何が起こったの!?
茜は鏡の前で手を上げてみた。鏡の中の猫も同じように手を上げている。その手を下ろし、もう片方の手も上げてみた。やはり鏡の猫が手を上げている。
私、猫になっちゃった!?
茜は混乱していた。しかし鏡に映っているのは白猫。茜はその事実を受け止められずに、寝ることにした。
きっと夢だわ。
茜は寝室へと行った。しかし、ベッドに上がれなかった。猫には高すぎたのだ。
夢のはずなのに!
仕方なく茜はローソファで寝ることにした。
翌朝、茜は寒さで目覚めた。何も着ていなかったのだ。茜は自分の手を見た。手をグーパーしてみる。
うん、私の手だわ。昨日のはやっぱり夢だったのね。でも裸で寝ちゃうなんて、疲れていたのかしら。
茜は会社へ行く準備をした。いつもの朝。いつもと変わりはない。そう思っていた。それからも会社へ行き、彼氏とデートをして、友達と遊ぶ。
それから一月ほどしてからだった。茜はまた会社から帰り、夜空を見上げた。
あら、満月だったかしら。
茜がそう思った瞬間、目線が下がっていく。
え?
茜はまた白猫になっていた。呆然とする茜。
あれは夢じゃなかったの!?
茜はそれでも夢だと信じたかった。だからまた寝ることにした。しかし、翌日になっても茜は猫のままだった。