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アヤカシの末裔  作者: 遠野まみみ


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エピローグ

「偉い、偉いよくやった」

多嘉良が美和の頭をポンポンする。

「うん…。これでいい。これが正解」

うつむく美和。

「そうだよ。これが生まれてきた者の正しい道だ」

多嘉良はたまに真剣になる。たまに…だが。


「さあ、帰るか」

愛鷹たちが去っていく。

「みんなありがとう」

応えるように右手をあげる愛鷹。頭を下げる戸隠。

 「美和ちん、またねー」「ばいばい」手を振って梓と早瀬も帰っていく。


月は雲に隠れて辺りはすっかり暗くなって、闇が広がっている。


「ところで、ライト持ってるか?」

「え?多嘉良さんないの?何もなくて山の中へ来たの?」

「美和が持ってると思ったんだよ」

「あるけどリュックの中で、リュックは山の上…」と上を指さす。

「うあー、信じらんねー。この暗闇をどうやって帰れと?」 

「仕方ないでしょー」


「あのう、良かったら狐火をお貸ししましょうか?」

聴覚が良くて、ふたりの会話が聞こえていた戸隠が声をかける。

「戸隠さんっ。ありがとうございます」

美和と多嘉良は深々と頭を下げた。


ぼんやりと周りを照らす狐火を頼りに、神社に帰ってきたふたり。


「楽しかったなぁ。さえちゃん、さようなら…じゃない。またね。」


雲が晴れて月明かりに照らされて、村の夜は静かに更けていく。



月曜日。どうしてもさえがいた席を見てしまう美和。


「先生が、この席は誰も使ってないから机を片付けておくようにって」

クラスメイトがそう言って、さえがいた席を片付けていく。



移動教室で上級生のクラスを通りかかったときに

教室から声がした。

「この写真いる人。去年のだけど、誰かいる?…あーっ」

美和の足元に写真が一枚落ちてくる。

写真を拾って、美和は目を見開く。


さえ。

ふたりの少女の間から、さえがこちらを見ている写真だった。


「ごめん ごめん。風で飛んじゃった」

教室から出てきた上級生に

「この写真、欲しいです。譲ってください」と頼む美和だった。

「お金払います」


「ううん、いいよ。欲しい人はいないみたいだから、あげる」

「ありがとうございます」丁寧にお辞儀をして、写真を抱きしめた。



美和には人間の友達がいなかった。

そんな美和の部屋に、親友の写真が飾られた。



読んでくださってありがとうございました。

次回のお話も楽しんでいただけますと嬉しいです。

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