だって、ジャショウ君ですもの♪
一同は、あのコロシアムの戦いを見ていた……。
誰一人、言葉を発さない……。
ただ、固唾を飲み、あの日の出来事を……。
しかし、良く編集されている……。
俺の姿が、アップで映し出され、俺の言葉が、一字一句鮮明に、響き渡ってくる。
ジャンヌは、満面の笑みで見ている。
時折、解説を交えて……。
上映会が終わり、暗幕が開かれる……。
皆、言葉を発さない……。
額に汗を滲ませ、拳を握っている……。
俺は赤面し、項垂れた……。
何これ?恥ずかしい……。
何の、罰ゲーム?
今更ながら、カッコつけすぎた……。
一同が、俺を見る……。
「ハ、ハハハ……。どうも……」
俺は、乾いた笑いで、場を濁す。
「ジャショウ殿……。宰相が失脚したと聞いてはいたが……」
ベヘムが、息を呑む。
「それより、神獣を復活させ、魔人を倒した技……。古の錬気の奥義……。浄化の法!」
ユウが、震えた声で呟く……。
「これで、合点がいったわ……。商店街の人達だけじゃない……。騎士達が、あんたの事を崇拝してたのは……!」
ラナまで……。
俺は、頭を掻きむしる。
「ただの成り行きだ……」
「「「成り行きで、これ程の事をするか!」」」
一同、立ち上がり、総突っ込み!
俺は、気圧され、体をのけぞらせた。
「何で、今まで黙っておったんじゃ?」
「そ、それは……。国王にも口止めされてたし、別に言うほどの……」
一同、盛大なため息をつく。
最早、俺は、笑う事しか出来ない。
「これでは、真の勇者では無いか!」
「いや……。俺、冒険者……」
「阿呆な事をぬかすな!」
「ベヘムさん……。どうどう……」
みんな、目を血走らせて……。
怖いって……。
「私は、驚いたりしませんよ?」
シルフィーさんが、にっこり笑う。
おお!女神!
「だって、ジャショウ君ですもの♪」
何それ?
どういう意味?
しかし、一同、顔を見合わせ、納得した様に頷く……。
何それ?実に心外!
「これで分かりましたか?ジャショウ様は、勇者なのです!」
ジャンヌは、うっとりとした表情で言う。
何故、そうなる……?
しかし、なんでこいつは、妄信的なんだ?
それに、
「のう、ジャンヌとやら……。何故、ジャショウをそれ程までに信じておる?コロシアムに居たからでは無い!記憶の水晶を見た限り、お主は、あの惨劇の中、一歩も動いていなかった様だが……。魔人が出た時、なぜ逃げなかったんじゃ?」
ベヘムさんナイス!
俺も、それが気になる……。
記憶の水晶から見られる風景は、逃げようとした形跡はおろか、震えてすらいなかった。
こんな幼い少女が、平然と、あの場に居たと言うのか?
俺は疑問に思い、ジャンヌを見る。
しかし、ジャンヌはニッコリと笑い、
「ジャショウ様の勝利を、確信していましたから♪」
また、難題を出してきたよ……。
だから、しっかりとした答えをだなぁ……。
「何故確信を……?」
ベヘムは、ジャンヌを睨む。
しかし、ジャンヌは怯えた風も無く、くすくす笑う。
「だって、お父様の言ってた通りの人でしたもの♪」
近衛兵長が?
けど、近衛兵長と関わったのは、城の滞在した数日のみ……。
どんな話を聞いたら、こんなに妄信的になる……?
俺が訝し気にしていると、
「それから、エステカ様にも!」
ジャンヌから出たその名前に、俺とシャルとサクヤは、一斉に立ち上がった。




