言う事を誇張している。
「まじキモイ……。死ね」
俺は、冷笑を浮かべ、首下で親指を下げ、Killとジェスチャーする。
「ぐぬぬ……」
「あら、だれかと思いまいたが、リョウカ様でしたか。お久しぶりです」
サシャは、まるでいつもの事と言う様に、ふんわりとした笑顔で、ユニコーンに挨拶をする。
しかし、このユニコーン、リョウカと言うのか……。
「お前こそ、男だか女だか分らん名前をしおって……」
「何おう!我は、れっきとした女じゃ!男などと言うキモイ生物では無い!」
は?何言ってんのコイツ?
この生物が、女だと……?
だとしたら、この世界に来て初めて、萌えない女第一号だ……。
いやいや。そもそも、女ならなんで、女をナンパする……?
え?そっち?
どっちって聞かれたらあっちのあっち?
俺は徐に、リョウカの前足を掴む。
「は?な、何をするのじゃ~~」
そのまま、前足ごと持ち上げ、股間を覗き込む。
は?あれ?付いてない……。
あれが無い……。
あれって、あれだ。俺がさっき見せたやつ。
「ぬお~~~~。我は、最早嫁には行けぬ~。
だから、誰か我の嫁になれ~」
こいつ……。頭の中は、お花畑か?
『ジャショウちゃん、ジャショウちゃん。この世界のユニコーンは、みんな雌なの。それで、人間種の純潔の少女の錬気と交わって、子孫を残すのよ』
はあ……。萌えない女一号決定……。
一部のコアなファンは、喜ぶような設定に、少々頭痛を覚える。
「主は、我を何だと思っておるんじゃ!いきなり錬気をぶっぱなし、今度は、股間を覗き込む。主は、女の扱い方がなっていない!」
「だまれ。ある意味、腐女子!」
「ぬ~~~。腐女子は、男×男であろう!我は、女×女じゃ!」
ああ。そこは、否定しないのね……。
「じゃあ、腐れ処女中!」
「ふん!それの何が悪い!純潔の乙女の錬気は、格別じゃ!」
駄目だ。腐っていやがる……。
「主こそ、女のふりをして、我をおびき寄せるとは、この角が狙いか!?」
「ああ?桜肉には興味があるが、そんな小汚い角などいらん!」
俺は、幾分か殺気をはらんで、威嚇する。
俺が、女のふりをしただと?
冗談じゃない!初めから通常運転で、益荒男だ!
「ぬう。肉を食らうか?この悪鬼め!」
「はっ!そんな薄汚れた肉などいるか!」
「主の放った、放気の所為だろうが!!」
一進一退、俺とリョウカは、睨みあう。
こいつは、全身全霊で受け付けない。
もう、何?生理的に無理!
「まあ、良い。リフレッシュ!」
リョウカの掛け声と共に、リョウカの体が光に包まれる。
光が収まるころには、リョウカの純白の肉体が、露わになる。
「おお!ただの変態かと思えば……」
「だれが、変態じゃ!」
『ジャショウちゃん。今のは、光魔法の、リフレッシュ。衛生面を考えれば、早い段階で覚えると良い魔法の一つよ』
『覚えるって……。この変態から、教えを乞うのか?』
それだけは嫌だ!
何が悲しくて、こんな変態に頭を下げる。
俺は、苦虫を噛み潰したような顔で、一歩後退する。
『大丈夫よ♪今や死にスキルになっている、洞察力を使えば……。リフレッシュは、低レベル魔法よ。覚える事が出来るわ』
洞察力……。
そう言えば、そんなスキルもあった。
普段、索敵、気配察知ばっか使っていて、使用する頻度が無かった。
このスキル。レベル相当の技を、ラーニング出来るんだったか……?
結構、チートな気もする。
その上、相手が技を起こす瞬間を、見極める事が出来るから、相手の初動を見極める事が出来るんだよなぁ……。
今は、レベル2だったか。
そうと分かれば……。
「放気 爆炎破!」
チュド~ン
「ぎゃあああああ」
リョウカには、もう一度、汚れてもらう。
「な、何をするのじゃ~!!」
「うむ。もう一度、リフレッシュを使ってもらいたくてな」
俺は、何事も無かったかの様に、真顔でリョウカをいなす。
「だったら、そう言えばいいだろう!!」
「俺のプライドが許さん!」
「お前、何時か泣かす!!」
リョウカの嘶きが、森全体に木霊した。




