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天翔雲流  作者: NOISE
魔王降臨
155/1865

偽り……。

 帰り道……。

 四人はリアカーに乗り、楽しそうに談笑している。

 ラナには、

「走るな!馬鹿ジャショウ!」

 と、釘を刺されて……。

 俺は、馬じゃねぇ~!

 帰りは乗らない!って、言ってたくせに、随分な話だ……。

 遠くにあったスターリーの城壁が、近づいて来る。

 これで、今日の冒険も終わり!

 アリスが、迎えてくれる。

 大きく手を振って……。

「シャルちゃん達、お帰り!」

 四人もリアカーから降り、挨拶をする。

「あなた達は……」

「は、はい!昨日から子羊の嘶き亭でお世話になってる、ユウです」

「私は、ラナよ……」

 ユウとラナ、それぞれ頭を下げる。

「そう……。ユウさん、ラナさん!シャルちゃん達はその……。色々と規格外ですけど、怖がらないであげて下さいね?」

 アリスが、俺達を擁護する。

「誰が、馬鹿ジャショウ達を怖がるものですか!」

「姉さん!すいません……。僕達は、ジャショウ達の事を、大切な弟や妹だと思っています!」

 二人の言葉に、アリスが、優しく笑う。

 その時……。

 師匠に気!?

 強大な気が立ち昇るのを感じ、俺は、ギルドの方を向く。

「ジャショウ君!」

 マルスが駆け寄る。

「師匠だ!」

 俺のただならぬ雰囲気に、一同が息を呑む。

 次の瞬間、俺は駆け出し、皆も、俺の後を追い、走り出した……。



 ギルド前、人だかりが出来ていた。

 俺は、人混みをかき分け、中央に行く。

 老齢の男……。

 如何にも成金な老人と、面立ちの似た若い男が、冒険者を引き連れ、ギルドの前を陣取っていた……。

 対面には、師匠が……。

「師匠!」

「うむ。ジャショウか……」

 師匠は、気焔を収め、穏やかに笑う。

 後から、ラナ達がやって来た……。

「おお、我妻よ!迎えに来たぞ!」

 冒険者を引き連れた、二枚目気取りの優男が、右手を広げ、前へと出る。

「ヒビト……」

 ラナは、顔をしかめ、男を睨む。

「さあ、帰るのじゃ!お前の様な奴でも、我が息子の妻!しっかりと跡取りを作ってもらわなくては困る!」

「ふざけないで!何時、あんたなんかの、嫁になったと言うのよ!」

 ラナの罵声に、ヒビトと呼ばれた男は、にやつき、左手を見せる。

「気の強い子だ。そう言う所も、気に入ってるんだがな……。しかし、困った」

「そうじゃなぁ。お主が折った、息子の左腕、どうしてくれるんじゃ?今なら、不問にしてやるぞ?」

 何だ?こいつら……。

 何か分らんが、さっきから、イライラする。

 ラナの事を、妻などと……。

 もう、ぶっ飛ばして良いかな?

「ふざけないで!何時折ったて言うのよ?」

「君が村を出た時、引き留める私の腕を」

「振り払っただけでしょう?」

「ほら!認めたじゃないか!」

 なんだ?この三文芝居……。

 腕が折れてるだと?

 けど、俺の目には……。

 しかし、その時、

「可笑しいですね?ラナさん達には、犯罪履歴は無かったはずですが?」

 マルスが、前に出る。

「何だ?君は?」

「入城の時、門で顔を合わせませんでしたか?」

「ふん!ただの門兵か!門兵如きが、しゃしゃり出て来るでない!」

 ジジイ……。

 俺は、怒りを忍ばせ、ゆっくりと前に出る。

 そして、

「何だ?君は!?」

「家のラナ姉に、ちょっかい出すテメエこそ、何もんだよ?」

「私は、ラナの夫……。っ!?」

 ヒビトの左腕を、捻り上げる。

 つまんねえ寸劇に、興味は無い……。

 ヒビトは、俺に捻り上げられた腕を、必死に払いのける。

「折れてねえじゃねえか!」

 俺の怒気に、ヒビトが怯む。

「ええい!冒険者の皆さん!」

 ジジイの号令に、冒険者が武器を取る。

 次の瞬間……。

「ラナ姉を、いじめる奴は、許さないんよ!」

「家のギルドに刃を向けた事、万死に値します!」

 シャルとサクヤ……。

 七人居た冒険者の内、六人が、腕から鮮血を上げて、崩れ落ちる……。

 後の一人は……。

 こいつらのリーダーか……。

 シャルもサクヤも、良く分かっている。

 俺の錬気に呑まれ、その場に崩れ落ちている。

 ゆっくりと、近づく……。

「どこの冒険者だ?」

 男は怯え、俺を見上げる。

「まあ、良い……」

 次の瞬間、男の腕の腱を斬り、鳩尾を蹴り上げる。

「お前達は、後で、たっぷり可愛がってやるよ……」

 冒険者に背を向け、成金ジジイ達の方を向く。

 恐怖で、引き攣った顔……。

 久々のSモードだ。

 ゆっくりと錬気を絡める……。

 成金ジジイは、動く事も出来ず、

「お、おい!衛兵!こいつらをどうにかしろ!お前達の仕事だろう!?」

 マルスは、首をゆっくりと横に振る。

「アリスさん……。この男達の罪状は?」

「はっ!冒険者を使った、市内での暴動行為。及び、誘拐未遂。そして、詐称罪です!」

「ジャショウさん……」

「分かっている……。殺しはしない。殺しはしないが!」

 俺は、成金ジジイとヒビトの首を掴む。

「ひっ!?な、何を!?」

 男達の目を見る……。

 絡めた錬気を、ゆっくりと高め……。

(威圧発動……)

 男達の顔が、恐怖に歪む……。

 瞳孔が開かれて逝く……。

 正気を失う手前で、

「次ぃ、ラナ姉達や、俺の周りの者に何かしてみろ?死なんて生ぬるい……。地獄を見せてやるよ?それと……」

 俺は、にやりと笑い、ヒビトの左腕を、締め上げる……。

ゴキッ!

 絶叫が木霊する……。

「これが、折れると言う事だ……」

 その後も、俺はゆっくりと歩き、辺りは静寂に包まれる。

 そして、一人の男の前に止まる。

「お前、こいつらの仲間だろう?」

 俺の目に映る男の顔は、恐怖で歪む。

「何にもしないよ」

 俺の笑顔につられ、男も、ぎこちなく笑う。

 その男の耳元で、そっと囁く……。

「スターリーには近づかない事だ……。今度その顔を見たら……。お前だけじゃない。村ごと滅ぼすよ?」

 男は、恐怖で、失禁する……。

 その後は……。

 男達は、アリスに連行されて、詰め所へ連れていかれた……。

 残るは、冒険者……。

「ジャショウさん!ほどほどに……」

 マルスが、俺の肩を持つ。

 俺はにっこり笑い、頷いた……。


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