ちゃっちゃとやっつけますか!
「で、報酬は?」
俺の言葉に、ジャンヌは首を傾げる。
「何を言っているのですか?」
「俺は、冒険者だ!」
「ジャショウ様は、勇者です!」
こいつ……。
何と言うか、ブレねぇ……。
「俺は、仙人じゃ無いんだ!霞を食って生きている訳じゃ無い……。生活するためにも、金がいる!それに、このギルドを守る義務がある!」
引く訳にはいかねぇ……。
俺は、強欲勇者だ!
益無き事に、首を突っ込む気は無い。
それに、ギルドの為にも……。
夢見る少女には悪いが、現実は、そう甘くは無い!
「ジャ、ジャショウさん……!」
俺達の問答を前に、エルがおずおずと手を挙げる。
「報酬は、我が父ロンベルが、責任もって支払います!それに……」
エルの言葉を遮る様に、ギルドの扉が開かれる。
そこには白銀の騎士が、
「ジャショウ様!」
騎士は直立不動で俺を確認すると、敬礼する。
俺は首を傾げ、
「どうしたん?」
「はっ!国王より、特命の依頼です!我が領土を脅かす魔王を打ち払い、ユーロン領を。我が国を、お救い下さい!報酬は、一億エル支払われます!」
「「「一億~~~!!」」」
全員、その場で立ち上がり、硬直する。
「ジャショウ様……。どうか我が国を……」
騎士は、俺を見て頭を下げる。
「ん!分かった!」
俺は、騎士の肩を叩き、にっこり笑う。
しかし、魔王か……。
何か、燃えるなぁ……。
オーガやトロルじゃ、相手にならないし、久々の強敵に、何だかわくわくする。
騎士を見送り、俺は、重い腰を上げる。
五日後には学校も始まるし、ちゃっちゃとやっつけますか!
「じゃあ、師匠!倒してくるね♪」
「うむ……。良い修行になるじゃろう。しっかり頑張ってこい!」
師匠の激も貰った!
俺は、シャルとサクヤを見る。
二人も、大きく頷く。
「あんた……。国の危機を、そんな軽いノリで……」
ラナが、呆れた様に言う。
周りの皆も、苦笑してるし……。
俺は、頬を掻く。
「流石、ジャショウ様です!」
ジャンヌは、ブレねえなぁ……。
エルは……。
「エル!心配そうな顔をするな!報酬分、きっちり働いてやるさ!」
俺は、エルの頭を、クシャクシャに撫でまわす。
エルは、頬を赤らめ、小さく頷いた。
「それでは、ジャショウ様!」
「ちょっと待った!」
「どうしましたか?」
喜び、勇んで出発しようとするジャンヌを引き留める。
「その、様付けは、止めろ」
「?」
「ジャショウで良い……」
不思議そうな顔をしていたジャンヌが、顔をほころばせる。
「それでは、ジャショウ!参りましょう!」
子羊の嘶き亭の扉が開かれる。
さあ、冒険を、始めるとしようか……。




