表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第1章 異世界転移編
7/33

第7話ぽっちゃり系男子と話しました。

次回は明日の12時過ぎに第8話掲載予定です。

これからもよろしくお願いします。






 しばらく歩くと、歩いている廊下の右側の部屋からクラスの人の声が聞こえた。この部屋か。


「着いたわ。この部屋よ」


 小坂さんがドアを開けて入る。

 そして俺達もその後に続いて入った。

 その部屋は他の部屋に比べて少し豪華な造りになっており、広さは学校の体育館の半分程の大きさだ。

 丸い机が何個もあり、クラスメイト達は適当に座って雑談を楽しんでいるようだった。

 ――なんの用途で使われる部屋なのだろうか?


「キャー、その可愛い女の子だれ?」


 女子のグループの方から突然声が上がり、猛ダッシュで近づいてくる。これは鳴坂さんか。

 因みに鳴坂理恵子はメガネをかけた女子で、無類の子供好きとしてクラスでは有名である。そのためついたあだ名はおばちゃんである。

 なんとも残念なあだ名であるが、鳴坂さんは気に入っているらしい。鳴坂さんの感性はかなり独特だと思う。

 鳴坂さんが光の速さでフィンの前に移動する。


「ん?」


 フィンはキョトンとして首を横に傾けていた。

 どうしてそんなに自分をキラキラとした目で見つめてくるのか分からないという反応をしている。あくまで俺の予想だが。


「この子は俺の【召喚魔法】で呼び出した魔物でフィンという名前だよ。仲良くして上げてください」


 フィンは自己紹介をしなかったから俺が代わりにした。

 自己紹介の最中、フィンは鳴坂さんのスキンシップ(ナデナデや抱きつき)を上手く避けていた。

 フィンには味方に危害を加えないように言っているからクラスメイト達は安全だ⋯⋯と思う。

 そんな事を考えていると前から骨の魔物を引き連れたクラスメイトが近づいて来た。


「僕も【召喚魔法】のスキル持っているんだよね。こいつの種族はスケルトン。その子の種族は?」


 こいつの名前は山本翔太。ちょっとぽっちゃりした体型が特徴の男子であり、隠れオタクである。

 明帝学園にはオタクが少なく、居づらかったから隠れオタクが結構いたのだ。そして奴はその中の1人だった。そのおかげで何かと話す事が多くなり、クラスメイトの中ではかなり親しい。

 そして親しい関係だからこそちょっとしたことも見破られる可能性が高くなる。

 ――種族の話は正直したくない。嘘をついて隠しスキルがバレたら困るしな。

 俺はさりげなくそらす事に決めた。


「それよりなんで山本は【召喚魔法】のスキルを取ったんだ? 動きたくないからか?」

「まあ、それも理由の1つではあるな」


 上手く話しをそらせたぞと俺は心の中でガッツポーズを決める。


「じゃあ、もう別の理由は?」


 そういうと山本は顔を俺の耳に近づけ、小さい声で言った。


「勿論、美少女を召喚してハーレム作りたいから決まっているだろう。」

「やはりか。俺も似たような理由だ」


 実際は全く違うがそういう事にしておこう。

 ――こいつそんな理由で【召喚魔法】を選んだのか⋯⋯。


「美少女召喚おめでとう!」

「お、おう」


 まさか祝福されるとは思わなかった。てっきりなんでお前だけ〜? とか言われると思ってたからである。


「俺も早く美少女召喚したいな〜」


 そう言いながら山本が急に俺の肩を組み始めた。


「おお、我が同志(童貞)よ。この気持ちは我が同志(童貞)にしか分かるまい」


 全ての同志(童貞)がその気持ちを理解するとは限らないぞ。

 デブ⋯⋯じゃなくてぽっちゃりのこいつと肩を組むのは暑苦しいが我慢だ。

 まあ、こういうでかいリアクションがこいつの面白い所の1つだと思う。


「そうだなぁ。俺は【ステータス鑑定】のスキルを習得したかったなあ」

「何、大迫は【ステータス鑑定】を持っていないのか?意外だな」

「どうせお前は持っているんだろう?」

「無論だな。まあ、効果は定番だったけど」


 異世界モノのラノベではおなじみである鑑定系能力は是非ともゲットしたかったが、【物体会話】がとても使えそうな事や、【スキル隠蔽】がある場合にはスキルを見ることが出来ない事から諦めた。

 戦闘では相手がどんなスキルを持っているのかが重要視されているから、【ステータス鑑定】の対策で【スキル隠蔽】を取っている人は多いと思う。

 それから、俺は俺以外の人がどんなスキルを取ったのかが気になってクラスの皆ステータスなのかを山本から聞き出していた。

 山本は喋るのが好きな奴だ。どんどん喋ってくれる。

 結論を言うと、クラスの3分の1程の生徒が【スキル隠蔽】でスキルを隠していることや1番能力値が高いのは黒木で俺の能力値のほぼ倍あることが分かった。

 ――黒木さん、マジパネェ。

【スキル隠蔽】を取っている人が思ったより少ないから山本に理由をそれとなく聞いてみると『多分、戦闘で使えないから無駄スキルと考えた人がそれだけいたって事だよなっ』て返ってきた。

 戦闘では情報戦が大事だと俺は考えているのでその考えには全く理解できないが⋯⋯。

 そんな事を考えていると唐突にパンパンと手を叩く音が響いた。


「全員静かに! これから私たちの代表を決めるから推薦や立候補などはありますか?」


 小坂さんの声が響き渡る。

 さて、この後どんな展開になるのだろうか。




















次回は明日の12時過ぎに第8話掲載予定です。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ