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天翔雲流  作者: NOISE
不死鳥の如く
1834/1865

小さな人助け

 セナが、パタパタと歩き、俺の後を追う。

 俺は笑い、

「セナ。今日の勉強は、終わったのかい?」

「うん!ジャショウは、何をしているの?」

「俺か?俺は、安心して、皆が暮らせるように、ルールを、作っているんだよ。その為に、街に、視察に行くところだ」

「しさつ……?」

「えっと。実際、街を見て、困っている人を、探しに行くんだよ」

「困っている人を、助けるの?」

「まあ、そんなところだ」

 俺の言葉に、セナは、目を輝かす。

 セナは、俺の手を引っ張り、

「セナも、困っている人を助ける!」

「ん?セナも、街に行くのか?」

「うん♪」

「ははは!それじゃあ、一緒に行こうか?」

「うん♪」

 俺は、大きく笑い、セナを抱き上げる。

 丁度そこに、

「パアパ!どっか行くの?」

「セナちゃんも一緒?」

「ジャショウ!アルナ達も行く!」

「お兄様!アルマも、ご一緒します」

 センカ達も、来てしまったか。

 まあ、良いか……。

「それじゃあ、皆で、困っている人を、探しに行こうか」

「「「うん♪」」」

 さてさて……。

 それじゃあ、小さな冒険を、始めるとしようかねぇ……。



 街は、今日も、大賑わいか……。

 セナは、鼻息荒く、

「あのお婆ちゃん、大きな荷物持って、大変そう!セナ達で、助けよう!」

 セナは、センカ達と共に、走って行ってしまった。

 俺も、その後を追う。

 助けると言っても、少し違うのだがなぁ。

 セナ達は、お婆さんから、荷物を預かり、一生懸命、運んでいる。

 お婆さんは、恐縮しながら、

「済まないねぇ。セナお坊ちゃまに、センカお嬢様達。荷物は、重いじゃろう?無理を成されなくても……」

「大丈夫!セナ達も、街の皆に、笑っていて欲しいの!」

「セナお坊ちゃま……」

 婆さんは、涙ぐみ、優しく笑う。

 まあ、こういう人助けを、経験させるのも、大切な事か。

 俺は、ニコニコ笑い、

「婆さん、済まないな……。セナ達の、教育の為に、付き合ってもらえないだろうか?」

「これは、ジャショウ様!セナ様を始め、ジャショウ様のお子は、立派に、育っておりますなぁ。儂は、この街で、余生を暮らせて、幸せ者ですわ」

「ははは!そう言ってくれるか!婆さん、余り、無理をするなよ?声をかければ、周りの者達が、助けてくれる。俺達は、互いに助け合い、この街を、発展させているのだ!婆さんも、その一員に成ったのだから、頑張ってくれよな♪」

「ほいほい。儂も何だか、若返った様だのう」

 俺は、婆さんをエスコートし、家まで、送り届ける。

 セナ達も、よく頑張った。

 荷物も無事に、婆さんの家に。

 お婆さんは、気を利かせ、子供達に、お菓子とジュースを、振舞ってくれる。

 セナ達は、ニコニコ笑い、

「お婆ちゃん!困った事が有ったら、セナ達に言ってね♪セナ達も、ジャショウみたいに、皆を守るから!」

「ほんにほんに。セナ様達は、立派に育っておるのう。それじゃあ、また、助けておくれ」

「「「うん♪」」」

 小さな事から、コツコツと。

 ヨセフには、それが無かった。

 故に、あの様な王に、成ってしまったのだろう。

 セナ達に、多くを、経験させてやらなくてはな。

 立派な王か……。

 俺とは、程遠い。

 こんな事を言えば、エローラ達に、怒られてしまうが……。

 それでも俺は、王とは、程遠い存在だ。

 御館様の背が、俺の前で、道を指し示す。

 立派な人だった……。

 あの頃も、そう思っていたが……。

 今は、更に、御館様の背が、大きく見える。

 立派な王か……。

 俺の背は、セナ達には、どう映っているのだろう?

 少しは、届いたのだろうか……?


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