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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1851/1865

輩を持て成す喜び

「ふおおおお!ここには、何でも有るのう!我が、夢見た、日ノ本の姿だ!」

 興奮する、信長達……。

 俺は苦笑し、街を、案内する。

 信長は、ガッツの、ビックボアの串焼きを食べながら、

「邪聖よ!誠、大義である!しかし、一つ許せぬのう。お主が、日ノ本に居た頃、何故生き延び、我の下で、天下を目指さなかったのか?誠に、悔しい事よ!」

「ははは……」

 多くの者に、この問いを、投げかけられる。

 しかし、俺は、水無月こそが、世界の全てであった。

 御館様こそが、唯一の、主であった。

 その答えは、決して変わらない。

 信長は、俺の顔を見て、全てを悟る。

 苦笑し、

「難儀なモノだな。我は、産まれる時を、間違えたのか?いや、お主が、早く生まれ過ぎたのか?運命と言うモノは、残酷なものだのう」

 やれやれ……。

 皆、この答えに、辿り着く。

 信長は、街を見回し、

「誠、美しい街だ!我の描いた、日ノ本を、大きく超える!これが、エネス国か……」

 感慨にふける、信長に笑いかけ、

「もう直ぐ、ガルガト&ブティックラクシャに、到着しますよ?皆さま、財布の紐を、固く締めて下さよ?特に、お市様は」

 俺の言葉の意味を悟り、夫である、長政が笑う。

「大丈夫だ。我等も、多くの依頼をこなし、貯えがある!案ずる必要は無い!期待させてもらうよ」

「ははは!長政様は、懐の深い方だ!しかし、エネス国。ガルガト&ブティックラクシャだけではありませんよ?覚悟して居て下さい」

「ははは!邪聖殿のその自信!存分に、期待させてもらいますよ!」

 長政は、再び、豪快に笑う。

 俺は、内心、心で笑う。その自信、エネス国で、通用するかな……?



「ま、正に、宝の宝庫じゃ!」

 ガルガト&ブティックラクシャに入り、信長は、感嘆の声を上げる。

 目を輝かす、お市様。

 長政の顔は、予想通り、引き攣っているな。

 ガルガトと、マリアが、にやりと笑い、俺に、声をかける。

「また、見どころのある客人を、連れて来たのだな!」

「あらぁん、いっぱい買っていてねぇ♪勿論、ジャショウちゃんが、買ってあげるのでしょう?」

 マリアさん……。

 また、余計な事を……。

 信長達は、目を輝かす。

 長政もまた、安堵の表情で、胸を撫で下ろしている。

「邪聖よ!我は、この服とこの服が、気に入ったぞ!」

「長政様!この服は、私に似合うかしら?」

「ああ!お市は、どの服を着ても、よく似あうぞ!」

「ふふふ♪じゃあ、この服とこの服を!」

 光秀もまた、真剣な顔で、服を見ながら、

「この服は、冒険に適しているな……!」

 真剣な顔で、服を選ぶ四人。

 俺は、マリアさん達に手招きされ、

「ジャショウちゃんは、お金の準備をしておいてねぇ♪また、最近、冒険者の仕事で、荒稼ぎをしたんでしょう?ガッツちゃん達が、国王なんだから、あんまり無茶を、しないでくれって、怒っていたわよぉ♪」

「はぁ……。分かっているんですけどねぇ……。冒険者の仕事は、俺にとっては、丁度良い、息抜きなんですよ。それに、王と成った事で、今日の様な客人が、多く来る様に成った。少しは、懐を、温めておく必要があるのです」

 ガルガトは、俺の話を聞き、俺の頭をクシャクシャに撫でながら、満面の笑みで笑う。

「お前が連れて来る客は、儂等の服を、大切に扱ってくれる客ばかりだ!この者達も、気に入ったぞ!まあ、お前は、無理をするが、無茶はしない!だからと言って、もう少し、体を労われよ!」

「ははは……。肝に銘じておきます」

 また、怒られてしまったよ。

 そんな、俺達も談笑の間に、信長達は、服を選び終わった様だ。

 信長とお市は、両手いっぱいの服を。

 長政と光秀は、五着ほどの服を、選んだようだ。

 俺は、笑い、

「長政殿と光秀殿。遠慮する必要は無いよ。これでも、私は、信長殿達を、好いているのだ。それに、ガルガトさんとマリアさんも、四人の事を、気に入ってくれた様だ。もう少し、買われたらどうだ?お金の事は、心配ない!貴方方は、私にとっては、好まれる客人だ。全て、私が、買わせて頂きますよ」

「「本当ですか!」」

「「い、いや!申し訳ない!!」」

「ははは!どうか私に、輩を、もてなさせて欲しい!」

 俺の言葉に、二人は、満面の笑顔に変わる。

 更に、数着、手に取り、

「そ、それでしたら、これも!」

「わ、私は、これも!」

 俺は、膝を叩いて笑う。

 笑いながら、何度も頷き、

「その位、私に、甘えて下さい!エネス国は、四人の来訪を、心から、歓迎します!」

 俺は、満面の笑みで、ザグメさんに、お金を渡す。

 信長もまた、満面の笑顔で、

「実に、大義である!日ノ本の公家よりも、太っ腹で、良いモノをくれる!邪聖よ!我は、今度は、お主の様な靴が欲しいぞ!」

「ははは……。それでは、ディックの靴屋に、参りましょうか?」

 やれやれ……。

 今回の、接待も、お金が飛びそうだ……。


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