助け合う事の強さ
アイカ達が、帰らない……。
本当に、休みの間中、エネス国に、滞在するつもりの様だ。
まあ、別に、構わないのだが。
訓練は、真面目に行っているし。子供達の面倒も、よく見てくれる。
本当に、エネス国に、欲しい人材だ。
その思いが、顔に出ていた様だ。
アルテイシアが、俺の耳を引っ張り、
「アイカちゃん達は、家の子だからね!」
「分かった、分かった!耳を引っ張るな!」
まったく、融通の利かない、王女様だよ。
驕る訳では無いが、アイカ達を育てたのは、この俺だぞ?
アイカ達に、選択肢を与えても、別に良いじゃ無いか。
俺は、アルテイシアに睨まれながら、今日も、仕事に精を出す。
街の拡張に、農地の移動。放牧地も、更に拡張する。
やる事は、多く有るな。
代り映え無い日常だが、エネス国は、大きく変わっている。
アベルの故郷……。
北の勇者の故郷、アスタ村と言うが。俺に、恩を返すのだと、アベルの父、バラフを中心に、移住して来る事と成っている。
今、フリュクベリ商会を派遣し、対応している所だ。
他も、俺が助けた者達が、続々と、エネス国に、集結しつつある。
俺達にとっては、嬉しい悲鳴だ。
エネス国は、急速に発展し、人手が足りない。
喜んで、迎え入れよう。
こんな状況だから、アルテイシアも、焦っているのだ。
まあ、ヨセフの様に、暴走はしないが。
ギリセアからの移民も、多く、集まっているからな。
故に、
「ちょっと!本当に、お願いだから、アリネも、発展させてよ!共に発展し様とか言って、エネスばかり、大きくなっているじゃない!」
まあ、否定はしない。
俺は、深々と、ため息をつき、
「分かったよ……。しかし、俺が、何でもやってしまったら、それこそ、スターリーの、二の舞だ。俺が、ロブスさん達に、話を通しておくから、信頼出来る者を、研修に来させろ。二、三年、修行を積んで、その者達の力で、アリネの街を、発展させるのだ。他の事も、同じだ。王女さんが、これだと思う事が有れば、俺に言ってくれ。手配するよ」
「まったく!最初から、そう言いなさいよ!ローラに言って、エネスに、優秀な人材を派遣するわ!けど、建築だけじゃ、物足りないわねぇ……。あんたの国、家の国から、多くの木材を、購入しているわよね?建築材料は、私の国が、一手に引き受けるわ!ガラス、石材、煉瓦。あんたの国じゃ、限界があるでしょう?工業化を進めるから、そこら辺も、しっかり、教えなさい!」
「ん。確かにな……。家の国土じゃ、限界があるな。アルテイシア!ギリセアに、そこら辺を頼めるか?」
「任せなさい!ギリセアとエネスは、二人三脚で、大きくなるのよ!最初から、そう言っているでしょう?」
「ははは。そうだな。よろしく頼む。白翼商会の方に、話を通しておく。上手く、折り合いをつけて、頑張ってくれ」
確かに、エネス国は、小さな島国。
人材が揃っても、国力に、限界があろう。
スターリーとは、上手く、助け合えなかったが……。
アルテイシアとなら……!
ギリセアとなら、上手く、助け合っていけるだろう。
これなら……!
エネスもギリセアも、まだまだ、大きくなってゆくぞ……!




