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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1865/1865

閑話終焉 こうして、物語が始まる……。

「もう、誰も食べない。誰も傷つけたくない……。だれか。俺を、消滅させてくれ……」

 地獄の最下層……。

 ナナシの慟哭が、無常に木霊する。

 地獄の炎に焼かれ、ナナシは、何度も死のうとした。何度も、消滅しようとした。しかし、それは、決して、叶わない……。

 堕ちてくる魂は、ナナシに吸収され、ナナシの魂は、異常な速度で、肥大化してゆく。

 地獄の業火すらも、生ぬるく感じる。

 ナナシは、力に呑まれまいと、必死に自我を保ち、炎の中で、金色に輝く……。

「俺は、俺は……!」

「まったく……。どこにおったのじゃ?何度も言っておろう。わらわの側を、決して離れぬなと!」

 地獄に似合わぬ、透き通った、優し気な、女性の声。

 ナナシは、必死に自我を保ち、声の方を向く。

「い、イザナミ様……!」

 イザナミは、慈愛に満ちた目で笑い、業火の中に、その身をさらす。

 そして、優しく笑い、力いっぱい、ナナシを抱きしめた……。

 ナナシは、震え、涙を流しながら、

「は、離れて下さい!も、もう、俺は、自分の力を、制御できない……!このままでは、イザナミ様も……!」

「良いんじゃ……」

「えっ……?」

 イザナミは、優しく笑い、涙を流しながら、ナナシに、口づけをする。

 暖かな感触……。

 地獄の業火でも、焼く事の出来ない、ナナシの魂が、暖かな、光に、浄化されてゆく。

 イザナミは、優しく笑い、

「お主とわらわは、永遠に、一緒じゃ!天照の奴が、お前を、守っていたのじゃろう……。しかし!それ以上に、わらわは、そなたと、深く、繋がるとしよう!」

 その言葉と同時に、イザナミの魂が、ゆっくりと、ナナシの魂に、同化してゆく。

 ナナシは、絶望し、

「イザナミ様……!?駄目だ!!お願いだ!俺を!僕を、一人にしないでくれ!!」

 ナナシは、子供の様に泣き叫び、必死に、イザナミの魂を、引き剝がそうとする!

 しかし、イザナミは、強く、ナナシを抱きしめ、

「馬鹿者……。お前を、一人になどせぬ!お前は、わらわのものじゃ!永遠に……。永遠に!ずっと、一緒じゃ……!記憶で忘れてしまっても。何度、輪廻転生を繰り返しても!わらわは、永遠に、お前の魂の中に居る!何時か、必ず!お前が、自分の力を、制御出来る様に成った時、わらわは、お前の、一番深い所で、巡り合う事と成ろう。大丈夫じゃ……。わらわは、ずっと!お前の、一番深い所で、側に居てやる!だから、悲しむな!孤独を感じるな!ずっと!永遠に、わらわ達は、悠久の時を、生きるのじゃ!」

「イ・ザ・ナ・ミ……」

 イザナミの魂が、完全に、ナナシと融合する……。

 ナナシの魂が、一粒の涙を零し、静かに、休止してゆく……。

 歪に膨らんだ、ナナシの魂は、美しい円を描き、地獄の最下層で、混然と輝く……。

 やがて、ナナシは、遥か未来で、再び、イザナミと、巡り合う事と成ろう……。

 何故なら、ナナシとイザナミは、一つと成ったのだから……。


 ここまで呼んで下さった皆様。誠にありがとうございました!無理な、終わり方と成ってしまいましたが、書ききれたのは、皆様のお陰です!

 本当に、本当に!ありがとうございました!



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