小さな人助け
セナが、パタパタと歩き、俺の後を追う。
俺は笑い、
「セナ。今日の勉強は、終わったのかい?」
「うん!ジャショウは、何をしているの?」
「俺か?俺は、安心して、皆が暮らせるように、ルールを、作っているんだよ。その為に、街に、視察に行くところだ」
「しさつ……?」
「えっと。実際、街を見て、困っている人を、探しに行くんだよ」
「困っている人を、助けるの?」
「まあ、そんなところだ」
俺の言葉に、セナは、目を輝かす。
セナは、俺の手を引っ張り、
「セナも、困っている人を助ける!」
「ん?セナも、街に行くのか?」
「うん♪」
「ははは!それじゃあ、一緒に行こうか?」
「うん♪」
俺は、大きく笑い、セナを抱き上げる。
丁度そこに、
「パアパ!どっか行くの?」
「セナちゃんも一緒?」
「ジャショウ!アルナ達も行く!」
「お兄様!アルマも、ご一緒します」
センカ達も、来てしまったか。
まあ、良いか……。
「それじゃあ、皆で、困っている人を、探しに行こうか」
「「「うん♪」」」
さてさて……。
それじゃあ、小さな冒険を、始めるとしようかねぇ……。
街は、今日も、大賑わいか……。
セナは、鼻息荒く、
「あのお婆ちゃん、大きな荷物持って、大変そう!セナ達で、助けよう!」
セナは、センカ達と共に、走って行ってしまった。
俺も、その後を追う。
助けると言っても、少し違うのだがなぁ。
セナ達は、お婆さんから、荷物を預かり、一生懸命、運んでいる。
お婆さんは、恐縮しながら、
「済まないねぇ。セナお坊ちゃまに、センカお嬢様達。荷物は、重いじゃろう?無理を成されなくても……」
「大丈夫!セナ達も、街の皆に、笑っていて欲しいの!」
「セナお坊ちゃま……」
婆さんは、涙ぐみ、優しく笑う。
まあ、こういう人助けを、経験させるのも、大切な事か。
俺は、ニコニコ笑い、
「婆さん、済まないな……。セナ達の、教育の為に、付き合ってもらえないだろうか?」
「これは、ジャショウ様!セナ様を始め、ジャショウ様のお子は、立派に、育っておりますなぁ。儂は、この街で、余生を暮らせて、幸せ者ですわ」
「ははは!そう言ってくれるか!婆さん、余り、無理をするなよ?声をかければ、周りの者達が、助けてくれる。俺達は、互いに助け合い、この街を、発展させているのだ!婆さんも、その一員に成ったのだから、頑張ってくれよな♪」
「ほいほい。儂も何だか、若返った様だのう」
俺は、婆さんをエスコートし、家まで、送り届ける。
セナ達も、よく頑張った。
荷物も無事に、婆さんの家に。
お婆さんは、気を利かせ、子供達に、お菓子とジュースを、振舞ってくれる。
セナ達は、ニコニコ笑い、
「お婆ちゃん!困った事が有ったら、セナ達に言ってね♪セナ達も、ジャショウみたいに、皆を守るから!」
「ほんにほんに。セナ様達は、立派に育っておるのう。それじゃあ、また、助けておくれ」
「「「うん♪」」」
小さな事から、コツコツと。
ヨセフには、それが無かった。
故に、あの様な王に、成ってしまったのだろう。
セナ達に、多くを、経験させてやらなくてはな。
立派な王か……。
俺とは、程遠い。
こんな事を言えば、エローラ達に、怒られてしまうが……。
それでも俺は、王とは、程遠い存在だ。
御館様の背が、俺の前で、道を指し示す。
立派な人だった……。
あの頃も、そう思っていたが……。
今は、更に、御館様の背が、大きく見える。
立派な王か……。
俺の背は、セナ達には、どう映っているのだろう?
少しは、届いたのだろうか……?




